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姉、授業を受ける



お腹も満たされ先生の言葉が眠りに誘うように聞こえてくる午後の授業


眠気と戦いつつ、黒板に書かれた文字と解説の言葉を書いてゆく。


この国の歴史と成り立ちは本で習った通りで、知識として身につけた記憶は間違いは無く、

覚え直すと言うより、間違って覚えていないかと確認する授業となった。


10分の休憩後、


今度は数学の授業で、こちらもフレディやイルさん達から教えて貰ってるので余裕を持って

先生の作った数式を解く事ができ、


途中、


「エスメさん、前に出てこの数式を解いてください」


数学の先生から指名を受ける、教室に緊張が走った。


解る。まさか指名され前で解くなんて思わないもんね。


クラスメイトの反応に納得をし、書かれた数式を詰まる事なく答える事ができ

心の中で安堵の息を吐き席に戻ると、

再び先生が新しい数式を書き始めてたのでノートに書いていく。


ディランもこんな感じで授業を受けているんだろうな。


動かしていた手を止める事無く1階上にある教室にいるディランの姿を想像しつつも授業を終えれば

今日の学園での勉強の時間は終了となった。


明日から2日間は休みで、次、学園に来るのは3日後


初めての休日に皆、嬉しそうに話しており、


「ルイはどうするの?」


帰りの準備をしているルイの背中に問いかけると


「そうだな。同じ部屋のこいつ次第だな」


ルイと同じく帰る準備をしていたボーイックに言葉で指すと


「僕?そうだね。クラスの女の子を誘って街に行こうと思ってたんだ」


人辺り良さそうな笑みと共に返ってきた言葉に、


「なら、俺は荷物の整理をするか」


入寮した次の日が入学式だったのでまだ完全にできていないのだと言うルイに頷き、

マリーに視線を向けると


「2日間とも神殿の奉仕作業ですね」


伝えられた言葉に首を傾げると、


「私、孤児で神殿にある施設で育ったんです」


普段と変わらない優しい声で返ってきた言葉に、


「そうだったのね。時間がある時にお邪魔してもいいかしら?」


普段通りに返事を返すと


「勿論です。子供達も喜ぶと思います」


嬉しそうに笑ってくれたので、いつ行こうか、ディランと予定を聞かないと頭の中で馬車の中で聞くことを忘れない様に記憶しつつ、忘れ物が無いかを確認し鞄を持って教室を出た。


マリーの神殿の場所を詳しく聞きつつ、普段どのようにしているのか質問すると、

日の出前に起き、朝食の準備をし子供達を起こし顔を洗わせ、

着替えに子供達に食事を食べさせ、掃除をすると、もうお昼、

子供達と遊んだり勉強をみたりするとあっという間に夜ご飯の時間になるのだと


眉を下げ少し困った表情で話してくれたマリーに、


主婦だった時と同じね。

その時もあっという間に休みが終わって行ったもの。


前の記憶と重なる部分に心の中で苦笑し、


なるべくマリーを手伝える様に頑張ろう。


心の中で決めた頃、寮に住んでいるボーイックと別れ、更に歩きた所でマリーとも別れ、

ルイと2人で馬車に向かって歩く中、


「マリーの養護施設に行くのはいいが程々にしろよ」


考えなど見通しだと言うルイに、


「そうなんだけど、2週に1回はお邪魔したいわ」


本当は毎週行きたいのだと伝えたいが、ルイの言葉に考え直し変更した答えを伝えると


「そこは、ディランと相談した方が良くないか?」


ルイの言葉に確かにと思い直し


「そうね。ディランと話をしてみるわ」


頷きながら返事を返した時に思い出し


「ルイ、もし手紙を書き終わっていたら3日後のこの時間に渡してね」


王都に出てきた数日すぎ、ご両親やミランダに手紙を送るだろうと話をすると


「分かった」


頷きと共に返ってので、自分もお祖母様やお祖父様にミランダやミラに手紙を書こうと決め

フレディが待ってくれている馬車に向かって手を振ればフレディは小さく手を振り返してくれ


「フレディ。ただいま」


帰りの挨拶を伝えると


「お帰りなさいませ」


微笑みと共に返してくれ、


「あのね。今日は数学の授業でね先生に指名されて、前に出て問題を解いたのよ」


早速、学園であった事を伝えると、


「さようでございましたか。さすがエスメ様ですね」


ディランの友達の従者さんが居るので敬語で従者として態度を崩す事は無くて、

いつもと違う返事で、これもこれで面白くてついアレコレと話フレディと周りの従者さんの反応を

楽しんでいると、


「姉様」


話に夢中になっていた様で、ディランの声で我に返り


「ディラン! お帰りなさい」


笑顔で返事を返すと、


「ルイ、遅くなってすまないな」


一緒に待ってくれていたルイに話しかけ


「忙しいのは知ってるからな」


ルイも何事もないように返事を返し、


「じゃ、休み明けな」


「一緒に居てくれてありがとう。またね」


お礼を伝えると手を挙げる事を返事とし寮へと向かって走って行った。


「姉様、手を」


ディランの言葉に従い差し出してくれた手を握り、馬車へと乗り込むとカーテンの引かれた扉が閉まり

数台の馬車が動く音の後、開いた扉がらディランとフレディが乗り込み、


フレディの合図の後、ゆっくりと馬車が動き出した。


「ねぇ、ディラン。今日の昼食は何を食べたの?」


早速、気になっていた事を尋ねると


「学食でAランチをいただきました」


不思議そうにしながらも返事をくれたので更に


「Aランチはお肉のメニューだった?」


詳しく尋ねると


「そうです。確かBランチは魚のムニエルだったかと思います」


「学食はディラン達も私達も同じメニューなのね」


返してくれた言葉に感想を漏らすと


「そうだと思いますよ。クックの手間を考えると百人近くの食事を作るのです。少しでも手間は省いた方が効率がいいですから」


ディランの考えに納得し頷き、


「今日ね、数学の時間に先生に指名されて前で問題を解いたのよ」


次に話したかった事を伝えると、興味深そうに話を聞いてくれ、


「どのような問題でしたか?」


ディランの問いかけに思い出しながら伝えると、少し驚いた表情をしたので


「元となる数式は黒板に書かれてたから、応用問題だったけど解く事ができたわ」


驚くことがあったのだろうかと不思議に思うも


「そうでしたか」


フレディに視線で尋ねるもディランの中で納得ができた様で、


「姉様、学園はいかがですか?」


今度はディランからの質問に、フレディから視線を外し


「まだ、始まったばかりだけど楽しいわ」


心配など無いと安心して貰うために笑いながら伝えると


「そうですか」


微笑みながら頷いてくれたディランに、心の中で首を傾げるつつも


「お休みの間に約束のお菓子作るからね」


話題を変えつつディランの様子を伺うと


「ありがとうございます。楽しみにしております」


いつもと同じ微笑みに、


言いたく無いことがあったのかな?

話してくれるまで待った方がいいよね。


様子を伺いつつも、


これから大人になってゆくディランに少し寂しさを覚えた。





第325話


大変申し訳ありません。GW中は私情で文字数が少なくなるかもしれません。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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