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姉、弟に注意される


「姉様。馬車へ」


何が言いたげな雰囲気ではあるもののディランの言う通り馬車へ

移動する事にし、差し出された手を握り歩き出す。


互いに無言のまま歩き、数台の馬車とすれ違いながらフレディの待つ馬車へ向かうと、

馬車の前にはルイもおり、目が合うと片手を上げてくれた


「お帰りなさいませ」


少し眉を下げた表情に心配していた事が解り


「ただいま。心配かけてごめんなさい」


謝りを入れるとゆるりと首を振り


「ご無事で何よりでございます」


安堵の表情と共に言葉を貰い、


「ルイもありがとう」


伝言を伝えた後、寮に帰っても良かったはずなのに残ってくれた事にお礼を伝えると

にっこりと笑いながら短い返事で返してく、


「大丈夫そうだから、俺は帰るな」


告げられた言葉に頷き改めてお礼を告げると、


「ルイ、ありがとう。感謝する」


「ああ。まぁ、頑張れよ」


ルイも頷き返し、寮へ向かって歩き出した背中が見えなくなる頃、フレディに呼ばれ

ディランと共に馬車に乗り込み屋敷へ帰る。


途中でディランから何か言う事があるのではと思っていたものの口を閉ざしたままで、

伺う様にフレディに視線を向けると困った様に微笑まれ、どうしたものか判断できず

いると屋敷に到着してしまい、


「ただいま」


出迎えてくれたマルチダに挨拶を終えると、ディランに手を握られ

引っ張る様に歩き出したので、首を傾げながら着いて行く。

自分の部屋を通り越しディランの部屋に入り、ソファへ座る様に促された。


「姉様」


隣同士に座りディランの顔を見ると、眉間の皺が一層深くなり


「ああいった呼び出しには行かないでください」


告げられた言葉に頷く事はせず


「そんな事できないわ。私が行かなければあの子達は待ちぼうけになるのよ」


自分の意見を伝えると、


「名前も記入されていない手紙などメモと同じです」


少し強めに告げられた言葉に引っ掛かりを覚え


「それはディランがそう判断したからで、私には招待状よ」


考え方の違うを指摘すると


「招待状と言うのはきちんと主催する側の招待する側の名前があっての物です」


ディランとお祖母様からの招待状しか受け取った事の無い自分は

ディランの言う貴族同士のルールとマナーの基準がわからないので返事ができずにいると


「姉様は手紙を描く時にはご自身と送る相手の名前を書きますよね」


分かりやすく言い換えてくれたので、理解でき頷くと


「そう言う事です」


表情が少し和らいだのをみて取れたけれど、


「でもね。行かなければ行かないで何度も呼び出しがあると思うの」


返した言葉に和らいだ表情が戻ってしまうも


「ルイにも言ったんだけれども、初手が大事だと思うわ」


無視をすれば良いかもしれない。けれど次も必ず手紙は入れられるのは分かっている。

だったら、軽い内に済ませた方が良い。


もし、この世界が何かのゲームの世界だったら、今後も起こりうる事ではあるけれど、


まさかマリーでは無く私が呼びだされるとは思わなかったなぁ。

でも、今思えばマリーって私達と一緒にいるからディランと触れ合う機会が無いわね。


今度、会う機会を作るべきかかしら?


私の言葉を聞いて考え込んでしまったディランの顔を眺めながらいたら、


「確かに姉様のお考えも一理ありますが、やはり危険な事は避けていただきたいです」


目を合わせ告げられ事に分かったと頷きつつも、


「約束はできないけれど、なるべくそうするわね。でもねあの子達、

私の心配をしてくれただけなのよ」


話を聞いて思った事をディランに伝えると、数度瞬きをした後に重々しい息を吐き


「どう言った理由でそのお考えに行き着いたのかご説明いただけますか?」


少し低くなった声と言葉に


「え?だって身分違いで仲良くしていると危ないからと何度も繰り心配してくれたわ」


ディランの感情が理解できず首を傾げながら伝えれば、


「なるほど。そう捉えることもできる言葉ではありますね」


頭が痛むのか額に手の甲を当て上を向いてしまったディランを心配し

フレディとマルチダに視線を向けるたが良く似た表所をしており


「え? だって私とディランは家族だけど、本当に貴族と平民の関係は

気をつけないとダメだと思うの」


皆の表情の理由が分からず、必死に自分の考えを言葉にして伝えれば


「間違いではありませんが」


眉間を揉みながらのディランの言葉に頭が痛いのかと心配になり手を伸ばすも


「姉様がそうおっしゃるならそうなのでしょう」


ため息と共に告げられた言葉は耳に届いたもののディランの隊長の方が心配になり

頭を撫ぜると、疲れたと言わんばかりに伸ばした手に擦り寄ってきたので、

抱きしめ労る様に背中をなぜつむじに軽く唇を当てると、少し楽になったのか

ディランの体から力が抜け、


「姉様がご無事で良かったです」


胸元から聞こえた小さな声に一気に罪悪感が湧き起こり


「ありがとう。ごめんね」


ディランだけに聞こえるように伝えると背中に回された腕に力がこもった。



第337話


この時期は運動会の方もお見えですか?水分補給と体調に十分お気をつけて楽しんでください。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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