姉、両親に報告する
ディランと晩餐を食べ、左手を繋ぎ後ろにはフレディが座り3人で
ぼんやりと暖炉の中で揺れる火を眺める。
お互いに会話は無いが離れ難く、昔の様にフレディが準備してくれた
ラグとクッション上に座り過ごすと、気を使うように小さなノックの音に
ディランが返事を返すと、ゆっくりと扉が開き
「エスメ様。ディラン様。 旦那様がお呼びです」
マルチダの言葉に頷き返し1度ディランと繋いだ手を離し立とうと
体を動かすとディランから手を差し伸べてくれたので手を借り立ち上がる。
静まり返った廊下を歩くとディランの部屋の温度差に身を震わせれば
心配そうに視線を向けられたので大丈夫だと意味を込め微笑見返し
父親の居る書斎の訪問対応をフレディに任せ、開けられた扉を潜り入れば
お父様とお母様が立って出迎えてくれ
「休んでいた所にすまないな」
疲れた雰囲気と表情のお父様の言葉に、ディランとゆるりと首を振り
促されるままソファに座ると、
「長引かせるのも明日に響くだろうから、率直に聞く。
魔術見学で起こった事を教えて欲しい」
父親ではなく当主としての表情と言葉にディランが自分から見た事を話、
次に、自分側から見た事を伝えると、眉を寄せ眉間に深く皺を入れると
「なるほど」
思い息とともにでた言葉の後に、確認だがと付け加えられ
貴族クラスの生徒は、エスメの事を気にしていた様子だった。
何やら密やかに良くない雰囲気をあり警戒は行なってたが、
数人の女子生徒の魔術の発動と軌道を間違い、平民クラスに飛んで行った。
数個は生徒に当たる前に消えたり明後日の方向に飛んだ中、
1個目は自分に向かって飛んできたがルイが叩きどこかに飛ばしてくれた。
2個目はマリーに向かって来たのを私が右手で掴んだ。
3個目は自分とマリーに向かって飛んできたからマリーが危ないと抱き込んだが、
そこで、マリーから眩しい程の光が溢れそれに当たり消滅した。
ディランと自分の話を聞いてお父様が確認にと告げた言葉に、初めて知る事もあり
授業中に見られていたなんて気が付かなかったわ。
楽しみにしていたディランと一緒に授業ができることに浮かれて周りが
見えていなかった事を知り、気をつけなければと心に留め、
「エスメ、帰って来てから医者を呼ばなかったと聞いているわ。
手の怪我はどうなの?」
眉を下げ心配そうに尋ねてくれたお母様の問いかけに、ディランと顔を見合わせた後
ゆっくりと右手を見えるように差し出し
「怪我や痛みなどはありません」
領にいた時に水仕事をしていた時に手荒れすら治っている右手に
両親が息を呑むように驚いた後、
「よく聞きなさい。彼女は光の魔術を持っている事が今回の事で判明した為、
王家の庇護に入ることとなった」
お父様の言葉を理解しきれずにいると、
「学園を辞めるという事でしょうか?」
ディランが自分の代わりに質問を投げかけてくれたので見守っていると、
「本人の希望で通う事で話を進めている」
苦渋の策だと言わんばかりの表情に首を傾げれば
「光属性の方は大変珍しく、狙われやすくもありますので王家で
庇護する事になっているのです」
ディランから授業で習っていない話を聞き、なるほどと頷き
「本当ならば住まいを王城に写し、勉強も王家が用意した教師から習うのですが」
更に教えてくれた言葉に頷くも、
「彼女自身が拒んでいるんだ」
お父様の言葉に
説得をして欲しい。
言葉の意味を読み取り、
「そうでしたか。マリーに話を聞いてみます」
お役に立てるかどうか分かりませんが。
その意味を含め返事を返すと、強張っていた表情を緩めてくれ
「すまない」
切りが良い所まで話ができ良い時に湯気が立つ紅茶が出され、
全員で従者達にお礼を伝えてから、カップに口をつけると甘めに入れられた紅茶に
ほっと息を落とし、もう一口飲んでからソーサーに戻し顔を上げれば
「エスメ。そのマリーさんにあなたを守ってくれたお礼をしたの。
我が家に招待をしたいわ」
優しげに微笑むお母様の言葉に、
「はい。私もお礼をしたいと思っておりました」
頷き返すと
「学園があるから休日がいいわね。そうだわ。ルイと一緒に招待をしたらどうかしら?」
すぐさまお母様からの提案に頷き
「そうですね。友達が一緒ならば来やすいですよね」
すぐさま頭の片隅でお茶会の場所の選定には入りつつ、
「ディランにもマリーを紹介したいわ」
横に座るディランに話を振ると青白かった顔色が少し戻っており、
「ええ。僕もお礼を伝えたいのでご一緒させてください」
強張っていた表情から微笑みへと変わり、安堵の息を心の中で溢し
「ティーフードの相談にも乗ってね」
内緒話をするようにディランの耳に顔を近づけ告げれば、
「ええ。お任せください」
いつもの様に頷いてくれた事に大丈夫そうだと判断し、
見守ってくれたお母様とお父様へ顔を向ければ、安堵の息を落としているお父様と
安心した表情をしているお母様の姿に鼻の奥がツンと痛くなったものの、
誤魔化すように
「お母様、場所はお茶会の場所でどこかおすすめの場所はありますか?」
話を振ると、微笑まれた後
「そうね。近日中なら庭はどうかしら?今ならまだ最後のバラが咲いているはずよ」
誤魔化した事はお母様に見抜かれている様な感じだったが、お互いに気づかないふりをし
ディランの意見も貰いつつお茶会の場所選定への話で盛り上がった。
第348話
湿気が高く暑い日が続いておりますね。水分をしっかり摂って熱中症対策を摂ってください。
誤字修正が大変遅れており申し訳ございません。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
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フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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