姉、走る
その場は一瞬にして悲鳴の声と驚愕し我を忘れ茫然と立ち続ける人もいれば
逃げ惑う異様な場となり、教師の何かを叫ぶ大きな声が聞こえるものの、
意識を失いぐったりしているマリーの顔色ば青白く、浅く呼吸繰り返す。
「ルイ!」
近くに居るであろう名を大きな声で呼べば
「エスメ、マリーを救護室へ運ぶぞ」
マリーを抱き上げる様に両手を伸ばしそう告げるルイに、首を振り
「先に救護室へ行って説明をして」
焦りから普段より早口になるも体裁を気にしていられず
「マリーは私が魔術を発動して運ぶから、ルイは行って」
救護室へと走ってくれたルイを見送り、
全身の力が抜けぐったりしているメリーの周りに風魔法を発動させ立ち上がると、
「先生。マリーさんを救護室へ運びます」
自分達平民クラスを担当していた先生に告げたものの声をかけた教師は茫然としており
もう1度告げるべきかと迷っていると、
「行きなさい」
貴族クラスの子達が居る場所から聞こえた声に視線を向ければ、顔馴染みの男性がおり
「後程、話を聞きに行くので君も救護室で待機する様に」
低く落ち着いた声は水面に波紋が広がるように広がると、戸惑い、恐怖を全面に出していた
人達の表情が安心した表情と安堵の息を吐く人達が視界に入り、
ディランの表情には戸惑いと困惑など様々な感情が目の中に混じっており、安心させる様に
視線を合わせディランのハクリと動いた唇を見た後
マリーを抱き上げ迷わず救護室へ走った。
風魔法でマリーを浮かせ、さらに追い風になる様に調整して走っている足を少しでも早められる様にし
校舎の中を走り、目指していた扉の前にはルイが立っており入りやすい様にドアを開けて
待っていいてくれた。
背中を押していた風魔法だけを時、
「先生。お願います」
慌て伝えると、深く頷いてくれた先生はベットの仕切りであるカーテンを開け待っていてくれ
ベットに寝かせ風魔法を解き、先生に場所を譲る為にその場を離れた。
慌ただしくマリーの様子を診てくれる先生の姿をぼんやり眺めていると、
「エスメ」
名前を呼ばれ顔を向けるとルイが座る様に手招きをしているので、言われるままに
簡易的な椅子に腰を下ろしルイと共に先生の様子を眺めていれば、
「気を失っているだけね」
安堵の表情と共に溢れた言葉に、息を吐くと全身が強張っていたことが分かり、
改めて背筋を伸ばしこちらに向かってくる先生を見つめると
「次は貴女よ。右手を出して」
その言葉に首を傾げつつ言われた通りに右手を出すと、ピリッと痛みが走り
火傷のような症状が出ており
「火傷の様に見えるけれど。一応冷やしましょうか」
自分と先生の考えの一致で無意識に掴んだものが高温の物だった分かり
マリーに当たらなくて良かった。
心の中で安堵の息と共に声の無い言葉を落とすと、水に濡らしたタオルを手渡してくれ
手のひらを冷やす様に告げられるままの乗せると、ひんやりとし痛みが和らいだ様に感じた。
何度かタオルを返し、冷やし続けつ先生とたわいの無い話をしていれば、2回のノックの音に
先生が返事をし対応をするために扉を開けると聞こえてきた声は
先程、指示を出してくれた顔見知りの人の様で、
「待たせてしまって申し訳ない。早速だが話を聞かせて欲しい」
張り詰めた雰囲気とは違い、穏やかに聞こえる声を表情に内心戸惑いつつルイと共に頷き立ち上がった。
第345話
長くなりますので細かく切って進めて行きたいと思っております。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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