姉、授業を受ける
休みの2日間が終わり、いつもの時間に起きて予習と復習をして
起こしに来てくれたマルチダと朝食の準備ができたと教えに来てくれた
フレディにも挨拶とお礼を伝え、
「おはよう、ディラン」
「おはようございます。姉様」
立って出迎えてくれたディランと互いに朝の挨拶をして食事をとった。
焼きたての白パンにスパイスで焼いたお肉と青豆のスープ。
しっかり食べて、制服に着替えて昨日作ったお菓子を入れた籠を
数個持ち馬車に乗り込み学園へ。
到着し馬車をまずはフレディが降りるとルイがフレディに挨拶をする声が聞こえ、
ディランが馬車から降りれば、先程と同じくルイとディランが挨拶を交わす声が
聞こえたので、ディランの手を待たずに馬車から出ようとすると、
「エスメ様、手を」
フレディの言葉と差し出された手を取り馬車から降り、楽しそうに話している
ディランとルイの姿を眺める。
何かを話し合っている様で声を潜めているので、フレディと少し離れ
声が届かない位置まで移動しつつも、
「フレディ、馬車の中に昨日作ったスコーンとショートブレットが
あるからお友達と食べてね」
後、ディランのお友達のお菓子も渡してね。
こちらも内緒話をするように声を潜め話すと、
「お心使いありがとうござます」
お礼をくれたのが嬉しくて微笑んで頷くと話を終えたディランとルイが
こちらに歩いて来るのが見え、フレディと共に近づいて行きつつ
「ルイ、おはよう」
していなかった挨拶を言葉にすると
「おはよう」
挨拶を返してくれ、
「そろそろ教室に行くぞ」
お誘いの言葉に、
「そうね。ディラン、フレディまたね」
友達の到着を待つディランとフレディに手を振り教室へと歩いて行く。
授業が始まる少し前に教室に到着し、近くにいたクラスメイトに挨拶をすると、
戸惑いながらも挨拶を返してくれた。
相手も私の事を知らなければ、私も相手の事を知らない。
皆、学園に来て初めて会った。
知らない人同士だもの、警戒心や戸惑い、困惑は誰しもある。
まずは挨拶をして顔を覚えて貰って、戸惑う事がなくなって来た頃に
少しずづ会話を増やして、性格や趣向を教えて貰えばいいわよね。
知らなければ合う合わないなんて分からないし、
ボーイックの様に見た目、優しそうに見えて内側は悟らせない様に
している人も居るしね。
少し慣れた同士楽しそうに話している声を聞きつつ、
「マリー、おはよう」
自分の席の隣に座っているマリーに挨拶をすると、
「おはようございます」
笑顔で挨拶を返してくれ、その後ルイも挨拶をすると同様に挨拶をしているのを見つつ
「エスメさん。おはよう」
「おはよう、ボーイックさん」
人良さそうな笑顔と共に挨拶をくれたボーイックに挨拶を返すと、
「休日はいかがでしたか?」
話題を振ってくれたボーイックに
「ええ。充実した休日を過ごしたわ」
当たり障りの無い返事を返すと、
「そうでしたか。ゆっくりお過ごしになったようで何よりです」
にっこりと微笑む姿に、警戒心が膨らむも
「そちらは如何でしたか?」
せっかくなので話題を続けようと問いかけると、
「ええ。有意義な時間を過ごす事ができました」
同じ様に当たり障りの無い返事に、
「何よりですね」
こちらも当たり障りの無い返事を返し互いに探り合いを性格を知って行く。
椅子を引き、腰を下ろすとルイが前を通り自分の席に向かう姿を見つつ、
話をしないと、何を思い、何を考えているか分からないし伝わらない。
言葉は伝えてこそ言葉であり、自衛をする有効的手段でもある。
もちろん観察も宜しいですが、それは相手を深く知らなければ正解しません。
まずは言葉を交わす事。
イルさんとお祖母様が1番大切で重要だと最初に教えてくれた事。
フッと浮かんだ事を思い出し、
まだ片手程の日にちしか過ごしてないもの。ボーイックともう少し話してみよう。
気持ちを切り替え、まずは午前中の授業を受ける。
隣国の言葉を学び、
お金の流動と国の動きを学び、
国の成り立ちと王の歴史を学び、
法立を学ぶ
4科目を受けたものの、毎時間指名され先生の質問に答えることとなり、
教師陣も私がこのクラスで1番年上だから答えられる人を選んでいるんだわ。
新年度で初めての生徒達だもの、先生達もまだ手探りの時間よね。
午前中の授業を終え、教科書などを片付けながら思うと
「エスメさん、お疲れ様」
労りの言葉をボーイックがくれたので、
「ありがとう。先生も手探りの時期だもの期待に答えられる様に頑張るわ」
お礼を伝え、自分の考えを伝えると曖昧な微笑み返ってきたので心の中で首を傾げると
「エスメ、学食に行こうぜ」
ルイの言葉に、考えることを止め頷き返し
「マリーさんもボーイックさんも行きましょう」
2人を誘い学食へと向かえば、前回同様長机にクラスメイト全員が座り和気藹々と
それぞれに話を楽しみ休憩時間を楽しんだ後、
午後の授業も毎時間、先生から指名をされ質問に答える中、
「ルイだったかな? 君にこの問題を解いてもらおう」
数学の授業ではルイが指名され、前に出て黒板に数式を書いて答えを導き出した。
悩む事なく手を動かし答えるルイの姿に心の中で安堵の息を落とし、
席に戻るルイと視線を合わせ微笑むと、ニヤリと笑い返された。
ミランダから習った事だもんね。
ミランダのアパートメントで勉強をしていた事を思い出し懐かしく思っていると、
先生の視線を感じ緩んでしまった頬を引き締め集中して授業を受けた。
数学の授業が最後だったので終わった後の開放感に凝り固まった体を伸ばすと、
「エスメ、帰るぞ」
手早く帰る準備を終わらせたルイの言葉に、手早く荷物をまとめ
「マリーさん、ボーイックさん。また明日」
別れの挨拶をすると同じ様に2人から返事を返して貰い、ルイと馬車に向かい
「フレディ、ただいま」
馬車の前で待ってくれているフレディに早足で近づき、
「あのね、今日はね」
早速、教室での出来事を話、時折ルイの補足が入ったりと会話がひと段落すると
1人の男性が近づいてきたので、表情を微笑みに変え背筋を伸ばすと、
「お話中に失礼致します」
断りの言葉に小さく首を振ると
「フレディさんよりお嬢様がお作りになった焼き菓子を頂戴し、いただきました。
お気遣いいただきありがとうございます」
代表としてお礼を伝えてくれ、
「お口に合って良かったです」
遠くにいる数人も視界にいれながら返事を返すと、一礼を貰い離れた
仲間のいる場所へ戻って行った。
口に会ったようで良かった。
そう思いつつ、馬車の中に置いてある籠の存在を思い出し
「ルイの分もお菓子があるの。帰る時に渡すわね」
昨日作ったスコーンとショートブレットを渡すことを伝えると嬉しそうに笑ってくれ
「エスメの作る菓子美味しいからな」
今すぐにでも食べたそうにしているルイに手渡そうと馬車の視線を向けるよりさきに
「エスメ様。こちらを」
フレディに籠を手渡され、
「ありがとう。ルイ持って帰ってね」
お礼を伝えた後、ルイに籠を渡すと
「ありがとな」
笑いながらお礼を伝えてくれた。
その後も、授業の話や教室の雰囲気など思った事を話していると
「姉様。大変お待たせしました」
ディランの声に
「お帰りなさい」
出迎えた後、
「ルイ、ありがとう」
一緒に居てくれたルイにも声をかけている姿を見つつ、馬車に乗ろう体を動かすと、
フレディが差し伸べてくれ手を借り馬車へ乗り込み、
「ルイ、今日はありがとう。また明日ね」
「ああ。明日な」
互いに挨拶を交わし終え、扉が閉まると椅子に腰を下ろし
ディランが中に入ってくるの待った。
第328話
夏日になると聞き居ました。水分を取り体調の変化にお気をつけください。
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誤字脱字修正が遅れており申し訳ありません。時間を作り次第すぐに修正いたします。
ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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