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姉、頭の片隅に残った話をする


黒いモヤにとても甘い匂い。


マリーの言葉は、学園から帰る道中、

馬車の中でディランに淑女マナーのお茶会で

アメリアがくれた心使いの話をしていても、

屋敷に到着しマルチダと紙職人への礼状と

共に送る品の相談をしていても頭の片隅に残り、

晩餐後に食休めとしてソファでお茶を飲んでいる

時に、


「マリーの言葉に嘘は無いと思っているわ」


ボーイックの話とマリーが見たと言う黒いモヤの

話をすると


「ええ。光の魔術を持つマリー嬢の言葉です。

信用に値すると思います。が、早々に判断する事は難しいかと」


いつになく真剣に話を聞いてくれ、言葉をくれたディランと


「午前中の態度とマリー嬢が触れた後の態度へ違和感も

感じます。ディラン様のおっしゃる通り判断するには、

早いかと思います」


同じく真剣に話を聞いてくれたフレディの言葉に頷きつつも


「だけども、もう1度ボーイックに黒いモヤが現れるのを

見るのは嫌だわ」


思い出せば思い出す程の今朝のボーイックの言動は違和感が

あり、


「ただ、悩んでいて心が荒んでいただけならいいのだけれども」


学園に入学した初日からクラスメイトの中でのマリーと共に

話しかけてくれた友人。


黒いモヤが原因ではなく、生きていれば誰もが直面する

悩みや感情の荒ぶりであればい良いと願ってしまう。


「姉様のおっしゃる通り、一個人の制御が難しい感情であればと

思います。が、黒いモヤに甘い香りの話はお父様へ報告と近しい者

だけに話し、注意を促します」


無意識にため息を落としてしまい、ディランに強く手を握られ

励ましと共にこれからの動きを告げられ、


「そうね。マリーも3人の時に告げたのは大事にしたくない気持ちが

あっての事でしょうし、話すべく人選はディランにお願いするわ」


マリーとルイにディランとフレディに話す以外、

誰かに話すという事が思い浮かばなかった自分とは違い、

ディランの中では話す人物が思い浮かんでいる様なので

お願いをすると


「かしこまりました。明日の今頃にはご報告ができる様に

いたします」


握られた手を少し強く握ってくれたディランに、

同じ様に握り返しつつ


「相手の都合もあるでしょうし、いつでも大丈夫よ」


急がなくても大丈夫だと伝え、


「この話はここで止めて、違う話をしましょう」


硬くなった雰囲気を変える為に告げれば、ディランも

フレディも頷いてくれ


間も無く領ではミモザの祭りが始まる事を話すと、

自然と初めて参加したお祭りに屋台の話となり、


「そういえば、本屋の店主さんはどうしているかしら?」


勉強をする事で出てきた疑問を解決する場所や、座って行う

勉強は苦手だが、話を聞き知識を蓄えるのは得意な子達の為に

お願いをしたままであることを思い出し言葉に出すと


「彼ならば上手くやり過ごすでしょうし、何かあれば

仲の良い爺様を通してこちらと連絡を取るはずですので、

それが無いと言う事は、子供達と上手く過ごせていると

思ってよろしいかと思います」


フレディから返事が返り、


「そうね。イルさんから連絡が無いのは良い証拠よね」


安心し頷き返すと、違う話題へと進み、


「エスメ様、時間かと」


マルチダの言葉に夢中になっていた事に気づき

ディランとフレディに就寝の挨拶をし隣にある

自室へと戻った。


第421話


先日見つけた柊の蕾が花開い初めていました。これから寒い冬がやってきますね。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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