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姉、クラスに馴染む


有名な店もあれば新しくできる店もある。


ボーイックの言葉に私達だければなくクラス全員が耳を澄まし聞いている。


王都では王妃様や公爵夫人から始まる流行りが多いそうで、宝石、ドレスの形

布や刺繍に帽子


今年の流行りの形に色に宝石と刺繍、そして飲食物。


最近のカフェで流行るお菓子は領かららしく時折探られるようにボーイックに

話を振られるたけれど、その成り行きを詳しく把握してないので微笑んで誤魔化した。


お母様の手紙で王都にもショートブレットが流行り出しているとは書いてあったけれど

流行りは廃るもの。


あっという間に興味をなくて新しいお菓子が流行ると思ったら馴染んでおり、

プリンは爆発的に流行り、それに伴い水の魔法石が飛ぶように売れた。


吟遊詩人の様に澱みなく話すボーイックに、少し過大評価が入っている気もしつつ


美味しい物は幸せにしてくれるのは共通なのね。


どこかのカフェのプリンが美味しい。


大好きで自分で作るのよ。


様々な意見が飛び交い自前のレシピ交換まで話すは進みだす。


そういえば、皆どこかで働いている人達だったわ。


あそこのカフェのプリンが美味しい。


パンはあの店で買っている。


様々な店情報が出ているので聞き取れる分だけ覚える様にしていると


「そういえば、エスメさんもルイさんも領から出たのが初めてですよね」


マリーの言葉にルイが頷き


「隣国と接している辺境だからな。華やかではないが良い領だぜ」


誇らしげに告げた言葉が嬉しくに心の中で噛み締めていると、


「よければ、皆がお勧めする店を書いて渡そうか?」


ボーイックの発案に、手を煩わせるのもを思い断ろうとすると


「皆で書けば良いんじゃないか?」


挨拶を交わす程しか話した事の無い男の子の言葉に全員が賛成を言い、

放課後には数枚に渡りお勧めの店名と商品が書かれた紙を手渡され


「良かったら、行ってみてね」


互いに座る場所が遠くて挨拶もままならない女の子からの言葉と紙に


「ありがとう。行ってみるわ」


笑いながら受け取った。


朝から盛り上がった話は授業終了まで続き、放課後のマリーの勉強会の

休憩中にも


「楽しそうだこと。なら、わたくしのお勧めのお店にも行って欲しいわ」


紅茶をいただきながら今日の事を話題に出すとアメリアは柔らかく微笑み


「今、食べているスコーンはわたくしの婚約者がお気に入りの店の物なの」


お口にあったかしら?


火の魔法石を使い温め直し湯気が出ているスコーンをまじまじと見た後


「はい。とても美味しく」


マリーが驚きながら慌て返事を返したが、アメリアの視線が自分に向けられたので


「バターの豊かな風味と塩見、小麦粉の甘さに口に入れるとほろりと崩れる絶妙な硬さ

どれも美味しいです」


前の人生で見たテレビのリポーターを思い出し、慎重に言葉を選び伝えると


「まぁ、お上手ですこと。当人にそう伝えますわね」


コロコロと笑いながら嬉しそうに返事を返してくれた。


「貴方も、遠慮せず召し上がりなさいな」


ルイにもスコーンを勧める姿は、品良く所作良く上位の貴族である事は遠目から

すぐに分かる。


容姿も、人形かと思う程の綺麗で海の様な青緑の瞳と少し上がった目尻は

初対面には畏怖を感じさせる事もあるかもしれない。


1週間以上少しの時間だけど過ごせば人なりも見えて来て、


優しくて視野が広く気遣いができる上に、地位で人を判断する事も無い。


基礎の立ち方ができたマリーは次にとピンヒールを履いての立ち姿の維持する

時間になり、そのピンヒールもアメリアが贈ってくれた。


勿論、マリーは恐縮しこの時間だけ借りるつもりだと言うと、


「貴方の足に合わせて作ったのよ。貴方しか会わないの」


そう返事を返した後、


「この靴が足に馴染み、破れる程に使ってくれたらお礼なんていらないわ」


有無言わさない迫力ある微笑みと態度にマリーは困惑しながらも頷き返し、

緊張気味にピンヒールを履いてふらつきながらも立ち方の基本の体勢を取り続けた。


天邪鬼と言うより、少し上がった目尻と雰囲気でつく第一印象で皆戸惑うのかしら?


初めて見たアメリアは泣いているマリーに寄り添ってくれていた。


こんな良い子が婚約者だなんて。その子は幸せ者ね。


ディランとお友達の1人だろうと当たりをつけ


幸せになって欲しいなぁ。


マリーと楽しそうに話すアメリアを見ながら美味しい紅茶とスコーンをいただいた。


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