姉、制服姿を披露する
2023/03/10 誤字修正おこないました。
教えてくださった方、ありがとうございます。
2023/04/12誤字修正をおこないました。教えてくださった方ありがとうございます。
朝の勉強と共に入浴とマッサージを受け終え、昨日にミランダとの約束を果すべく学園の制服を目にとソールにかけられている紺色のワンピースを眺める。
勉強時に着ているメイド服と似ているものの、良く良く見るとスカートの裾に刺繍が施されており
「刺繍がついたのですね」
お針子さんの1人に話かけると、
「はい。同系色の糸ですので気づく方は気づくかと思います」
嬉しそうに微笑みながらの言葉に、
なるほど。聡い人は気付くけど気付かない人は気づかない。
前髪切った?と言うのと同じね。
1人心の中で頷き気づけた自分を褒めつつ促されるままに身に付け、鏡に映る自分を見ると、
見慣れた自分が映っていた。
お褒めの言葉を、試着で着た時より馴染む感じに
この制服を着て朝の勉強をしても違和感がないような気がするかも。
左右動き背中の確認をしているとノックの音が聞こえたので返事をしハンナさんが対応で出てくれる。
「エスメ。よく似合うな」
嬉しそうな声と共にお祖父様が姿を見せてくれ、
「おはようございます」
朝の挨拶をし笑顔で迎えると、同じ様に返事を返してくれた後
「従者からエスメが学園の制服を着ると聞いて、慌ててきたんだが。良く似合う」
嬉しそうに笑い、頷く中、
「ほう。リーフの刺繍が施されているのか」
聞こえた言葉に少し驚きながらも、
「はい。元のままではとお針子さんが刺してくださいました」
気づいてくれた事への嬉しさに返事を返せば、
「襟と袖にも白で刺繍を入れても良いな」
数度頷きながらの言葉に
「その様にいたします」
頷き返したわいのない話をしていると、再びノックの音が聞こえ返事を返しハンナさんが対応してくれ
「エスメ。良く似合うわ」
「お祖母様。ありがとうございます」
お祖父様同様に制服姿を見に来てくれたお祖母様にお礼を伝えゆっくり見ていただくと
「スカートの刺繍をもう少し多めにして、後、袖と襟も白の糸で刺繍を施してはどうかしら?」
お祖父様と同じ意見で、驚いていると
「エスメ。感情が表情に出ているわよ」
注意を貰い、慌て表情を直しお祖母様を見れば
「旦那様も同じご意見でしたか?」
「ああ。このままでもシンプルでエスメの可愛いが出るのだが、襟と袖に刺繍を入れても良いと思ってな」
「さようでございますわね」
何やら2人で話が進んでしま参加できる機会を見失ってしまったので聞き役に回っていると、お祖母様はお針子さんを呼び、何やら指示を出しており
「名残惜しいが、そろそろ仕事に戻るか」
お祖父様は、寂しそうに眉を下げながらの言葉に
「刺繍が完成いたしましたら、また見ていただけますか?」
頭の片隅に前の人生の時に制服を着た我が子を見た時の感情を思い出し、お祖父様の言葉にしない気持ちを同意しながら返事を返せば
「勿論だとも」
大きな手が頭を撫ぜてくれ、扉を潜るお祖父様の背中を見送った。
「エスメ」
ぼんやりと扉を眺めているとお祖母様からの呼びかけに体ごと向けると、
「ミランダ嬢との話が終わり次第こちらに向かわせるので、相手をお願いするわ」
チラリと机の上にある各工房の書類に視線を向けた後の言葉に
「はい」
返事を返し扉を潜るお祖母様を見送った後、急いで制服を脱ぎ慌て机に向かい
紙工房の経理などをミランダに覚えて貰っていると言えど、暖かくなれば雪解けと共に流通が盛んになり、在庫を作り溜めをしていたのを調整しつつの販売許可と、新規の契約などがあり、
特に、お祭り時に出した屋台を常備、店で売ってほしいとの要望と王都の店でも是非との声もありお祖母様に伺いつつ慎重に進めている。
いずれは、領の店を本店とし工房との経営をミランダが行い、
王都での支店を私が仕切る様にとお考えも感じ取れ
難しくなる書類関係に頭を悩まし出した所で、何度か終わらせる事ができ制服を身に纏いミランダを迎える準備を終えしばらくすると、
ノックの音が聞こえ返事をしハンナさんに対応に出てもらうと
「お待たせいたしてしまい、申し訳ございません」
深く頭を下げ謝るミランダに、
「気にしないで。さ、座って」
いつのも様にソファへ促すも、顔を上げてくれたミランダはソファに座る事はせず首を傾げれば
「制服。良くお似合いです。と、申して良いのか迷いますが」
困った様に眉を下げるミランダに、
「ありがとう。毎日朝の勉強の時に着ているから違和感はないと思うわ」
メイド服姿の自分を知らないミランダに微笑み返事を返せば、瞬間驚いたものの
「さようでございましたか」
すぐさま微笑みと共に頷き返してくれ
「スカートの裾のリーフの刺繍はさりげなく同色を使うとは素敵ですね」
すぐに刺繍のことに気がついた様で話題に出してくれ、
「ありがとう。お祖父様もお祖母様ももう少し量を増やして、襟と袖にも白糸で刺繍を入れても良いと案をいただいたの」
袖を触りながら伝えると
「さようでございますね。エスメ様には学園内では広告塔として紙刺繍を宣伝していただかねばなりません」
聞こえてきた言葉に首を傾げれば、
「制服を使って、紙工房で働く者の技術の高さを宣伝をするのです」
同じ様な言葉がミランダから返ってきたのでまじまじと顔を見ると、真剣な表情での言葉に怖気付きながらも頷くと、襟が曲がっていたのか直してくれつつ
「貴族たる者の仕事ですわ」
耳元で囁いてくれた言葉に、言葉の意味を理解し
「ありがとう。気をつけるわね」
離れたミランダにお礼を伝え、再びソファに座るように促し紅茶を飲みながらお祖母様から教わった話を聞き、それぞれ意見を出し合い、
その日は終えた。
第269話
日中と夜の寒暖差に加え花粉と体調管理が難しくありつつありますね。ご自愛ください。
ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。
ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
https://ncode.syosetu.com/n9341hw/




