姉、準備が楽しい
週末のお茶会の向けてティーフードの試作に
有名カフェの焼き菓子の取り寄せ、それに合う紅茶の葉の選別。
忙しくしていながらも学園の予習復習と生活魔法道具と紙刺繍工房の
報告書などにも目を通すとあっという間に一日が終わり寝る時間へとなる。
「カフェに焼き菓子はどこのお店が良いかしら」
ディランとベットに入り寝るまでの間に会話として言葉にすると
「どれも美味しいと迷いますね」
ディランも同様にな悩んでいる様で
「ディランのお友達が教えてくれたお店。全部美味しかったもんね」
王都に来てまだ屋敷と学園の往復しか外に出た事が無い私に
ディランは自分が知っているお店では選択肢が少ないと言い
昔、我が家に来て言いた親友にカフェの情報を聞いてくれ、
数十件ものお店のリストを作り、焼き菓子と共に手渡してくれた。
どこのお店のスコーンもショートブレットも美味しく、
時には王家御用達のカフェのお店もあり
「王家御用達はマリーが驚いてしまうかしら?」
光の魔術を発動できるとして王家に保護をされているが
食生活は今まで通りで生活をしているとマリーから聞いている。
「そうですね。もしかすると王家の方々からお土産で
いただいているかもしれませんね」
ディランの意見に確かにと納得をし、1店候補から外し
「教会で食べてもらうならスコーンよりもショートブレットが
食べやすくて良いかしら?」
「準備が少ないのはショートブレットなので忙しい中でも
手軽の食べていただけるかと」
「だよね。じゃ、ショートブレットをにしましょう」
2人で顔を見合わせ頷き合う。
頭の中にあるカフェのリストから数店除くと半分程になり
「後は明日、もう1度食べて決めましょうか」
「わかりました。その様に準備いたします」
話に切をつけ寝る準備に入るが、やはり頭の中はお茶会の事で溢れており
たくさん考える事があるし、準備もあるけれど
誰かを喜ばせ楽しんでもらう為の苦労はとても楽しくて
1つ決まる事に高揚した楽しみが増えてゆく。
まだ終わってないけれど、次のお茶会も開催したいし
もう少し仲良くなれたらアメリアも招待したいな。
次々とやりたい事を思い付き、楽しみが増えてゆく。
そうなると不思議と毎日が楽しくて、
「あら、なんだかとても楽しそなお顔をされてますわね」
放課後の淑女教育の休憩時にアメリアからの言葉にする程、
表情に出ている様で
「ええ。とても楽しい計画を立てている最中なのです」
微笑みながら返事を返すと、アメリアは微笑みを深くし
「その楽しい計画にいつか、わたくしも混ぜてくださいな」
「是非」
そんな会話をしてあっという間に1日が終わってゆく。
指を折り数え、明日はショートブレットを選び決める事。
それに合う紅茶もお土産につけたいから選ばないと。
後は、私か作る焼き菓子の材料の発注に在庫確認もして。
それと、焼き菓子を乗せる皿も選んでそれとついになるカップも
準備しないと。
次々、浮かんでくる事に眠気はどこかに消え去ってまったが、
これ以上の夜更かしは隈ができてしまうので、一旦考えを止め
瞼を閉じ、耳を澄ますと横からディランの寝息が聞こえてきた。
そろそろ、自室で寝ても良いかもしれない。
不安定だったディランも最近では落ち着いてきているので
お茶会を期に各自で寝る方向に修正する良い機会かも。
気持ちよさそうに寝ているディランの呼吸を聞いていると
どこからともなく眠気がやってきて、うとうととする中
そんな事を考えていれば、気がつかないうちに夢の中に
意識が溶け込んでいた。




