姉、念願叶う
マリーの淑女教育を終えルイと共にフレディの待つ馬車まで行くと、
ディランの方が先だった様で馬車の前で2人で待って居てくれてた。
「ディラン。フレディ」
沢山の馬車が並ぶ中、目印の様に外で待って居てくれた2人に名を呼び
手を振れば、視線を向けてくれ
「姉様、おかえりなさい」
近くまで行けば微笑みながら挨拶をくれ、
「ディラン。ただいま」
同じ様に到着と挨拶をすると
「エスメ様、お疲れ様ではありませんか?」
フレディの言葉に微笑みかえし
「ありがとう。今日も1日楽しかったわ」
話したい事が沢山あるのだと伝えると、
フレディは微笑みかえしてくれ
「楽しみにしております」
フレディと並び話しているとディランはルイの所へ行き、
何やら話し込んでいるので自分達も待つ時間に
「エスメ様、奥様からお返事が来ておりキッチン使用して
良いと許可が出ました」
「もう、返事が貰えたの?」
「ええ。クックの仕事を終えた夜ならは使用しても良いと
奥様から伝言を預かっております」
「その時間なら誰にも邪魔にならないものね」
早急に許可と手配をしてくださったお母様に感謝しつつ
頭の中では久しぶりに立つキッチンで作るお菓子とパンの
材料と作り方などを思い出し、手順を確認してゆく。
そうなると、アレもコレも作りたくなってくるので
まずはマリーの住む教会へのお土産とお茶会で出すフードを
練習しないと。
その後、時間があったら食事も作りたいな。
フレディとルイが楽しそうに時にこちらを見て眉間に皺を作りながら
話している姿を微笑ましく思いながら脳を忙しなく動かして、
「久しぶりに薄く切った揚げ芋が食べたい」
「良いですね。塩味だとなお嬉しいです」
無意識の溢してしまった言葉にフレディの返事か返り、
独り言だったと気がつくが
「今日の夜から作ろうかな」
誤魔化すようにフレディの言葉に返事を返すと
「是非に。楽しみにしております」
屋敷では無いのに珍しく嬉いと感情を出し微笑んだフレディに
内心首を傾げつつ
「ええ、任せて」
喜んで貰えた事が嬉しくて力強く頷くと、ルイと話が終わったのか
ディランがこちらに向かって歩いてきており、
「エスメ、また明日な」
ルイの別れの言葉に
「気を付けてね。また明日」
手を振りルイに返事をして姿が見えなくなるまで見送くり
フレディが馬車の扉を開け、ディランが差し出してくれた手を借り
馬車に乗り込むと、続いてディランとフレディが乗り込み、
出発をお願いすノックと2回フレディが叩くと
ゆっくりと馬車が動き出し屋敷へと向かい動き出す。
3人しかいない空間は居心地が良く、
「今日はクラスのみんなからおすすめのお店を教えて貰ったのよ」
今日あった嬉しかった事と楽しかった事を早速、伝え
「皆、紙に書いてくれておすすめのメニューも教えてくれたのよ」
カバンに大切にしまっていた紙を取り出しディランへ見せると、
「良かったですね。せっかくですので来月あたりに行ってみませんか?」
嬉しそうに微笑んだディランからの提案に
「行きたいわ。皆で行きましょう」
頷き微笑み返す。
平民のクラスメイトがおすすめしてくれた店は貴族御用達の店は1つも無い。
それでもディランは気にせずお店に行こうと言ってくれた。
「では、目立たない服など準備いたしますね」
「ああ。来月といえど時間がないので購入でいいと思う」
「かしこまりました。ミランダさんと相談しきめさせていただきます」
フレディの提案にディランの返事。
楽しい予定が増えていく嬉しさ。
毎日が楽しくて嬉しくて幸せを噛み締めつつ、
念願のキッチンに入れる事にも心馳せディランとフレディの会話を楽しんだ。




