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姉、親友からメッセージを貰う


夜明けが登校時の馬車の中で

下校時には太陽が沈みかける王都の冬


領では夜遅くまで太陽が空にあったけれど

王都では日照時間は短い。


雪が降り続ける領と冷えと乾燥で寒さを感じる王都


それぞれの違う冬を頼む為にそれぞれ楽しみ方があり


「ヴァイバーナムとウインタージャスミンが素敵ですね」


マルチダが用意してくれた制服は新しく領から届いた

制服の様で、襟のは紫陽花の様な白色の小さな集合花の

ヴァイバーナムと和名で黄梅と呼ばれている

ウインタージャスミンの黄色い花。


冬と言えばスノードロップが先に思い出されるが

この2つの花を選んだのはミランダとコナーさんだろう。


初夏や秋のガーデンの主役は咲き誇る薔薇だけど

冬のガーデンに咲く誇るアイリスやシクラメンも良いけれど

せっかくならばと選んでくれたに違いない。


ヴァイバーナムの花言葉は、茶目っ気、誓い、落胆

ウインタージャスミンの花言葉は、控えめな美、期待、恩恵


その花言葉の気持ちで選んだか分からないけれど、


「ありがとう。気に入っているから嬉しいわ」


色が少ない季節に白と黄色の花を刺繍で刺してくれた事は

とても嬉しくて、気持ちも明るくなり足取りも軽やかで

馬車から降りた際に冷たく強い風が吹いたけれど

気にもならなかった。


ルイと共に教室に向かう中、沢山の上級生に朝の挨拶を

いただきつつ、微笑みと共に朝の挨拶を交わしながらルイの

様子を伺うとルイと目が合い


「昨日の事は気にするな。俺達が会い、話したミランダが

本当のミランダだ」


自分だけに聞こえる小さな声ではあったもののルイのミランダを

信じている事が伝わる強い意志に頷き、


「ええ。私も同意見だわ」


同じ様に小さな声の中に目一杯の気持ちを詰め込み伝えると

にやりと笑う返事が返ってきた。


お互いに気持ちを確かめ合い、教室に入るとマリーと目が

合った瞬間マリーは安堵の表情を見せた後、嬉しそうに

笑ってくれ


「エスメさん、ルイさん。おはようございます」


元気な挨拶をくれたので


「おはよう、マリー」


ルイと同時に同じ言葉で朝の挨拶を返すと、3人で顔を

見合わせた後笑い合ってしまった。


初めての事に嬉しくて楽しくて面白くていつまでも

笑い合っていたいけど


「ボーイック、おはよう」


マリーの前の席に座っていたボーイックに声をかけると、

どこか呆れと不機嫌そうな表情をしながらも、


「おはよう。エスメさん」


表面上だけ笑った顔に心の中で首を傾げたものの、


毎日、毎秒、機嫌の良い人なんて居ないもの。

今日は何かあっての事なんだのでしょうね。


表面だけでも取り繕ったボーイックに挨拶だけ交わし

2人に視線でそっとしておこうと。と、伝えぞれぞれの

席に座り授業の始まりを待った。


座学のみの授業だけれど日照時間の関係で数時間

短くなった授業はあっという間に終わり、

足早に教室を出てアメリアの待つ部屋へ3人で向かい

今度は淑女マナーを時間。


こちらも短縮行われるので部屋の扉前から授業が始まり、

ルイのノック後のアメリアの返事も貰い、3人で入室し

それぞれの礼の形を取り、マリーはアメリアの元へ歩き

自分とルイは壁際に控える。


短時間でどれだけ濃密な体験ができるか。


マリーだけの淑女教室だったはずが気がつけば私もルイも

アメリアからマナーを習っており、それぞれにアメリアから

褒めて貰えたり改善点を教えて貰えたりと充実した時間を

過ごしている。


そして、最後のお茶会も時間は短いものの、


「エスメさんのヴァイバーナムとウインタージャスミンの

刺繍。とても素敵ですわね」


アメリアからの嬉しい言葉に


「ありがとう。とても気に入っているのよ」


笑顔で返事を返すと


「控えめな美と恩恵。それと誓いね」


さらりと花言葉を告げたアメリアに驚いていると、


「紙刺繍が好きで集めていると自然と花言葉も

自然と詳しくなるのよ」


ころころと笑うアメリアを見ながら、沢山ある中で

告げた3つの花言葉を選んだ理由を問えば


「刺した方からのメッセージですのよ。花言葉とエスメさんを

合わせて考えれば分かりますわ」


嬉しそうに微笑むアメリアを見ながら、告げられた言葉を

自分の中で反復するが


「控えめな美は違う気がするなぁ」


独り言の様に言葉を溢すと、


「そんなことありません。と、いうより控えめと言うより

とても美人です」


マリーの力強い言葉に大袈裟すぎると困った様に微笑み返すと


「マリーさんの言うとおり控えめ問い言葉は謙虚すぎますが

立場を考えれば控えめで良いのでしょう」


どこか言葉足らずのアメリアの言葉にマリーは首を傾げつつも

深く聞かない方が良いと判断した様で


「ウインタージャスミンの黄色にヴァイバーナムの白色の

バランスも良くて素敵ですね」


違う話題へと写しながらも会話を続けると


「本当に。紙刺繍になるのが待ちどうしいですわ」


アメリアも同意だと頷いてくれ、販売することを楽しみにする

言葉に


販売するなら来年かしら?


頭の中でそんなことを考えながらもミランダにアメリアの反応と

言葉を伝え様と決め紅茶を一口飲んだ。



第417話


柊の蕾が膨らんでいるのを見つけました。開花が待ちどうしいです。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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