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姉、神殿にて打ち合わせをする


牡丹雪が舞う中、お祖父様お祖母様と神事の打ち合わせの為に馬車に乗り、街の大通りを通っていると華やかに彩り出している家々を窓越しから眺め、


「今年は寒さが続きますわね」


お祖母様の一言に


「そうだな。このまま何事もなく春を迎えてくれれば良いが」


お祖父様の少し重い言葉に窓の外を見ていた顔を動かし、お祖父様を見つめれば


「心配する事はないさ」


いつもの微笑みで返事を返してくれたので頷き、


「エスメも今回で3回目だもの。もう進行は覚えたでしょう?」


お祖母様の言葉に、


「はい。覚えております」


話を聞いてから2日間の進行を復習をしていたので頷きと返事を返せば、


「なら、大丈夫だな」


朗らかに微笑み力強く頷いてくれたお祖父様に微笑み返す。


初めての神事はディランと一緒だった。


2回目は1人で行い、


3回目も1人行う。


4回目は学園を卒業後の3年後


しばらく参加できないと思うと寂しく思うも、全力で楽しむと心に決め今日を迎えた。


ガタガタと揺れ、馬の蹄の音を聞きお祖父様とお祖母様と数日前に街であった事を話していれば神殿に到着し、馬車の扉が開くと最初にお祖父様が下り、お祖父様の手を借りお祖母様、そして自分が下り


「ようこそお越しくださいました」


白いローブをきた男性に出迎えられ、


「出迎え礼を言う」


お祖父様の礼の言葉の後、案内されるまま全員で神殿の中へ入って行く。


火魔法と風魔法を発動させ温めていた車内とは違い、凍えそうな程寒く吐く息が白くなる神殿に身震いを仕掛けるが、失礼にあたると思い耐え歩けば


「お忙しい中ありがとうございます」


ノア様からご挨拶をいただけ、手短に挨拶を返すと早々に神事の進行確認が始まったので邪魔にならない様に当日に立つ壁側へ移動し見守る。


まずはお祖父様お祖母様がノア様の進行で祈りを捧げ、お祖父様とお祖母様の宣言の言葉と立ち位置の確認。


そして、


「エスメ様。お待たせいたしました」


ノア様に名前を呼ばれたので壁側から中央へ立つと


「エスメ様には去年同様に街の代表者からミモザを受け取り神殿へ奉納をしていただきます」


ゆっくりと説明を受け、頷き返すと、去年同様に代表者からミモザを捧げる際の動きを確認し


「奉納の後に神事を見守っていた人達へとお言葉をよろしくお願いします」


2日目の流れを確認終え、


「お疲れ様でした。これにて終了になります」


心の中で安堵の息を落とし、誘われるままお祖父様達と暖かな部屋で紅茶をいただき、ノア様と少しお話をし屋敷へと戻った。


勿論、帰りの馬車でも冷えない様に魔法を発動させ温めていたものの、神殿に寒さが体の芯までも冷やしており、


「エスメ様、入浴を」


帰って早々テアさんからの言葉に頷き、ドレスを抜きお湯に触れると痺れる感覚があるが、風邪をひくわけにはいかないのでゆっくりと体をお湯に沈めた。


動く度、お湯が揺れる度に熱いお湯に痺れた感覚を感じるも、慣れれば気持ち良く、結い上げていた髪をほぐし、洗ってくれるテアさんに


「お風呂ありがとうございます」


お礼を伝えると、


「勿体無いお言葉。本日は冷え込みが強いので旦那様も奥様も体調を崩されてはとイルさんの指示がございました」


テアさんの言葉に後でイルさんにお礼を伝えようと心に残しつつ


「このハーブがとてもいい匂いですね」


お湯に溶かされたハーブに触れると


「ハンナさんが調合をしました。何か起きになる様でしたかハンナさんをお呼びしますよ」


嬉しそうに微笑ながらの言葉に、


「ありがとうございます。お会いした時に細かくお聞きします」


自分も嬉しくなり、少しからかいを入れ返事をすれば、


「手加減、お願いしますね」


互いに小さく笑い合いいつもより長湯をし自室でマッサージを手早く終え、暖炉の火と風魔法を発動させソファに腰を下ろす。


馬車の中でのお祖父様の言葉が頭の中で繰り返されるも、お祖父様とお祖母様の事


対策は十分にとっているはず。


何が起こるか想像ができない自分は今は何もせずにいて、もし事が起こったら協力できるようにすればいい。


テアさんが淹れてくれたミルクティーを飲み、考えに終止符を打つと次はこの後、どう過ごすかと言う事。


神殿に行く以外の予定を考えていなかった為、この後の予定も無く何をしようと考えるも


「テアさん。この後は手紙を書いたり本を読んだりして過ごします」


今日の事をディランに手紙で伝えようと思い、部屋から出ないことを伝えると


「かしこまりました。お呼びの際はベルを鳴らしてください」


飲み終えたカップとソーサーを片付けた後、テアさんは一礼をし退出をしたのを見届け、机に向かい引き出しからレターセットと数本の羽根ペンとインクを取り出し、


真っ白の紙に数日間にあった出来事を書き綴った。


10枚近くに渡り書いた手紙は後日、ミモザ色のリボンと共に返事が届いた。



第279話


あっという間に2月です。時間が過ぎる速さに驚きつつ早く春が来ないか待ちどうしい日々です。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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