姉、嬉しいけれど気恥ずかしい
ディランとフレディに自分の考えを話し
幾分心が軽くなり、ハーブの匂いに包まれながら
入浴を済ませ、ゆっくりとハーブティーをいただき
「ねぇ、マルチダ」
物心ついた頃から一緒に居るマルチダの心使いが
嬉しくもあり申し訳なくもあるが
「心使いありがとう」
お風呂のハーブと今飲んでいるハーブティーに
部屋に微かに香る匂いは全て、心穏やかになる
効果のある匂いで数種類合わさっても
お互いの匂いが調和されて、何度でも深呼吸をしたくなる
心地よい匂いで
まずはその事へのお礼を伝えると、普段表情が変わる事が
少ないマルチダがほんの少しだけ口端を上げてくれた事に
嬉しくなったものの、
「心配かけてごめんなさい」
学園から帰ってきてからの行動を思い返せば、きめ細かな
気配りと労りをしてくれていた事に気づき、その事への
謝罪をすると、
「お心が晴れた様でよろしゅうごさいました」
先程の表情から普段の表情へと戻ってしまったものの
目の奥に柔らかいモノを見つけ、
「これからも沢山迷惑と心配をかけると思うけれど
よろしくね」
しっかりと目を合わせ伝えると
「エスメ様の行動や言動は誰かを思いやる優しい心です。
迷惑などと思ったことは1度もありません」
同じ様に目を合わせしっかり伝えてくれたマルチダに
気恥ずかしさを感じ
「ありがとう」
そろそろ寝ようかな。
視線を外し逃げるようにベットに視線を送り座っていたソファから
立ち上がると、
「温石で布団を暖めておりますので、火傷にお気をつけください」
ここでもマルチダの気遣いを貰い、
「ありがとう。気をつけるわね」
一礼をし部屋から出ていくマルチダ見送った後、足早に
ベットに入れば暖かい布団に包まれ、
幸せだなぁ。
火傷をしないようにと布に包まれた温石をふくらはぎに当て
冷えをとってゆくとやってくるのは眠気で
明日は心配をかけたマリーとアメリアにお礼と謝罪をしないと。
微睡中、明日のやりたい事を思い浮かべるも
瞼がだんだん落ちてゆき
色々あったけれど今日も沢山の幸せを貰え嬉しかったなぁ
意識と眠りの狭間で今日の振り返しをすた所で限界を迎え
眠りの中で入っていった。
夢に見るのは領での楽しい思い出。
初めてミランダとコナーさんに出会った山の中から始まり、
ぬくもり亭へ通い続け、ミランダが定住を決めてくれた時の
嬉しさ。
ミラの突撃訪問にミランダの家で夕食を作った日々。
ミランダから教わった勉強にマナー。
ミラがコナーさんから褒められる姿を自分の事の様に
嬉しそうに眺めていたミランダの姿。
ミランダが楽しそうに料理をする姿を心配そうにしつつ
でもどこか嬉しそうに見ていたコナーさん。
ルイがミランダの事を友情から愛へと気持ちを変えてゆく日々
どれをとっても、大切な思い出。
大切な親友。
数日前に会ったけれど会いたくなってきた。
領から離れる日まで夢を見ていると夢が薄らいぎ
そろそろ起きる時間かしら？
そう思うと自然と瞼が開いた。
暖かかった温石は冷めており、部屋もひんやりとした
空気に包まれ、火の魔術と風の魔術を発動し部屋全体を
暖め、ついでに火の魔術で暖炉に火を入れる、少しでも
早くや部屋が温まる様に魔術を発動させた。
ついでにディランの部屋も暖かくしちゃおう。
魔術を少し威力を増し、部屋全体が暖かくなったであろう頃
ベットから出て、厚手のカーテンを開けるも
まだ真っ暗ね。
深夜と変わらない暗さだが、時間は早朝を示しており
このまま机に向かい、レターセットと羽根ペンとインクを
取りだし、
ペンを動かし
親愛なるミランダへ
そう書き始めると不思議と書きたい事が沢山思いついて
無心でペンを走らせた。
第415話
ハロウィンですね。トリックオアトリートと言ってお菓子を貰ってみたかったです。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です？婚約者のお義姉様はどうなさったの？大変！廃嫡とざまぁを回避しなければ！
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