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姉、親友にお願いをする


久しぶりにお祖母様のお気に入りのカフェによりブレットを手土産にと購入しミランダのアパートメントの扉をノックすると、


「エスメさん。ようこそ」


家主であるミランダが出迎えてくれ、


「これ、ブレットなの。お茶の時に一緒に食べよう」


持ってきたお土産を見せれば、


「ありがとうございます」


微笑みと共にお礼を貰い、部屋の中へ入ってゆくと机に向かい難しそうな表情をしてるミラが視界に入り


「ミラ、進みはどう?」


勉強をしているのか、ハンドクリームの事で悩んでいるのか分からないが、声をかけると、


「隣国の文字が難しくて中々進まないの」


本から顔を上げた為にストロベリーブロンドの髪が頬を撫ぜたが気にも止めず、再び本へ視線を戻そうとするので、


「ミラ。エスメさんからブレットをいただいたから、少し休憩をしましょう」


ミランダの言葉に、


「そうね。無理矢理読んでも覚えられないものね」


言葉と共に本に栞を挟み閉じ、ミランダの手伝いをするべく椅子から立ち上がりキッチンへ向かったミランダを追いかけて行った。


机に置かれている本に視線を向ければ、ミランダとコナーさんが居た国の本の様で、厚手の表紙を捲り文字を読んでゆく。


1人の旅人の日記の様で、目覚めら時からその日、誰と出会い何を食べ、風習や文化の事が細かく書かれており、集中しかけた頃、


「エスメ。机の上を片付けて頂戴。じゃないの紅茶が置けないでしょ」


「ごめん。すぐに片付けるわ」


ミラの言葉に慌て本を閉じ片付けを行うと、


「ミラ。貴方が最初に片付けなかったのがいけないわ」


ティーセットをお盆にのせ持ってきたミランダの言葉に


「ごめんなさい」


ミランダの誤りが入り、


「良いのよ。閉じていた本を開いたのは私だもの。私も悪かったわ」


ミラの頭を撫ぜ、椅子に座るように促し


「今日のブレットはお祖母様がお好きなカフェの物なの。美味しいわよ」


落ち込んでしまったミラに少しでも元気になってもらおうと声をかけると、


「ありがとう。いただくわ」


小さく笑ってくれ、ミランダの淹れた紅茶と一緒にブレットを食べてくれる姿に心の中で安堵の息を落とし、


「ミランダ。今日は私も隣国の言葉を勉強しようと思うの」


会話の1つとして話を作ると


「エスメさんでしたらもう1つ貿易をしている国の言葉を学ぶのが良いかと思いますわ」


「紙工房で使っている紙を仕入れている国ね」


「ええ。エスメさんとも繋がりも深くなる国かと思いますので学ぶべきかと思いますわ」


紅茶とブレットを食べながらのこの後の勉強の予定か決まった所でティーセットを片付け、勉強の時間へと入ってゆく。


まずはミランダにお手本を書いてもらい、それを真似をして書いてゆく。


ミラは苦戦をしている様で、眉間に皺を寄せミランダの助言を貰いながら時間をかけゆっくりと進めてゆく。


時折、嬉しそうな声が聞こえるので、分かった時の喜びを味わっているのだと思うと羨ましく思い、


ミラに負けないように頑張らないとね。


心の中で意気込み集中して文字を書いて行けばあっという間に晩餐の時間が来て、ミランダとミラとキッチンへ行き、


「今日は青豆のスープを作ろうと思うの」


材料を出してゆくミランダのミラと共に見守り時折、助言をすると時間はかかったものの青豆のスープは出来上がり、コナーさんの帰宅後、晩餐となった。


黒パンに青豆のスープ


会話を楽し勉強報告をし晩餐の時間を終え、食後の紅茶をいただいている時、


「ミランダ。実はお願いがあって、話を聞いて欲しいんだけど」


ゆっくりとした雰囲気の中で告げた声にコナーさんの雰囲気が強張るがミランダは微笑み


「私ができる事なら」


そう返事をくれたので


「紙工房を独立を考えていて、その責任者をミランダのお願いしたいの」


恐る恐るミランダに告げれば、微笑んだままの表情で


「まぁ。エスメさんが学園に行っている間だけではなく独立をさせるのですか?」


どこか硬い声に頷き、


「私は屋敷を出て1人で暮らす為の勉強をしてるのだけど、1人では無理だと思うの」


だから手伝って欲しいの。


ミランダと視線を合わせ自分の考えを伝えると、少し困ったように眉を下げ


「ありがたいお話ではあるのだけど、少し考えさせてください」


くれた返事に頷き返し、


「ゆっくりで大丈夫だから」


急かす事はせず、雰囲気が変わってしまい居心地が悪く感じるも、


「話は変わるのだけど、ルイがこの前言っていたユキガッセンに出ると言っていたわ」


ミラの話題変更にありがたく思い、耳を傾けると


「なんでもメンバーを決めるのにユキガッセンをして残った先鋭が出ると言っていたわ」


「まぁ。ではルイの最後まで残ったということなのね」


コナーさんが返事を返してくれ、


「3人に雪玉をぶつけたとらしいわ」


呆れる様にでも嬉しそうに話すミラに雰囲気も変わり、


「さすがルイね」


安堵の息を心の中で落とし会話に混ざると


「怪我がなくて良かったわ」


ミランダも同じ様に会話に混ざりルイの話で盛り上がり帰宅の時間を迎えた。




第265話


お休みも終わり今日から仕事という方もお見えですかね?疲れ様です。ご無理なさいません様にご自愛下さい。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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