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姉、親友の考えを後押しする


寒さがじんわりと和らぎ、今まで雪に阻まれ到着に時間がかかっていた井戸も短時間に行けるようになるも水に触れ濡れた手は、冷えて赤くなる。


冬と春の間の季節を楽しみ、


きょうのじゃが芋料理はステック状に切りオイルで揚げ焼きにしてバジルと塩で味付けなんてどうかな。


水を汲みながら朝食に出すレシピを考え、頭の中で作り味の想像をすれば


美味しそうな気がする。


浮かんだレシピに頷き、水を汲んだ桶を片手ずつ持ちキッチンへと戻る。


釜の火のおかげでキッチンはあったかいものの、沢山のじゃが芋を井戸まで運び、汲んだ水で洗い再びキッチンへ戻り、皮を剥いていればキッチンメイドやクック達も集まりだし、


あっいう間に皆が忙しく動き、大きな声で指示が飛び活気が溢れだす。


そんな中、黙々とじゃが芋と向き合い、切り、揚げ焼きをし味付けをしたじゃが芋を食べれば美味しく、


「美味しい」


思わず出てしまった声に周囲にいたクック達の視線を集めてしまうも、気にしない様に手を振りればそれぞれが視線を料理に戻し動き出した。


できたばかりの料理を手に持ち邪魔にならないように移動しクック長元へゆき、


「確認をお願いします」


言葉と共に出来上がったじゃが芋料理を差し出すと、真剣な表情で手を伸ばし食べて数度噛んだ後


「とても美味しく。蒸した後に揚げ焼きをしても美味しいかもしれませんね」


笑顔と共に返してくれた言葉に、


「そうですね。今度作ってみます」


笑顔で返事を返し、邪魔にならない様に持ち場に戻り、次々渡される鍋や調理器具を洗い続けた。


休憩と共に食べた先程作ったじゃが芋も好評を貰え、嬉しい気持ちでランドリーに向かい自分の服とシーツを洗い終え、自室に戻り入浴とマッサージを受け、


イルさんか手渡され、説明を受けている書類の1枚に


「ミモザを刺繍した商品の販売ですか?」


今までとは違う企画案の書類があり首を傾げれば


「神事がある2日間、屋台で販売をしたいとの事でした」


イルさんの言葉は書類にも書かれており、


「神殿へ寄付ではなく、路面販売で間違いありませんよね?」


新しく入ったばかりの人や刺繍の技術が販売までに至らない人の刺繍は神殿に寄付をする事で進めてきたが、不思議に思いよくよく書類を読み返せば、


工房があるという事で手に入りやすいという利点。


入ったばかりの人や技術が伸び悩んでいる人達への発破をかける事と作る喜びを得る。


1つ目は神殿で寄付をしているので路面販売にする意味は無いと思うものの、


本音は2つ目の文章ね。


毎日繰り返し練習をしても技術が伸びなければ、不安が溜まりだす。


不満の解消と人に手に取って貰える喜びを体感して貰い、不満の解消と意欲の向上が目的だと思うけれど、


問題は転売よね。


ただでさえ人気をいただき待って貰っている状態に路面販売をすれば、待っている方々から不満があるわ。


書類をゆっくり読み、頭の中で考え進めてゆくと、企画書を出した人は自分の考えを見通している様で、


紙は質を落とし、メッセージカードではなく栞として販売をする。


販売時に十分に説明をし理解をして貰った上で販売をする。


この動きを機会に、工房で作る商品に格を付け差別化を図る事が目的である。


販売だけではなく今後の方針も書かれており、発案者を見ればコナーさんの名前が1番上に書かれており、1番下にはミランダ署名もあり、


「私の手元に届いた問うことはお祖母様の了承を得ている事ですし、反対をする事はありません」


採用のサインをその旨をイルさんに伝えると、


「かしこまりました」


了解の返事が返り他の書類にも目を通してゆく。が、


ミランダに取っては春の神事は工房運営にとって好機と見たと言う事ね。


先程の書類が頭の中に残り考えつつも書類に目を通し終え、休憩も兼ねてハンナさんに淹れてもらった紅茶を飲む。


線引きをされてしまった寂しさ


相談されなかった悲しさとやるせなさ。


沢山の感情が混ざり気持ちが落ちてしまうも、


ミランダの最初の仕事だもの。

協力して工房で働く人達にミランダを認めてもらえる様に支えなきゃ。


親友の私が足を引っ張るわけには行かないわ。


紙の手配と商談


刺繍糸の購入


気持ちを切り替えれば、自分にできそうなことが浮かび出すと落ち込んできた気持ちは消え


早く報告書が来ないかな。


報告書が待ちどうしく思い紅茶を1口飲んだ。





第278話


あっという間に1月が終わりを告げ2月になります。もう少し遅くても良いのにとつい思ってしまいます。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。

沢山の誤字報告をいただき、教えてくださった方、本当にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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