姉、弟が心配になる
学園に通い始め、朝の流れが段々固定できる様になってくると準備などの
時間短縮ができ、手紙を書き終え
「マルチダ。この手紙を領へ送って欲しいの」
数人宛に分けて封筒に入れた未開封の手紙を手渡しお願いをすると
「かしこまりました」
両手で受け取ってくれそのまま自室を出ていく姿を見送った。
その間に身支度を整えておくと聞こえてきたノックに返事をすると
朝食の知らせてくれるフレディも一緒だったのでその流れで
ディランの部屋まで行き
「ディラン。おはよう」
「おはようございます」
朝の挨拶を交わし、フレディが引いてくれた椅子に腰掛けディランが
座ったのを確認してからフォークとナイフを手に取った。
白パンに魚の香草焼きにマッシュポテトとスープ
残さず美味しくいただき、食後の紅茶を楽しんだ後それぞれに準備を整え
馬車に乗り学園へ。
「ディラン。クラスはどんな感じなの?」
思い付いた事を尋ねると
「そうですね。皆、真面目で勤勉であると思います」
少し考えた後に言葉に小さく頷き
「ディランは休み時間は何をして過ごしているの?」
さらに尋ねると
「そうですね。クラスメートから話しかけていただいたり
お学友とお喋りをしたりしております」
真剣な表情で返ってきた言葉に、微笑み
「私と一緒ね。ルイやマリーにボーイックと4人で良く話をしていのよ」
休憩時間の事を思い出し
「昨日は、マリーの神殿での奉仕作業の話を聞いたの。
皆で手伝いに行こうと話になったのよ」
洗濯、食事の準備
朝の勉強でこなしてきたので足で纏いになる事は無いと思い、
手伝いたい旨をメリーに伝えたら、4人で行こうと話が盛り上がった。
「神殿に奉仕ですか」
ディランの言葉に頷き返すと
「とても良い事だと思うます。お母様も神殿への奉仕はよく参加されておりますので
参考にお尋ねすると良いかも知れませんね」
嬉しそうに微笑みながらくれて提案に、
「そうなのね。お母様にも話を聞いてみるわ」
教えてくれてありがとう。
お礼を伝えると、
「日にちが決まりましたら教えてください」
いつもの様に返事が返り
「分かったわ」
頷いて返事を返した。
あの後も少し話をしていると馬車へ学園に着いたようで、到着を
知らせてくれて声にお礼を伝えフレディが最初に降り、
ディランが降りると
「ディラン、フレディさん。おはよう」
ルイの声を聞きつつフレディの手を借り馬車から降り、
「ルイ、おはよう」
ディランと話しているルイに挨拶をすれば
「おはよう」
返事が返りその後は3人で少し話をした後、馬車が1台近くに来る事に気づくと
ディランの雰囲気が少し固く緊張した表情に変わったことに気づき
何かあるのかと馬車を見つめるも
「エスメ。そろそろ教室に行こう」
ルイの言葉に戸惑い返事をせずに居ると、
「姉様。大丈夫ですよ」
初めて見るディランの微笑んだ表情に思わず手を伸ばしかけるも、
「姉様。教室が遠いのでしょう?これ以上居ると遅刻をします」
ディランからの言葉と
「大丈夫だって」
ルイの言葉に渋々頷き、
「いってきます」
言葉にすると
「いってらっしゃませ」
ディランから返事を貰い、心配に思いながらもルイとともの教室へ行き
クラスメイトと挨拶を交わし、自分の席に着く頃には気持ちも少し落ち着き
生徒会もあるもの、帰ったら目一杯甘やかそう。
そう決め、マリーとボーイックと挨拶をし席に座ればあっという間に授業の時間となり、
国の成り立ちから朝の授業が始まり、昼食を食べ、午後の授業に入ると
「明日、魔術の実地見聞をする時間があります」
授業の合間に先生から告げられた言葉に教室の空気が揺れると
「別のクラスと共同授業になりますので、失礼の内容に」
強めに告げられた言葉にその場では皆真剣に頷いたものの、休憩時間になると
すぐさまその話で持ちきりになり、
「貴族のクラスと一緒の場に立てるだなんて」
「この機会に上位貴族の顔を拝んでおかなきゃ」
「あれだろ?お前たち平民をこの力で守ってやってるんだから感謝しろてヤツだろ」
「殿下もお見えになるのかしら?」
様々な言葉が聞こえ賑やかになるのを、微笑み聞いていると
「ボーイックさんの話は本当だったのですね」
マリーの関心しながらの言葉に、
「僕の情報は間違いがないと証明できて嬉しいよ」
にっこりと笑い返したボーイックの言葉を聞いていると
「どこからその情報を手に入れてくるんだよ」
呆れならのルイの言葉に
「様々な所から。と、だけ言っておくよ」
笑ったまま返したボーイックと呆れならのルイの会話を聞きつつ
貴族のクラスということはディランと一緒に授業を受けれると言う事ね。
クラスの雰囲気が見れるいい機会だわ。しっかり見ておかないと。
心の中で深く頷き、ボーイックとルイの会話に耳を傾けていれば
本日最後の授業が始まる時間となり、それぞれの席に座り授業をうけた。




