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姉、約束の無い事に気づく

2023/02/24 誤字修正を行いました。教えてくださった方、ありがとうございます。


噴水の広場ではいつもの様に様々な商品を扱う屋台が店を広げており、1店1店覗き店主さんと挨拶を交わし雑談を交わしてゆく。


神事の感想から始まり今日のオススメまで幅広く、時にどこかの誰かが結婚した話や子供が生まれた話、ご不幸事など様々な話を聞き、買い物をしてゆく。


黒パンにチーズと青豆や野菜を手に取り、店主さんやその場にいたご婦人達と会話を楽しみ祭りの感想や当日の売り上げなどを聞き進める。


どの屋台も祭りの日は受け上げが良かったようで、皆、笑顔で教えてくれたのが大変ありがたかったし、


「エスメ様、紙刺繍工房で買い物をされたと聞きましたよ」


「私も買いました」


「嫁に強請られましてねぇ」


沢山の人か工房から商品を買ってくれた様で、時に持っているミモザの栞を見せてくれる人もいた。


みんなが喜んでくれた事を働いてくれているご婦人達に言いたいなぁ。


自分だけ皆からの感想を独り占めより分かち合いたくなり、お祖母様のお気に入りのカフェにより


「急な事でも申し訳ないのですが、明日までに手土産用の焼き菓子を用意して欲しいのです」


出迎えてくれた店員さんにお願いをすれば快く引き受けてくれ、折角なので紅茶をいただく事にし手に持っていた買い物を預け、案内された席に座り紅茶とスコーンをお願いした。


街には祭りの雰囲気が残り、まだ観光できた人達が買い物を楽しむのを窓越しに楽しみ、香りの良いミルクティーと焼きたてのスコーンをいただき、ぼんやりとして過ごす。


時より紅茶のおかわりをいただき、途切れることのない人の流れを眺めていれば、ギルト長が通り過ぎに手振り挨拶をくれた。


様々な人を眺めていると、


そういえば、ミランダとコナーさんに今日行くと約束してなかったわ。


フッと思い付いた事に頭を抱えそうになったものの、ここが屋敷では無い事を思い出しぐっと心の中に押し込み、


仕方ない。買った物は持ち帰ってクック長と相談しよう。


帰ったらイルさんにお願いして、工房への訪問に行く事を伝えないと。


急に動き出した意識にこれからの予定を立て、席を立ちお礼を伝え店から外に出て、屋敷へと向かい歩く。


箒に乗らなくてもいい時間なので気ままに歩き屋敷へと躍ると少し驚いたテアさんに出迎えて貰い、


「実はミランダに会いに行くと約束をしていないことに気が付きまして」


苦笑いをしなから失態を伝えると、


「さようでございましたか。何事もなくようございました」


微笑みながら返事を返してくれ、


「ルイさんに明日の昼過ぎに紙工房へ行くと伝えてくれますか?」


帰り道に考えていた事をお願いすれば快く引き受けてくれ、


「後、クック長にこの買い物の件を話したいので時間をください。と、伝えて欲しいです」


「かしこまりました」


礼の後テアさんは部屋を出て行くとすぐにクック長が尋ねてくれ、経緯を説明すれば、


「かしこまりました。では黒パンをひと口ほどの大きさに切り、上にチーズや焼いた肉などを乗せお出ししましょう」


あっという間に解決策が見つかり


「ありがとうございます。相談して良かったです」


お礼を伝えると


「お役にたて光栄です。楽しみにお待ちください」


互いに微笑み部屋を出ていくクック長の背中を見送れば、傾いて入るもののまだ太陽の光は地上を照らしており、


本棚から目についた本を取り出しソファに座り文字を黙読して行く。


集中して読んでいればあっという間に晩餐の時間になり、テアさんから運ばれてきた色とりどりの料理に小さく歓声を上げ、手で摘み口に運べば、


サワークリームの少しの酸味とローストビーフの味がとても合い美味しく、次に手を伸ばすと同じくサワークリームにサーモンが乗っており、黒パンの酸っぱさが口の中を整えてくれ、


「とっても美味しいです」


テアさんへ感想を告げれば嬉しそうに微笑んでくれ、最後に手に取った物は同じくサワークリームの上にナッツと蜂蜜がかけられており


「これも美味しい」


蜂蜜の甘さで黒パンの酸っぱさが柔き何個でも食べれる程の美味しさだった。


食事を終え、紅茶を飲んでいる時に聞こえたノックの音に返事を返すとお祖父様の従者さんで首を傾げれば


「旦那様よりお言付けで、ライリー様への礼状はこちらで行うので不要。とお預かりいたしました」


朝、お祖父様に尋ねていた事を思い出し


「かしこまりました。お願いします。と、お祖父様にお伝えください」


返事を伝えると従者さんは頷きと共に礼をし退出をしたのを見送り、


「テアさん。少し早いのですが今日はもう休みます」


壁側に控えてくれていたテアさんに伝えれば、


「かしこまりました。湯浴みの準備を整えますね」


快く引き受けてくれ、手早く湯浴みを済ませ髪を乾かしオイルを塗り込み、ハンドクリームも塗り


「おやすみなさいませ」


就寝の挨拶と共に部屋を出て行くテアさんを見送りベットに潜り込んだ。


「今日も楽しかった」


今日の出来事思い出し小さく笑い瞼を閉じればあっという間に眠りの中に入っていった。




第290話


鳥達が元気良く飛んでいるのを観察してると虫が飛んでいる事に気づきました。寒くても春なんですね。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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