姉、挨拶周りをする
2023/04/12誤字修正をおこないました。教えてくださった方ありがとうございます。
朝起きてキッチンとランドーリ朝の勉強をこなし、自室に戻り入浴とテアさんのマッサージを受け、工房から届いた書類の確認をおこなってゆく。
何ヶ月も行ってきた事が今日で最後だったけれど大きな失敗をする事もなく終える事ができ、安堵の息を落とし、昼までどう過ごすかを考える。
収穫祭も今日が最終日なので一段と賑わいを見せるはず。
明日には王都へ旅立つので街の人に挨拶に行きたいが、昨日の人の多さを考えると、屋敷で過ごした方がいいかもしれない。
でも、せっかくのお祭り。
できれば行きたい。
少し悩んだ末に、本屋の店主さんとギルト長へ挨拶をしに行く事を決め、テアさんにその旨を伝え屋敷をでた。
毎日と言って良い程に歩いた街道を歩き街へ入ると沢山の人が祭りを楽しんでおり、流され方向を見失わ位様に気をつけつつ、まずはギルトへ向かい、
「こんにちは」
カウンターで対応してくれる女性へと声をかけると、
「こんにちは。今日はどの様なご用事ですか?」
にっこりと微笑み対応してく、ギルト長に挨拶をしにきた事を伝えると頷いてくれ
「しばらくお待ちください」
会えるかどうか予定を聞きに行ってくてる姿を見送り、さりげなく室内を見るとどうやら注目を集めている様で、さりげなく洋服の皺など確認をするもおかしな所は無く、心の中で首を傾げつつ、気にしていないと淑女の微笑みと態度で返事を待っていると、
「お待たせいたしました」
先程の女性が戻り案内をしてくれるとの事で、着いて行き案内された部屋に入ると
「これはお嬢様。どうされましたか?」
立って出迎えてくれ、
「こんにちは。お忙しい中対応してくださりありがとうございます。約束も取り付けづ来てしまい申し訳ありません」
挨拶と共にお礼とお詫びの言葉を伝えると、
「構いません。いつでもお好きな時に来てください」
ただし夜はご勘弁くださいね。
笑いながら返してくれた言葉にお礼を告げると、ソファに座るように勧められたので言葉に甘え腰を下ろすと、初めて会う男性が良い香りのする紅茶を前に置いてくれ、
「ありがとうございます」
お礼を伝えると、微笑み返してくれた。
貴族の人かな?
前に座るギルト長とは違う品のある雰囲気と仕草に気を取られるも、ミルク入り紅茶を一口いただき
「美味しい」
スパイスの味とミルクの甘さに驚き、もう一口飲むと
これ、チャイだ。前の人生で子供が冬になると入れてくれた紅茶だわ。
引き出された記憶に、懐かしくも嬉しく思い飲んでいると
「気に入っていただけましたか」
楽しそうに聞いてくるギルト長に頷き、持っていたカップをソーサーに戻し
「スパイスの香りと癖のある味もありつつもミルクの優しさもあって複雑だけれどもとても美味しいです」
気にいったのだと伝えると、
「お帰りの際に、少しですがお渡しできますのでお持ち帰りください」
その言葉に
「嬉しいのですが、希少な茶葉ではありませんか?」
遠慮をすると、
「いいえ。よろしければ王都でも飲んでいただければと思います」
その言葉に、両親に茶葉を持って行って欲しいのだと分かり、
「では、お言葉に甘えて」
持って行く事を伝えると、頷いてくれ壁に控えていた先程の男性に指示を出す姿を見ながら、チャイをいただく。
懐かしい味を堪能しつつ、来た目的を果たしていない事を思い出し、
「ギルト長に挨拶をと思いまして」
カップをソーサーに置き、今日の目的を言葉にすると
「明日、王都へ旅立つとお聞きしております」
真剣な表情で頷いてくれ、
「沢山ご協力をいただきありがとうございます。またご迷惑をおかけしすみませんでした」
これからもよろしくお願いします。
感謝の気持ちと急な事でご迷惑をおかけしたお詫びを伝えると、
「構いません。それに応えるのが私の仕事です。ですが、お礼の言葉をいただきありがとうございます」
誇らしく微笑むギルト長に微笑み返し、
「これからも工房の事をよろしくお願いします」
改めて協力を要請すると、
「ええ。ご期待に添えられるよう尽力いたします」
頷いてくれ、ホッと息を落とすと
「王都から届く、依頼書が届くのを楽しみにしております」
付け加えられた言葉に少し驚きつつも
「その時はすぐにお知らせしますね」
返事を返し、少しの雑談の後お暇の言葉告げソファを立つと壁側で控えていた男性がチャイの葉が包まれた箱を手渡してくれたので、
「ありがとうございます。特別な日にいただきますね」
チャイを盛んに飲む隣の国の言葉で返すも微笑みで返事を返され、対応を間違えてしまったのかとギルト長に視線を送ると、小さく頷いてくれたので心の中で安堵の息を落とし3人でギルト内を歩き扉を潜り外にでた。
「見送りありがとうございます」
ギルト長と男性にお礼を伝えると、
「今日は祭りで人が多いです。気を付けてくださいね」
ギルト長からの言葉に頷き返し手を振りギルトを後にし、屋台を出している本屋の店主さんお元へ行き
「こんにちは」
人混みに流されないように後ろに気を付けつつ声をかければ、
「こんにちは」
いつもと変わらない対応と挨拶を貰い、お礼を伝えよとするも歩く人とぶつかりよろめいてしまう。
「お嬢。中へ」
店主さんの言葉に遠慮がちに微笑むも、座る椅子を用意され中に入り座る様に促されるので、戸惑いながらも
「お邪魔します」
恐る恐る入り、用意された椅子に座ると本を手渡されたので表紙を開き読んでゆく振りをし店主さんの様子を伺うと片付けをし始めており、慌て本を閉じると
「この人の多さで誰も立ち止まらないんだ」
屋台を出していても意味がないと言い、手早く片付けを済ませ
「お嬢、行くよ」
本を片手に、手を繋がれどこかへ向かって歩き出した。
どこへ行くのか尋ね様にも、人が多く少しでも気を抜くと転けそうになるので気をつけつつ歩いてくと街を出て屋敷へ向かう道に出ると急に人減り歩きやすくなった。
「店主さん」
無言で屋敷に向かって歩く店主さんに声をかければ、
「そろそろ帰らないと準備が間に合わなくなる」
足を止める事なく屋敷へと向かうので、そのまま歩きつつ
「あの、お礼を伝えたくて。沢山の事を教えてくださりありがとうございます」
これまでのお礼を伝えると、
「店があれば客が来て対応をするのは当たり前のことだよ」
気にしていないと言う店主さんに苦笑しつつ、気にしていないと告げるので
「子供達はどうですか?」
「騒がしいけれど、本にイタズラをしてこないから大丈夫だ」
「彼はどうですか?」
1人、冒険記を聞くのを目的ではなく、本に興味があり読みにくる子の事を尋ねれば
「理数に興味があるみたいだ」
淡々としながらもしっかりと返ってくる言葉に頷き
「これからもよろしくお願いします」
そう伝えると、少し眉間に皺を寄せたものの頷いてくれたのを見て、安堵の息を落とす。
屋台に行き前にギルト長に挨拶をした際に出してもらった紅茶の話
手渡してくれた男性に、貰った茶葉をよく飲む国の言葉でお礼を伝えた事などを話していれば屋敷に到着し
「お帰りなさいませ」
イルさんの出迎えに返事を返すと
「彼にお礼を伝えなければなりませんな」
店主さんも一緒に屋敷の中に入り、迎えに来てくれたテアさんに急かされ自室へと戻り着替えを済ませ、店主さんの事を聞けば
「先程、屋敷を出られたそうです」
聞きに行ってくれたボアさんの言葉に、頷き
「イルさんが、沢山お礼をしましたのでエスメ様はお気になさらず。との伝言もいただいております」
続いた告げられた言葉に、なら良いかと納得し神殿へ向かう為に部屋を出て玄関ホールへと向かう。
お祖父様とお祖母様と共に馬車で神殿へ向かい、収穫祭の終わりの宣言を見届け賑わう街の音を聞き安全を考え街の外を通り屋敷へと戻った。
明日、王都へと旅出つ。
第312話
入学、進級、おめでとうございます。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
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フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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