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姉、合流する

2022/01/28 光魔法の発動方法を「頬に手を触れ」から「頬に唇が触れ」に手直しをしました。


鬱蒼と覆い茂木々の根元に座り隙間から遠くに見える小屋を眺める。


太陽がゆっくりと傾き始め出す。


片時も小屋から視線を外さないディランに時折、水魔法で出した水の球を口の中に入れつつ

小さな背中を見守った。


空を見上げれば空の色が変わるまでは時間はあるものの、一箇所に留まり何もせず待つ事に飽き始め


「ディラン」


声を顰め呼びかけるも


「まだです。必ず戻って来ってきます」


小屋から視線を外す事なく返事を返され、


「ディランが言うなら待つよ」


気持ちを切り替え、同じ様に見つめれていれば遠くから見慣れた青と茶の2つ色が見え


「ディラン。フレディと騎士団長が」


嬉しくなり彼らの元に駆け寄る為に足を動かしディランを通り過ぎようとすれば左手首を握られ、


「まだです。本当に2人だけなのかを確かめてからです」


小さな声でありながら力強く諌められ、渋々足を止め見つめていれば、

フレディと騎士団長の後ろには先程小屋から出て行った賊が居り、首元辺りから

時折太陽の光を受け反射する光に目を凝らす。


時折、フレディの体が前に押されているのか歩く幅と上半身が前に倒れかける姿が見え、

注意深く見ていると、首元にある物に気づき慌てディランを横から視界が隠れるように抱き込んだ。


フレディと騎士団長の首元にはナイフが突きつけられて、無理矢理歩かせている事が分かる。


早く脈つ心臓に息が詰まりそうになる。


脳裏に浮かぶはディランに向けられ振り下ろされる刃先。


それに伴う恐怖


抱き込んだ腕に力を込めると、何かを察したディランが背中を撫ぜてくれる。


小さな手が労る様に大丈夫だと伝える様に撫ぜてくれると乱れていた息が整い出し、

早かった心臓の音が落ち着き大きさもいつも通りになると力を込めていた腕を解いた。


姉様


音は無く唇だけ動かし、心配の色で染まった瞳で見上げられ、


驚いただけよ。大丈夫。


同じ様に音を出さず口を動かし伝えるも、心配の色は消えずに握られている

左手の甲をゆっくり撫ぜてくれる。


ディランの優しさが嬉しく思わず抱き返してしまうと注意するように左手甲から手が離れ、

背中を軽く叩かれ、抱きついた体を離した。


何やら言い合いをしてるのか賊の怒鳴るような大きな声に視線を向ければ、

騎士団長が2人の賊を倒し、フレディが慌て小屋の中に入って行くのが見え、

慌てディランの手を引き走り出す。


「騎士団長!」


しゃがみ込み賊に何かしている騎士団長を大きな声で呼べは、ゆっくり立ち上がる姿と

慌て小屋から出てきたフレディの姿に走る速度をあげる。


「ディラン様、エスメ様」


名前を呼びながら自分達へ駆け寄ってくるフレディに駆け寄れば、


「お怪我はございませんか?」


ディランと共に上かた下までじっくり観察され


「僕は大丈夫だ。ただ姉様は頭を強打したので街に着いたら医者の手配を頼みたい」


いつも通り落ち着いて告げるディランにフレディが安堵の息を漏らした後、


「エスメ様。気分が悪い、頭が痛い、眩暈がするなどはございますか?」


眉を下げ、心配そうに聞いてくれるので、首を振り


「もう痛くないし、目眩も気持ち悪いのもないわ」


笑顔で返せば、


「後々に出てくる事もございますので異変があればすぐにお伝え下さい」


従者としての表情に戻り念を押されたので頷き返し騎士団長を見れば、

頬が腫れ上がり、なぜか服が変に伸びたり黒く汚れいた。


「大丈夫ですか?」


痛々しさを感じさせない程に背筋が伸びてはいるが実際は見える範囲で数カ所痣があり、

微かな鉄の匂いもある。それなのに膝を折り、


「この度はこの様な事態になり面目次第もございません」


頭を下げる騎士団長に驚くも、


「誰も予想できなかった事が起きたけど、解決した。それではダメかしら?」


誰が悪い分ければ無いのだと自分の考えを告げディランに視線を向ければ


「全員が生きて会えた。僕も姉様の考えに従います」


頷きと共に微笑み返してくれたので、騎士団長を向き合い


「ずっと私達を守ってくれていたんだもの。これからもよろしくお願いします」


ゆっくり背伸びをし騎士団長の頬に唇が触れると光魔法を発動させた。


全身に光が包み込み光の粒子が騎士団長の周りを舞い終わると腫れが取れていた。


「痛みはどうですか?」


唖然としている騎士団長にと行けるも、返事か帰らず、


「初めての光魔法だったのでどこかまだ痛みが残ってますか?」


失敗してしまったのかと慌てもう1度光魔法を発動させ頬に触れようとするも、


「いえ。痛みは全て取れております」


急な返事に驚き動きを止め、


「成功したなら良かった。まだ痛かったら言って下さいね」


微笑み返し、騎士団長に立って貰いディランに体を向ければ、


「では、急ぎここから離れ、まずは騎士団長の剣を探しに行きましょう」


動く事を提案、4人で剣を探す為に移動をし始めた。



第35話

前話が長かったので短めで。


もう月末。今月も時間の流れが早かったです。


ブックマークや評価に星を押していただきありがとうございます。

誤字脱字教えていただきありがとうございます感謝しております。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

よろしけれお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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