姉、手紙が届く
学園から帰るとマルチダの出迎えと共にまずは互いの部屋に戻り着替えを行い、晩餐まで互いに好きなことをして過ごす。
その日によって違う事をするのはこの時間が多い。
ディランの部屋に行きクラスの事を聞いたり、馬車の中で話せなかった話の続きをしたりすれば晩餐までディランの部屋で過ごすこともあるが、
「エスメ様宛に手紙が届いております」
マルチダの言葉に、ディランには晩餐に部屋にお邪魔する事を告げ
マルチダから受け取った数枚の封は開けられており、
「ありがとう」
すぐに読める様にと封を切ってくれたマルチダにお礼を伝え
1番上にある手紙から読んでゆく。
最初はお祖父様からで、季節の挨拶の後は領での出来事や手紙に書いた事への
返事が数枚に渡り書かれており、最後は手紙を届いて嬉しかった締められていた。
2つ目の手紙はお祖母様からで、お祖父様同様に季節の挨拶から始まり屋敷での
今季最後であろう薔薇が見頃を迎えている事と学園生活への心配事も書かれており
入学式でのマリーとの出会い、ディランの友達にぶつかった少女への感想もあり、
最後は、ディランの姉である立場を忘れず生活をするようにと締められており
そうね。私の行動はディランの評価にも繋がるんだものしっかりしないとね。
お祖母様に感謝し3つ目の手紙を読むと手紙はミランダからで、同じく季節の挨拶と共に
手紙が届いた事への嬉しさをミラとコナーさんと喜んだ事から始まり、
入学式にディランの友達にぶつかった少女の事への注意するように書かれれており
首を傾げた。
お祖母様とミランダが同じことに触れているのは私が手紙で書いたからでもあるものの
2人共、警戒する様にと強く書いてある。
特にミランダからはぶつかった友達にディランを通して伝えて欲しいまで書かれており
お祖母様とミランダがそこまで言うのなら意味はあるのだろうと
晩餐の時にディランに話ことに決めた。
ミランダの手紙はディランの友達へのお願いと学園生活が楽しそうで
安心したとも書かれており、心配をかけてしまった事へのお詫びを書かなければと
返事を送る際に書く事を決め、
最後の手紙を手に取り読めばミラからで、領で見た時よりも綺麗に文字が書かれており
フレディへ送る為に練習しているミラの姿が想像でき微笑ましく思いつつ、
綴られた文字を読めば、インク具合もあるのだろうが
フレディからリボンが届いて嬉しかったと季節の挨拶の後に書かれており
微笑ましく呼んでゆくと、勿体無いけれどコナーさんに髪と共にリボンを編み込んで
貰って沢山の人に似合っていると褒められた事が嬉しかったと1枚の紙に書かれており
ミラの嬉しさが手に取るように分かり、壁側に控えていたマルチダを呼び
ミラの手紙を見せると、
「こんなに喜んで貰えると送ったフレディも嬉しいでしょうね」
微笑ましくミラの書いた文字を読んでいるマルチダに、頷きながらも
「ミラの事だものフレディには大人顔負けの礼状をミランダに
習い書いて送っていると思うわ」
好きな人には子供に見られたく無いという恋心を口にすれば、
「フレディは幸せ者ですね」
マルチダの頭の中には手紙を送られ嬉しく思いつつも、どこか困っている
フレディがいるようで、様々な感情が混ざった笑みで感想を告げていた。
フレディとミラとの年齢差は10以上もある。
大人のフレディと子供のミラ
今は見た目も年齢差もあり、複雑な気持ちなんだろうと思うも
前に行きた時代では無い。
歳の差の夫婦も領では居たし貴族社会でも居ると思う。
ただ、平民同士は恋愛で貴族同士は家の事情の大きな違いがあるものの、
子供の恋愛に揶揄う人はいるが不粋な意見を言う人は少ない。
皆、幼子の恋愛は続かないと思っているのだろう。
ただ、純粋に一途にまっすぐな思いは時に大人になっても続く時もある。
君が大人になった時に自分はいい歳で、なんて言われた所で
子供扱いをされ続けて数年経ては、何を今更と思うだろうし、
だったら若い私を嫁に貰えばいいのよ。と、言われるのだろう。
ミラは後者な気がするな。
がんばれフレディ。
ルイさんは見守る様だし、フレディのお父さんも微笑ましく見守る体制でいる。
お父様は分からないけれど、お母様は両者の感情を楽しみながら見守る体制。
ディランは話していないので分からないけれど、フレディの考えに賛同するだろう。
マルチダは中立の位置に居る感じで、
自分自身、ミラの気持ちと頑張りを見ているのでミラを応援したい気持ちもある。
でも、フレディの困る気持ちも分かる。
結局、お母様と同じ楽しみ見守る位置になる。
なので、手紙でフレディの事を細かく教えることしたできないけれど、
ミラには後悔しないように存分にフレディに気持ちを伝えて欲しい。
「大人して扱って欲しいは断られる覚悟もあるのだとフレディも気づくといいな」
ポツリと溢した言葉はマルチダにも聞こえた様で、
「フレディには無理でしょうね」
独り言の様に返ってきた言葉に苦笑いをしミラの手紙の続きを読む事にした。
第339話
台風の警戒を呼び掛ける記事を読みました。台風対策をしっかりしたいと思います。
ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。
誤字脱字修正が遅れております。教えてくださった方ありがとうございます。
少々お時間をください。
ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
https://ncode.syosetu.com/n9341hw/




