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父、報告が受け入れられない

23/01/16 名前間違いがございましたので修正致しました。


ゆっくりと寒さも和らぎ温かな日差しが降り注ぐ日もあれば、寒さが戻ってくる日もあり


まだまだ油断できない日が続く中、1日の終わりとして届けられた報告書を黙読してゆくと、驚きと共に理解しにくい文面があり1度目を閉じた。


見間違いでは?


そう思える文章から読み取れる行動に心が騒めいたが小さく息を吸い込む事で心を落ち着け再度目を開け文章の続きを読む。


何度見ても、


辺境伯が膝を折って挨拶をした後に御息女を抱きしめた。


この文面は目を細めても、報告書を離しても近づけても変わる事はなく、さらには


辺境の地へ連れて帰ろうとしていた。と書かれており、


理解が追いつかず報告書を机の上に置き頭を抱えた。


子供の時からライリー様と過ごしてきたが未だに性格は掴めずにいる。


突拍子の無い事を当然始めたり、急に真面目になったりと感情の切り替えが場面が分からず振り回されてきたが、学問も武力も優秀と評価されるが、わかりにくい性格から敬遠されがちでも合った。


父曰く、お考えあっての事だろう。気にする程では無い。


楽しそうに笑い、時に剣の相手をしており自分より仲が良いのではと思う時もあった。


何をどうしてエスメを嫁に欲しいと言い出したのだろうか。


エスメが生まれてからいずれ生まれてくる跡取りの嫁にと打診を貰ったと父と母から聞いた時には何1つ心が動かなかった。


貴族の結婚とは家同士の関係性を深める機会で隣の領同士、助け合う時が必要になるので違和感を抱かなかったが、今思うと違う。


エスメの魔力と発動のきっかけを探す事。


魔力を抑える魔道具がいつ壊れるのかを観察することに精一杯で何も考えていなかった。


「嫁?エスメが?」


未だ実感は湧かず、想像もできないが自分の庇護から離れてゆくという漠然とした感情に思考が上手くまとまら無いなか、


「あやつがすまないな」


低い声はいつもの覇気は無く告げられた言葉に


「いえ、多分いつもの会話のきっかけの1つだと思っております」


心情の回復ができずに密談の場に来ており、皆様から顔色の悪さと心情のご心配をいただき、ご自身の弟であるライリー様の行動の謝罪、ぎりぎりと痛む胃と共に返事を返したものの、


皆様の表情が一層深刻になり、


「法もありますしエスメ自身、嫁に行かずディランの子供と孫を可愛かるのを楽しみにいていると豪語しておりましたので、自分達とずっと居てくれる思い込んでおりましたので」


事情を話そうと言葉を綴ると情けない事に言い訳になってしまい、力無く笑い誤魔化すと、一層悲壮な分育が漂い、


「あなたのご家族は皆仲が良いですから、お気持ち少しですが理解できます」


隣から励ましの言葉をくれた宰相様に申し訳なく思いつつ、礼を告げ、


「報告書が届いたその日に注意文を送ったのだが、自分なり挨拶の1つだと反省が無い文面で返事がきたので厳重注意はしたが」


あやつに効くかどうかだな。


ご自身の弟である国王様ですらライリー様の性格は掴みづらいと困り幼少期に一緒に過ごされた周りにいる皆様も同様の思いらしく、


「こちらも法を説明した注意文をお送りしましたが、仲を深める為の行動でありそれ以外の感情は一切無い。と返事が届きました」


眉間の皺を深くし告げられた言葉に、皆様が取ってくださった行動にありがたく思い落ち込んでいた気持ちが少し浮上し、


「ありがとうございます。母がライリー様の行動を注意しているとも報告を受けております」


後は、娘の感情が動かされない事を祈るばかりです。


なんとか微笑み告げた言葉に部屋の雰囲気が硬くなったので慌て、


「本人も結婚はしないと宣言をしておりますし、大丈夫かと思います」


言い訳をするも、


「そうですねぇ。彼女の気を逸らす為に、何か手を打った方がいいかも知れませんね」


正面から聞こえてきた言葉に


「畏まりました。手を打ってみます」


真剣な表情で頷き、今日は解散となった。


「あまり悩まないように」


「あまり気を落とすなよ」


「あの御息女の事だから大丈夫だと思いますよ」


皆が見送りをする中、励ましの言葉をかけてくれ優しさと気遣いに感謝し礼を告げ最後に自分の馬車に乗り屋敷へと帰ると


「お帰りなさいませ」


夜遅いと言うのに妻に出迎えられ、


「ディランがザッカリー様を問い詰めたらしいの」


お話、お聞きになります?


少女の様に微笑む妻の可愛さが飛んでしまう程の驚きに動きを止めて入れば妻に手を引かれ寝室へと連れて行かれた。



第270話


そろそろ梅の蕾が綻ぶ頃でしょうか?楽しみに待っております


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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