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姉、考え込む


ひんやりとした空気の中、目を覚まし移りゆく季節を体感した。


王都にきた時は麦の収穫も終わり、まだまだ暑い日が続いていた。

薔薇もまだ盛りで己を誇り立つように咲き、身を守るように棘を携えており

自分の身は自分んで守るものだと言わんばかりだったが、

今はその身を休めるように次々と眠りにつき来年の一番綺麗に魅せる自分を作る為に

休息へと入った。


次の季節は寒さが厳しい冬。


辺境にある領のように雪が降るわけではなければ、寒さも厳しくない記憶がある。


ベットから降りて肌寒い部屋を温めるのに火魔法を発動させ、身に纏い

机の上にあった魔法石を手に取り同じく火魔法を発動させ明かりを作る。


厚での表紙を捲り書かれている文字を目で追って行く。



『 魔法とは想像力


魔法とは願い力


魔法とは善にもなり

魔法とは悪にもなり


魔法は誰にもあるもの


魔法は生命力


魔法は意志の強さ 』



表紙を捲りすぐに書かれている文字を読み、ページを捲る。


テストが終わりクラスの中で上位の成績を追わめる事ができ、

安堵の息を漏らしたその日の最後の授業で


「魔術見学の授業を近じか行いますのでその心つもりを」


教師から告げられた言葉にクラスメイトが騒めくもすぐに静かになった。

皆、待ちに待った目的の人達を近くで見れるのが嬉しかったらしくて、

その日の放課後は皆、楽しげな雰囲気の中で帰宅していた。


思い出し笑いを溢し、お祖母様から頂いた魔術の教科書を復習として選んだものの

学園で習っていないので、どこまでやれば良いのか分からないものの、

教科書を読んみ進めて行く。


書かれている通り、魔術は貴族や平民括りなく使える。

ただ、使えない人も居る事を忘れていけない。


目に止まった一文に小さく頷き、明かりを灯してくれている魔法石に視線を向け、


この魔法石を作っている職人さん達は全員、魔法が使えない人達。


魔法石に少しでも魔力が入ってしまうと暴発する恐れを考えての雇用だとお父様が言っていた。


そして、魔法が使えない人は少ないので人を集めるのが大変だったと。


魔法石が生活に馴染んだ事で魔法が使えない人が不便を感じ、魔法石の価格を上げた事で

平民には中々手の届かない贅沢品として、また、今までの生活を変えなくても良いと言う

意思表示でもある事も教えて貰った。


だた、勿体無い


できれば便利だよね


そんな気持ちだった。


落ちてゆく気持ちに開けていた教科書を閉じ、机に伏した。


魔法とは善にもなり

魔法とは悪にもなり


書かれていた一文を思い出し


本当にその通りだと重々しい息を吐き出す。


近々、領に行くのもいいかもしれない。

そろそろ掃除機の試作もできているはず。


結局、魔術の復習はそこで終わりマルチダのノック音が聞こえるまで

机に伏し鬱々と考え込んでしまい、


「姉様」


朝食をとる為にディランの部屋に行くと挨拶より先に心配そうに眉を顰めるディランの顔に


「大丈夫よ。少し考えごとをしていただけなの」


何でも無いのだと笑い告げるもディランの表情は晴れる事はなく、

そのまま学園へと向かう事になった。


第341話


梅雨入りをした地域があるそうで。夏が近づいてきていますね。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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