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姉、親友から話を聞く


手早く的確に淑女マナーを教えるアメリアに

真剣に聞き知らなかった知識を覚えてゆくマリー


自然と背筋が伸びる2人のやり取りを壁側で見守り

間も無く終わりそうな雰囲気を感じ、お茶の準備を

始めた。


魔法石を発動させお湯を沸かし、その間にポットに

茶葉を数人分入れ、カップも温める為に絵柄と共に

埋め込まれている魔法石を発動させ温める。


冷める事の無い紅茶はお茶会が終わるまで暖かく飲め

新作が出る度に完売する、私が思い付きでディランに言い

ディランが案を出し販売した商品で、


「価値を高める為に販売数を少なくし、次回作が出た際には

必ず手に入れたいと思う様に浸透するまで販売をするつもりです」


そう言い売り出した1作品目のカップを失礼の無い程度に

見つめ、当時のやり取りを思い出し心の中で懐かしさに笑っていると


「お気に召しましたか?」


アメリアの言葉に


「ええ。とても」


笑顔で返事を返すと


「こちらはお母様が特にお気に入りのカップで、今日は

特別にとお借りしてきたのよ」


親しげな雰囲気と柔らかな微笑みと共に告げられた言葉に

昨日の事をで心配をかけてしまった事に気付き、


「お心使いありがとう。それと大切なカップをお貸しくださった

伯爵婦人にお礼をお伝えください」


もう大丈夫だと気持ちを込め微笑みとお礼を伝えると、


「ええ、伝えますわ」


気持ちが伝わった様で、改めてカップを眺めつつ

温めたスコーンを食べつつも、アメリアの貴族クラスの

授業内容の話に3人で興味深々であれこれと質問をし

続きはまた明日と約束をし本日のマナー教室は終わり、

3人で馬車へ向かっていると、


「ボーイックさんの事なのですが」


周りに誰もいない事を首を左右に動かし確認した後の

言葉に、ルイと共に頷きで返事をすると


「ルイさんと話しをしていたほんの1瞬なのですが、

黒い煙の様なモノと、とても甘い匂いがしました」


真剣な表情のマリーの言葉に朝の出来事を思い出すも


「私は分からなかったけど、ルイはどう?」


マリーの言う1瞬事に気付けず、隣にいるルイに話を振るも


「俺も分からなかった」


自分と同じ答えを返したルイに首を傾げつつ


「マリーだけが気づいたのは、後ろから見ていたからかしら?」


ルイは正面からボーイックと話しており、自分は横から2人を

眺めていた。


その違いかと思い言葉にしたものの、確信は持てず


「やはり、私の見間違いでしょうか?」


自分の見たモノが勘違いなのではと自信無さげに顔を下に

むけてしまったマリーに


「私には見えたモノ、匂ったモノは分からないけれど、マリーが

見たというならば本当だと思う」


マリーの言葉を信じると言葉を変え伝えると


「ああ。俺もマリーの言葉を信じる。

ボーイックとは同じ部屋だから注意しながら見ておくよ」


ルイもマリーを信じると言いきり、ボーイックの様子を

注意深く見てくれるというので、お願いしフレディが待つ

馬車へと向かって歩き出した。


馬車の近くでルイとマリーと別れ、


「フレディ。ただいま」


馬車の前で待っていてくれたフレディに声をかけた後、

同じ様に馬車の前で自分の主が帰ってくるのを待っている

従者さん達に挨拶を交わし合った後、


「フレディ聞いて。今日の淑女マナーの後のお茶会に

ディランが作ったカップで紅茶をいただいたの」


あの時、表に出せなかった喜びを全面に出し


「なんでも婦人のお気に入りのカップをアメリアさんが

借りてくれたそうなの」


少し早口で伝えると


「それはよろしゅうございましたね」


微笑み小さく頷いてくれたので、更に


「初めて売り出したカップでね。嬉しくれまじまじと見ちゃった」


嬉しすぎて頬が緩むのが耐えきれずにいると


「確か数セットしか作らなかった、あのカップですか?」


驚いたのか数度瞬きを繰り返したフレディに


「ええ。そのカップよ」


頷き返すと


「確か10セットも販売していないかったはず。

それは嬉しいですね」


フレディも嬉しそうに微笑むので


「ディランもきたらびっくりしながらも驚いてくれるはずだわ」


早く来ないかしら。


教室のある建物の出入り口を見ると、人影が見え


「エスメ様、そろそろディラン様もお戻りになるかと」


馬車の中で待つ様にと促すフレディに頷き、手を借り

先に馬車の中に入れば、温かな空気に包まれ着ていたコートを

脱ぎ、座席に腰を下ろしディランとフレディを待った。


第420話


来週から本格的に寒くなるそうで、暖房器具と加湿器の準備をしないといけませんね。

誤字脱字を教えていただき誠にありがとうございます。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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