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姉、久しぶりに親友と会う

2023/03/19 誤字修正をおこないました。

教えていただきありがとうございます。


「本日はミランダ嬢と一緒にミラもこちらに来ると伺っております」


朝のキッチンとランドリーの勉強を終え、身なりを整え工房の仕事をイルさんから手渡れてたと同時に告げられてた言葉に、


「え?ミラも来てくれるのですか?」


初めて知った情報に驚き、尋ねれば


「ハンドクリームの事で進展があったのではないかと思われます」


来る用事までは聞いていないとの事で、


「わかりました。お祖母様への報告が終わりましたら部屋に来て欲しいとお願いしたいです」


「かしこまりました。そのようにお伝えいたします」


ミラへの伝言をルイさんにお願いをし工房の書類の確認を行なってゆく。


生活魔法道具は今までと変わりなく生産も販売も横並び。


紙刺繍は前回の技術試験の合格者が仕事に慣れてきたとの事で生産が少し増えてきた。

秋の収穫祭で屋台を出す計画も進んでいる。


ありがたいな。


沢山の人に手を借り、知恵を借り問題なく進める事ができることに感謝をし書類を確認していると聞こえたノックの音に入室の許可をだし、対応してくれたボアさんから


「エスメ様。ミラが参りました」


予想より早く来てくれた事に驚きつつ、入室してもらう様にお願いをし席を立ち


「忙しい中、来てくれてありがとう」


出迎えると


「お声をかけていただきありがとうございます」


少し緊張しながらも腰を折りお礼をしてきた姿に、微笑ましく


「疲れたでしょう。お茶の準備をしてもらうから座って」


ソファに促すと頷いた後、品良く歩きスカートの皺を手で直しながら腰を下ろした。


ミランダがさりげなく行う行動でもミラが行うと少し背伸びした行動に微笑ましく思いながらボアさんが淹れてくれた紅茶に


「ありがとうございます」


ミラと同時にお礼を伝えてしまい、ボアさんから微笑ましいと表情で告げられてしまった。


「最近は何をしているの?」


少し恥ずかしくなった気持ちを切り替え、ミラに尋ねると


「街の広場で勉強を教えたり、本屋の店主さんの話を聞きに行ったり質問したりしております」


考えながら話しているようで普段よりゆっくり言葉を作る姿に微笑ましく思いながら


「そう。本屋の店主さんの話はどんな話をしてくれるの?」


「この領の成り立ちだったり、様々な仕事の仕組みや冒険の話を聞かせて貰ってます」


「そうなのね。毎日通って話を聞いているの?」


「最初は毎日でしたが、最近は週に1回です」


少しでもミラの緊張が解ければと話し続けたが、話せば話す程に緊張が強まる方で、


「ミラ。良かったらスコーンも食べてね」


スコーンが乗っている皿とクリームとジャムの入った器をミラに向かって少し動かすと


「ありがとうございます。いただきます」


恐る恐る手を伸ばし、小さく口を開け食べる姿にミランダのアパートメントで口いっぱいほうばるミラの姿が懐かしく思い、


ミラの成長は嬉しいけれど寂しいなぁ


身勝手な気持ちに心の中で苦笑しつつ自分もスコーンに手を伸ばし紅茶と共に楽しんでいると、聞こえたノックに返事を返し出迎えると


「遅くなりました」


ミランダが顔を出してくれたと同時にミラの緊張も解けた様で、嬉しそうにミランダに顔を向けていた。


「お疲れ様でした。今日はどうでしたか?」


ソファに座って貰い、いつものように尋ねれば


「はい。沢山助言をいただきましたので工房へ持ち帰り協議していきたいと思います」


微笑みと共に返ってきた言葉に頷き、工房の様子を聞こうと口を開けるも聞こえたノックの音に返事をしボアさんに対応して貰うと、


「エスメ様。ルイが来ております」


先触れ無しの訪問に驚いたものの、せっかくなのでと部屋に入って貰い


「久しぶりね。元気だった?」


ミラに隣に座るように移動をお願い、ルイをミランダの横に座らせたと同時に質問をすれば、


「ありがとうございます。日々鍛錬に勤しんでおります」


ミランダのアパートメントでのルイとは違い、どこか緊張した雰囲気と硬い声に心の中で申し訳なさを感じつつも


「今日は、お祖父様から呼び出しがかかったの?」


気にしていないフリをし尋ねれば、


「学園で着る制服の微調整にくる様にとご当主様よりお話をいただきました」


膝の上に置かれた握り拳に力が入るのが見て取れ、


「ボアさん。申し訳ないのですがティーフードと紅茶のおかわりをお願いしたいです」


壁側に控えてくれているボアさんにお願いをすると頷きをもらえ退出する背中を見送り扉が閉まった瞬間、ルイとミラから大きな息を落とす音が聞こえ、


「ダメだ。慣れなきゃと思うけど緊張しちまう」


ルイが肩を落としながらの言葉に、


「しっかりできてたから大丈夫だよ」


ミランダに視線を向けつつルイを励ますと


「ええ。背筋も伸びしっかりと受け応えもできておりましたわ」


気持ちを汲み取ってくれたミランダがルイに言葉をかけると、下げていた頭を勢い良く上げ


「そっかぁ。ミランダがそう言ってくれるなら大丈夫だな」


嬉そうに笑い、言われた通り背筋を伸ばしたルイが微笑ましく見ていると


「相変わらずね」


ボソリとミラの冷めた言葉に、


「久しぶりに会えたのだから多めに見てあげて」


ミラだけに聞こえる小さな声でお願いを告げると、聞こえてきたノックに返事をしボアさんに入って貰い


「申し訳ないのですが暫く4人だけで話をしたいです」


大きなティーポットと沢山のティーフードを置いてくれたボアさんにお願いをすると


「かしこまりました。ご用がありましたらベルを鳴らしてください」


初めてみるベルを受け取り、頷き返すとボアさんは部屋から退出をした。


「なんかメイドさんに悪いことをしたな」


ルイが扉を見ながらの言葉に


「いいえ。退出するつもりだったと思いますわ」


大きなティーポットを持ち上げルイのカップに紅茶を注いでいるミランダは


「でなければ、このような大きなポットや沢山の焼き菓子を持ってきませんもの」


言葉で指されたポットと焼き菓子に確かにと皆で頷き合い、


「ルイ。制服どうだった?」


気持ちを切り替え尋ねれば


「なんかシャツに刺繍が入ってた」


予想外の言葉に驚きつつ


「え?全部に刺繍が入っていたの?」


シャツの前面に刺繍が入っているのを想像し尋ねると


「ポケットと袖元に白糸で刺繍が入ってた」


1人勘違いをしてしまった事に恥ずかしくなるも


「そうだよね。1部だよね」


安堵の息を吐き出すとミランダが小さく笑い


「流石に男性にそこまで求めておりませんわ」


ミランダに先ほど勘違いを見透かされていたようで、苦笑して返し、不思議そうに首を傾げているミラに手を伸ばし頭を撫ぜ


「ディランとフレディに会えるの楽しみね」


王都での生活に想いを馳せ告げると少し心に寂しさが生まれた。



第302話


卒業式の話を聞きました。ご卒業おめでとうございます。良き門出ででありますように


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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