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姉、対応できる知識を貰う


先程の出来事が頭から離れず、急に思い出し顔を覆いたくなる程の恥ずかしさと言葉にできない感情に、


あの時はどう対応するのが正解だったのか。


あの時、どう返事を返せば良かったのか。


頭の中でぐるぐると周り、読み理解していくはずの言葉が何1つ進まずにいる。


時折、ミランダもミラも不審に思うようで様子を伺う視線を感じてはいるものの今、言葉にすると支離滅裂になり説明がうまくできないのでもう少し落ち着いてから相談したい。


足らない知識とままならない感情に重い息を吐き出すと、


「エスメ。さっきからため息ばかりで鬱陶しいわよ」


心配しているがその感情を表に出すのは恥ずかしいらしく、それでも心配の色を濃くしたミラの言葉に


「集中できないよね。ごめんねぇ」


力無く笑い返事を返すと、


「私達ではお役に立てるかわかりませんが、話してみるのも解決の1つですわよ」


ミランダの言葉に、眉を下げ


「大した事ではないのだけれど、助言をもらえると嬉しいわ」


ただ、説明が上手くまとまらなくて前後しちゃうと思うけれど


2人の心配と話すきっかけをくれた事に心を決め、言葉の道筋を作り理解して貰いやすいように言葉を繋げ話してゆく。


突然来た隣の領主様との出会い。


初めて受けた貴族の挨拶。


お祖母様の対応と言葉。


自分が至らず、上手く返事を返せなかった事。


返事をどう返すのが正しい対応なのか。


話すを進めるごとに恥ずかしさと叫びたくなる衝動を抑え、どうにか説明を終えれば、


「確かに初めての挨拶は戸惑い、どう返事を返すのが良いのかわかりませんもの」


エスメさんは悪くありませんし、後悔する必要もありませんわ。


慰め励ましてくれるミランダの言葉に心が追いつかないが小さく頷き返すと、


「私の教えが足らなかったのも事実」


気が付かずごめんなさい。


ミランダの謝りの言葉に驚き


「そんな事ないよ。ミランダには沢山知らなかった事を教えて貰ってるもの。感謝しかないわ」


慌て否定の言葉を返すも、


「いいえ。挨拶は相手からの反応が貰えて成立するもの。相手のへの返し方を見落としておりましたわ」


眉間に皺を寄せ力強く告げるミランダに


「厚かましいと思うのだけれど、教えてくれると嬉しいな」


良い機会だとお願いをすれば、


「勿論です」


頷いてくれ、早速実地での勉強となった。


結論から言うと臨機応変対応。


でも基本は優雅に微笑み、相手に失礼にならない様に言葉を告げ相手から手を離されるのを待つ。


ちなみに抱き付いてきたのは論外らしく、お祖母様の保護者としての反応が正しいので気にしなくても良いとのこと。


もし、助けてくれる人が周りにいない場合は踵で足の甲などを踏んで力が緩んだ隙に逃げる。


ミランダの言葉の頭に刻み、次の機会があったら上手く対応できる様に決心する。


「お祖父様とも仲が良いみたいだし、もしかするとディランのお友達のお父様かもしれない」


知識を増やした事で、頭の中で回ってきた事が無くなり叫びたい衝動も薄らぎ、落ち着いて思い出す事ができる様になると、自分に向けられた言葉の1つ1つが思い出され


先程、こぼれ落ちた言葉に、


「だったら、今度ユキガッセンをすると言う辺境伯?」


ミラが首を傾げながらの返事に、


「ええ。お名前しか名乗っておりませんがその方だと思いますわ」


ミランダの頷きと共に返事が帰り、


「そういえば、前に馬車で目が合った人と似てたかも」


冷静に人物像を思い出し告げた言葉に、大変失礼な事をしたのではと思いミランダに助けを求める様に視線を向ければ、


にっこり微笑まれ


「エスメさんが気にする必要はありませんわ。領主ご夫妻にお任せすれば良いのです」


微笑んでいるはずなのにどこか圧を感じ、即頷き返事を返した。


ミラとミランダの話を聞きつつも、


あの子のお父様かぁ。


記憶の中にあるディランと剣の稽古をしていた男の子を思い出し、


ディランが居ないから姿を見ないのは仕方ないのだけど、元気かな?


今もディランと仲良くしてくれてるかな?


次の手紙で聞くことを頭の片隅に刻み、隣国の言葉で会話する2人に混じるべく頭の切り返しを会話に加わった。


その後、雪が積もる間は不意打ちの様にライリー様と玄関ホールで合い、騎士の挨拶にも慣れ冷静に返事とお礼が伝えれる様になるものの、


「さぁ、僕の屋敷に帰ろうか」


抱きしめ、抱き上げられられるとどうすれば良いのか分からず、また好意的な雰囲気の為に教えて貰った護身術をするべきかどうか悩み、周りに助けを求めるとフットマン達が慌て体に触れない様に言葉で注意をしてくれるも、


「伯。いい加減になさいませ」


お祖母様の言葉と登場でようやく解放され最後は優しく頭を撫ぜてくれ見送ってくれるまでが繰り返された。




第269話


まだまだ気温が下げるとの話を聞きました、インフルも流行り出しているとの事、どうぞご自愛ください。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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