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弟は思考の海に漂う


幼き頃より記憶のある姉様はいつも楽しそうに笑い

愛おしそうに、また、自分の事を愛しているのだと雄弁に

目と表情と言葉と態度で惜しみなく愛情を示してくれて、


両親よりも一緒に居る時間が長いので、跡取りとして

やってはいけない事だが、どうしても姉様が最優先に

考えてしまう。


姉様がいつも楽しそうに笑い嬉しそうに微笑み、

健やかに過ごせるように自分のできる範囲で

守ってきた。


今回の様に離れた場所で過ごす時間にも

同じ様に過ごせる様にと心を配ってきたが、


姉様の中の良い同級生だという言葉に

警戒心が緩んだ。


自分の不甲斐なさに情けなくもあり悔しくもあるが


自分の感情より、まずは姉様の事を優先しなければ。


何か話しかけ元気づけられればと話題になる事を

脳内で探すも、


そう言えば、いつも姉様から話を始めてる事が

当たり前だった事を思い出しすと何を話せば良いのか

分からず、ぼんやりとしている姉様を眺めるだけで

屋敷に到着し、迎えにきていたマルチダも姉様の姿に

1瞬、驚きを見せたがすぐに気持ちを切り替え


ないごともない様に姉様に付き添い部屋に入って行った。


「僕はまだまだ考えが足らないんだな」


声をかけれず見送った後、自室に戻り着替えもせずに

ソファに力無く腰を下ろすと


「それを言うなら私も同じでございます」


手早く紅茶を淹れてながら


「遠くからエスメ様のお姿が見えた時に違和感を感じ

出迎えた際にはご無理をし微笑んでいる事は分かりました。

ですが、どうお言葉をかけて良いかの分からず」


語尾が小さくなっていくフレディの言葉に、


「僕達は姉様に支えられ助けられてばかりだな」


背もたれにだらしなく身を付け顔に腕の乗せ顔半分を隠し

嵐の様に荒れる感情を鎮め様としていると、ノックの音が

聞こえたものの反応ができずにいるとフレディが対応してくれ


「ディラン様。マルチダさんよりエスメ様の伝言預かりました。

書斎に行くので晩餐の時間にこちらに来る。との事です」


姉様から託されたのか、マルチダが気を利かせて託けてくれたのか

分からないが、書斎という事はミランダ嬢の出身国の現状を調べる

為の行動だと推測するが


「分かった」


伝言への返事を返しそれまでに立て直せる様に

自分の感情と気持ちの声に耳を傾け治めてゆく事にし、

それができたら、


今後も起こる問題だ。対処できるようにしなければ。


今回この事への傾向と対策を考える為に持っている知識を

組み立てゆく。


姉様へミランダ嬢の話を振ったボーイックへの警戒と人物としての

精査の指示を出すこと。


昨日の姉様の話では紙刺繍工房の運営にやりがいがあると、

微笑んでいたと聞いたが、改めてミランダ嬢の周辺を探る事もしなければ。


そちらはお祖父様とお祖母様にお願いをすれば人員を割いてくれるはず。


ミラも居るが、姉の様に慕っていると姉様やルイから話しを聞いている。

ミランダ嬢の件で巻き込めれる可能性が高いのでそちらの警護も

お願いする事にし、


間も無く開催される春祭りの警護を厳重にしていただくようにせねば。


領民を一個人の感情で振り回す事などあってはならない。


姉様と言う要注監視人物が居し、生活魔法道具の輸入もあり

冷静に判断を下すならば、何も事を起こす事は無いが、


盲信している隣国の方々が冷静に判断し止まってくれるとは思えない。


表出さず水面下で警戒に警戒を重ねるのが良いだろう。


ミランダ嬢に何かあれば姉様が即座に領へ飛ぶだろう。

その動きに領民は同調するのは想像が容易く。


領民に助けれるのはとても良い事だが、

辺境の地である事と獣害で戦う事を身につけいている。


諍いはしたくない。

最速で最小限に留めなければ。


瞼を閉じ、腕で光を遮断した闇の中で答えを出し終えた頃は

部屋の中でランプと火の魔法石が灯りとなり発動されていた。


長い間、思案していたのがわかり、重い位置を吐き出し


「フレディ。着替えるので準備を頼みたい」


心配げ視線を送ってくれたフレディに声をかけソファから

立ち上がり、晩餐に来る姉様を迎える準備に入り、

身なりを整え終えた頃、聞こえたノックに返事をし

フレディが開けた扉から、普段と変わらない笑みをした

姉様が部屋に入り


「ディラン。遅くなってごめんなさい」


お腹空いたでしょう。


いつもと変わらない優しい声と気遣う言葉に、

どうやら姉様の中でミランダ嬢の件にけりをつけた様で


姉様は強いな。


すぐさま自分の感情を鎮める事ができず、

長々と思考の海の奥底にいた自分なが情けなく感じるも


「姉様の方こそ、お腹が空いているのではありませんか?」


なんでも無いふりをし、貴族紳士らしく振る舞った。


第413話


秋が深まり栗おこわを夕飯に食べ、さつまいものレンチン蒸しもいただきました。食欲の秋 満喫中です


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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