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姉、気持ちにけりを付ける



そう言えば、私、ミランダの事あまり知らないかも。


朝からの出来事に心が放浪されて体が重く感じつつ

ディランとフレディが居る安心感と馬車の揺れで

ぼんやりとしている中でフッと思いついた。


知らなくても仲良くなり親友だと思っているし

本人が話したく無いのならそれで良いと思っている。


世間が知るミランダとアメリアや私が知るミランダが

正反対で驚いたけれど、


1年近く毎日会っていたミランダが私の知るミランダなのだから


心を揺らす事をしなくても良い。


あの祭りで吟遊詩人の歌を聞き顔色を悪くし泣きそうだった

ミランダの姿が鮮明に思い出され心の中でため息を落とす。


できる出来ないかはさておき、何か作を考え広まった印象を

取り除きたいけれど、ミランダの許可をどう取るか。


今日のことを話したところで感情を悟らせない綺麗な微笑みで

首をゆるりと振るのは分かっている。


コナーさんにこっそり告げた所で知られてしまったら起こりはしない

だろうけれど困った様に微笑みが返ってくるのも分かっている。


動くならミランダやコナーさんに迷惑がかからない様にしたい。


まずは、隣国の状況を知ることかしら?


ルイは隣国の本ばかり読んでいるとボーイックが言っていたが

ミランダの国の本だと確信している。


私ができる範囲で調べてみようかな。


眠気との狭間で今日のことへの関わり方を大雑把に決め

ディランの心配する声に鈍く返事を返しながら自室へ入り

着替えを済ませると眠気も薄くなり


「マルチダ、あのね」


屋敷にある書斎へ行きたい事を告げると、部屋を出て鍵を

持ってきてくれた。


様々な本がある中、周辺国の情報が書かれた本を見つけ

数冊手に持ち、近くにあるソファに座り表紙を開いた。


書かれているのは長い歴史。


始まりの王は銀色の髪を持つ人物の様で、銀の髪を持つ者が

王家の象徴として扱われていると記載されており、


その部分で読む事を止めた。


思い出すとミランダの髪は銀色


でも、吟遊詩人は伯爵令嬢であると歌った。


伯爵と言う事は血脈が流れているのかも知れない。


私の家は当時の辺境へ行く王弟陛下の感謝の気持ちをいただき

伯爵へとなった例外中の例外の爵位で、本当ならば王家の近しい

人物がなる爵位。


ならば、ミランダに王家の象徴と言われる銀色がでる事に違和感は無い。


アメリアの言っていたミランダの立場の重圧という言葉に納得がいく。


伯爵の地位にいながら王家の象徴を持つミランダ。


吟遊詩人が歌う様に、産まれてすぐに王家の婚約者の立場になり

物心がつく前から王家に嫁ぐ勉強が始まったのだろう。


王家や貴族に国民からの期待答えるべく勉強熱心だったに違いない。


知識として正解している自信がなければ私やルイとミラに

教えることは出来ない。


どうして。


初めてミランダとコナーさんと出会った姿を思い出し


自分の知っているミランダと吟遊詩人が歌うミランダとの違いに

やるせなさとため息が出てくる。


開いた本を読んでいくが、欲しい情報はやはり載っておらず


これ以上は調べなくてもいいや。


ミランダは私が知っているミランダよ。


ミランダとコナーさんが話してくれない過去を勝手に調べるのを

止めるきっかけにし本を閉じ元の場所へと戻し書斎を出て自室へと

戻った。


ミランダへの手紙はどう書こうか?


今日の事を書くべき書かないでおくか。


悩んだものの、隠すことは嫌なのでこんなことがあったと軽く書き

その事に対して自分の気持ちも少し添えて書く事に決め


引き出しからレターセットと羽ペン数本とインク瓶を出し書き始めた。


第411話


寒暖差が日によって大きくなりますね。ご自愛ください


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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