姉、お祖母様とお茶会をする
23/01/22 誤字修正を行いました。教えてくださった方ありがとうございます。
雪の花が空から舞い落ちるのを大きな窓からぼんやりと眺め待ち人が来るのを待っている。
薪が爆ぜる音に熱の循環させる為に風魔法を発動させるも、少し寒い気がしたので火魔法も発動させ部屋を温める。
過ごしやすい温度に変わった頃に聞こえてきたノックの音にボニーさんが対応に出てくれ、開いた扉からお祖母様の姿が見えたので椅子から立ち出迎える。
「遅くなってごめんなさい」
眉を下げながらの言葉に
「いいえ。私も先程来たばかりです」
ゆるりと首を振り返事を返せば、座る様に促され先程腰掛けていた椅子に座った。
久しぶりのお祖母様からのお茶会の招待に、ミランダの事だと思いいても立っても居られず早々にサロンにきたのはお祖母様にも伝わっている様で、
「部屋が暖かいわね」
ガラス張りのサロンの寒さ対策としてショールを羽織っていたが言葉と共に取り、お祖母様の専属メイドへと手渡しており、
「いつもありがとう。エスメの優しさに助けられて感謝しているわ」
微笑みながらの言葉に、
「ありがとうございます」
嬉しく思い礼を伝えると互いに紅茶を一口のみ最近の報告をし合い、工房の話へと流れてゆく
「先程、紙刺繍工房へ数ヶ月後に技術試験を行う事を通達しました」
数ヶ月後と言う事はミランダにも試験を受ける事ができる。
お祖母様の言葉に頷き返しつつ頭の片隅で考えていれば、
「先日会った貴方のお友達が工房へ入り貴方の力になりたいと言ってくれたわ」
告げられた言葉にカップをソーサーに戻し顔を上げれば、
「計算もでき、相手の感情を汲み取るのが得意の様子。良い責任者になれるでしょう」
対面をしたお祖母様の言葉に
「ありがとうございます」
友達を認められた事に嬉しく礼を返すと
「エスメを見習って、お針子として入って試験を受け工房の皆に認めて貰ってから運営へ移動したいと希望したので、そのように手配をしたわ」
告げられたお祖母様の言葉に驚きの表情で見ると
「あら。知らなかったの?」
不思議そうなお祖母様に首を振り
「初めて知りました」
返事を返せば
「そうなのね。てっきりエスメと相談して決めたのかと思ったのだけれども」
困った様に微笑みと共に帰ってきた言葉に
「工房の事は、ほぼ話しをしておりません。多分コナーさんと話し合っていると思います」
「そうだったのね。エスメを信頼しての事でしょう」
お祖母様の言葉に力無く微笑み返せば
「なんでも話せる仲でも、恥ずかしいから今は話せない事や、見守って欲しいなど色々な思いがあるわ」
目元を和らげ優しい声で紡がれた言葉に頷くと、
「エスメのお友達だもの。もしかすると驚かせたかったのかもしれないわ」
貴方も良くやるでしょう。
告げられた言葉に、驚いたものの自分の行動を振り返れば良くディランとフレディを驚かせており
「そうですね。何を話してくれるのかを楽しみに黙っています」
少し陰ってしまった気持ちが瞬間に晴れ、クグロフに手を伸ばし一口食べればバターの香りと砂糖の甘さにドライフルーツの甘さが口の中に広がり、紅茶で口の中を整え、
「エスメ。街に行くことが少なくなるけど、これからどう過ごすの?」
同じ様に紅茶を飲んだお祖母様の言葉に、
「学園のことも考え、勉強に力を入れようと思います」
イルさんから学園で習う事はほぼ習得ができていると言われたけれど、復習をして置いた方が学園生活を楽しめるのではないかと思い、考えていた事を告げれば
「そうね。では、リリーの使っていた教科書を取り寄せましょう」
「お母様の教科書ですか?」
お祖母様の提案に首を傾げれば
「ここになるのは私達の学生の頃の教科書よ。古くなり通用しないものもあるでしょう」
微笑みながらの言葉に納得し頷けば、
「そろそろ、春の祭りの準備も始めなければいけないわね」
貴方のドレスはどの型で作ろうかしら。
窓の外に視線を向けたお祖母様の言葉に、去年の事を思い出し
1年あっという間だなぁ
ぼんやりと思いながらお祖母様のドレスの話に頷き返した。
第273話
週末の天気が大荒れの様で、ご出勤の方々ご自身を第一に考えてください。
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誤字報告をいただきありがとございます。
ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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