姉、悩む
灰色の雲が空を覆い、ひらりはらりと踊りながら降る牡丹雪が降る中、キッチンとランドリーでの朝の勉強を終え、入浴とマッサージに身支度も整え机に座り工房の書類仕事を行なっていると、
聞こえてきたノックの音に返事を返せばハンナさんが対応してくれ入室してきたのはお祖父様付きの従者で、
「旦那様からのお手紙を届けにまいりました」
腰を折り一礼のと共に告げられた言葉に
「ありがとうございます。拝見し返事を書きますのでここで待てください」
従者からハンナさんへ手渡され、ペーパーナイフで封を切られた後手渡された手紙に目を通せば、以前訪ねてユキガッセンの見学への返事で、
見学ができない事と理由が書かれており、ミラとミランダには申し訳無いと思いつつ返事を書き従者へ手渡し、
「お祖父様にお忙しい中、我儘を言い申し訳ございませんでした。と、お伝えください」
手紙には書いたものの謝罪の伝言も頼みと頷きと共に短い返事か返り部屋を出て聞く背中を見送った。
お祖父様の手紙には辺境伯の領からも沢山の騎士が来ると書いてあり、
「何かお手伝いができると良いけれど」
ポツリとこぼした言葉に、
「さようですね。自領の者だけではありませんので、一度奥様へお尋ねになるのがよろしいかと思います」
ハンナさんが助言をくれたので、その流れにのりお祖母様へ手紙を書きハンナさんへ届けてくれる様にお願いをした。
書類を眺め頭の片隅にユキガッセンへの手伝いを考えていると、帰ってきたハンナさんから
「手伝いは不要との奥様からのお返事でございました」
思いがけない返事に驚きいていると、
「ユキガッセンの事よりも紙刺繍工房のことを優先して進めるようにとのお話でございました」
手渡された手紙には紙刺繍工房の責任者への推薦者を迅速決め仕事の引き継ぎをする事と決まり次第、面談の希望が書かれており、
「返事は不要とのお言葉でございました」
通過されたお祖母様の伝言に頷き大きな息を付いた。
ミランダがこの話を受けてくれたらすごく嬉しい。けど、コナーさんの事を考えると断るかも知れない。
高技術者であり、新人の教育者としての立場がご婦人からも助言を求められたりと高評価を得ているとご婦人達から聞いている。
そのコナーさんが認めている唯一の人
ご婦人達も認めてくれると思うのだけど、女性社会はどんな事で歪みが出やすいがミランダならご婦人達を公平に判断し導いてくれると思っている。
理由は言葉にできないけれど、できると思っている。
紙刺繍工房の資料と書類を持って、工房へ見学をしてから、もう1度お願いしようかな。
考え込んでいるうちにミランダのアパートメントへ行く時間となり、箒を片手に玄関へと向かって歩き出した。
第266話
カレンダーを見たら今年は連休が少ない年だと気付きました。目の前の3連休楽しんでいただければと思います。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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