表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

379/752

姉、当日の準備奮闘する


お茶会当日。


楽しみにしずぎていつもより少し早く起きてしまったものの、

紙刺繍の最終確認をしたりとディランの部屋でできる事を行なっていると

気がつくと起床時間になっていた様で、


「姉様。おはようございます」


いつの間にか起きたディランから朝の挨拶を貰い


「おはよう、ディラン。よく寝れた?」


挨拶をしながらソファから立ち上がりサイドテーブルへ向かい

置いてある水差しからハーブ水をコップに入れ差し出すと


「ありがとうございまず」


乾燥と寝起きで声が少し掠れてはいるものの、ゆっくりとハーブ水を飲む

姿を確認し


「もう一杯飲む?」


空になったコップに視線を向けながら尋ねると、


「お願いします」


言葉と同時に差し出されたコップを受け取りハーブ水を注ぐと扉から

ノックの音が聞こえたのでディランの変わりに返事をすると、


「おはようございます。ディラン様、エスメ様」


フレディとマルチダが入室し朝の挨拶をくれた。


「おはよう。フレディ、マルチダ」


ディランと共に返事を返し、


「ディラン。着替えてくるわね」


いつもの様に言葉を交わし自室へと戻り着替えるが、

朝食後はキッチンへ向かい、今日のお茶会の焼き菓子を作るので

汚れても良い生成色のワンピースと髪は頭の上にお団子で強めに縛った。


料理中に髪が落ちないようにと髪を焼かない対策で、ディランの部屋に

戻った時、ディランもフレディも少し驚いた表情をしたものの、

髪型の理由をすぐに察した様で、


「なんだか懐かしいですね」


朝食に出た白パンを手に取りながらのディランの言葉に


「そうね。領を出てから結い上げていなかったから久しぶりね」


そういえばと記憶を引っ張り出し、言葉にするとディランば懐かしそうに

目を細め


「今日は姉様の焼き菓子が食べれるのを楽しみにしております」


嬉しそうに微笑み告げてくれた言葉に、


「ご期待に添えられる様に頑張るね」


頷き返し、普段より少し少ない食事を終わらせ、


「ディラン他はお願いね」


「はい。お任せください」


互いに頷き合い、それぞれの仕事をする為に部屋から出てマルチダと共に

キッチンへ向かった。


「お待ちしておりました」


クックに言葉を貰い


「忙しい中、ありがとうございます」


本当なら晩餐の仕込みなどある時間を開けてっくれた事へお礼を伝えると


「いいえ。お気になさらず」


ゆるりと首を振ってくれ


「材料と量は準備を終えておりますので、

予定より少し早めることができるかと」


台の上には小麦粉にバターの皮を剥き切り終えたじゃが芋などが準備されており、

使用する量も測り終えているとの事で


「ありがとうございます」


手際の良さに感謝とお礼を伝え、早速プリン作りに取り掛かった。

食事系のフードはクック長が作ってくれるので、

予定通り、時間がかかるプリンから作りマフィンにショートブレットに

最後に揚げ芋とチップスを揚げ味付けし、


予定より少し早めに作り終える事ができ、


「配膳はお任せください」


キッチンメイドさんの言葉に甘え、キッチンから庭に出て準備進行状況を

確認すれば、ディランの指示が良い様で予定より早く終わりそうだと

近くにいたメイドさんの言葉にお礼を伝え、


「エスメさま、お着替えを」


ミランダの言葉に頷き足早に自室に向かう。

焼き菓子を作る際に写った匂いをお風呂に入り洗い流し、

髪にはオイルを染み込ませ、体を磨かれ、

準備されているコルセットに絹のワンピース型ドレスを身につければ

晩餐会や舞踏会に出るようなドレスでは無く、

お茶会様のドレスに


「いつ準備したの?」


着る予定など無かったはずなのに、どこからともなくマルチダが

持ってきたドレスにポツリと言葉を溢すと


「前々から作るように奥様より指示がありました」


あっさりと返って来た言葉に


「そっかぁ」


思わず天井を見上げ返事を返す。


と言うことは、前に屋敷でしていたディランとのお茶会をする予定が

あったと言うことよね。


ディランとのお茶会は正式なマナーの元のお茶会なので領でミランダの部屋で

行っていたお茶会の楽さと楽しさを知った後では窮屈に感じてしまうも、

お母様の指示なら何かお考えあっての事だろうと、ため息を噛み殺しつつも


最初に行うお茶会がマリーやルイと一緒というのは良かったかもしれない。


考え方を変え、楽しむ方向へと持ってゆく。


「さ、終わりしたいディランと合流しないとね」


髪型を作ってもらい化粧をして貰い、普段とは少し違う自分に気合を入れ直し

隣で庭で指示を出しているディランの元へマルチダを連れ向かうと


「姉様」


ディランが早歩きで自分に向かって歩いてくるので、同じ様に早足で向かうと


「先ほど迎えの馬車を向かわせました。準備も終わりルイとマリー嬢の

 到着を待つばかりです」


差し出してくれたディランの手に自分の手を乗せお茶会会場を見渡すと

冷たい風にテーブルクロスが揺らされてはいるものの、

室内に移動する程ではない様で、


「マリーとルイが到着したら火の魔術と風の魔術で暖を作るわ。

 それと、手伝ってくれるメイドさん達に火と風の魔法石を発動させたのを

 準備してあるから持ってもらって」


長時間いれば体の芯まで寒さが行き渡るのを防ぐ為に、あらかじめ用意していた

魔法石のことを告げれば


「もう、渡しております」


ディランがの返事に頷き


「ありがとう。流石ディランね」


お礼を伝えれば


「私達は到着の連絡があるまで室内で待ちましょう」


ディランの提案に頷き、ディランの部屋へと足を進めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ