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姉、小さな友人と再会する


久しぶりに雪が止み、晴天の中箒に跨り空を飛ぶと、国境の境である山々の雪景色をした風景が綺麗に見え、

小さな声で歓声をあげ思わず見惚れる。


前の人生で見ていた国の代表する山の形も違い、新鮮な気持ちで眺めているとどこともなく視線を感じたので視線を動かせば、


雪の積もる枝と枝の間に人がおり、


「こんにちわ」


挨拶をするが、返事は無く


「雪が止んで良かったですね」


初対面の人が返事を返しやすい天気の話題を話すも、消えなかった様で目礼をされ何処かへ移動して行った。


予想外の俊敏な動きに驚き慌て視線で探すも人影は見えず、


「驚かせちゃったかな」


申し訳ない事をしてしまい、心の中で先ほどの人物に謝罪し噴水の広場へ行く為に移動した。


人の目が無い所で箒から降り、噴水広場で買い物をし皆に挨拶をしたりと忙しなくしながらミランダのアパートメントへお邪魔すると、


「エスメ、久しぶりね」


ミラの笑顔と共にくれた挨拶に嬉しくなり


「久しぶりねミラ」


思わず抱き着き挨拶をすると嬉しそうにでも恥ずかしそうに、背中に腕を回してくれ


「相変わらずね」


小さく笑いながらの返事に思わず抱きしめている腕に力を込めれば、


「はいはい。私もエスメに会えて嬉しいわ」


呆れの色が濃くなった言葉に抱きついていた腕を外し、ミランダが用意してくれた席に座り、3人でテーブルを囲んだ。


「コナーさんはお仕事?」


昨日まで一緒にいたコナーさんが居ない事に首を傾げつつ尋ねると、


「ええ。雪が止んだので職場に行ってみる。と、出かけて行ったわ」


ミランダの言葉に、


「外に出れるのは数日ぶりだもんね」


ミラの言葉にミランダと共に頷き、紅茶を楽しんだ後はいつもの様に勉強を始める。


ミランダが物語の様に語るこの国の歴史をミラと共に聞き、時に教科書を開き人物像を確認しながら覚えてゆく。


長い歴史の中、さまざまな出来事に驚き心痛め時に喜び聴き終えた歴史に


「壮大な話だった」


感想を零すと、


「そうね。歴史が長いので色々な事が起こっているものね」


微笑み紅茶で喉を潤しているミランダの言葉に


「ミラお姉ちゃんは物知りね」


感心したように呟いたミラの言葉にミランダは少し苦笑し


「皆が学ぶ事を、少しだけ多く知っているだけの事よ」


言葉の後に紅茶を飲み終え、


「さて、夕食の準備をしないといけないわね」


席を立ったミランダに同じく席を立てば


「エスメさん、今日はパングラタンとスープを作るわ」


自分が作るのだと、メニューを告げるミランダに頷き


「楽しみにしてる」


返事を返せば


「ミラお姉ちゃんが作るの?」


驚き目を大きく開けたミラの言葉に、


「ええ。食べてくれるかしら?」


ミランダは嬉しそうに笑いミラに問いかければ


「勿論。楽しみ」


飛び上がらんばかりに嬉しそうにはしゃぎ


「私もお手伝いするわね」


足早にキッチンへ行く姿にミランダと目を合わせ微笑み合いキッチンへと向かった。


慣れない動きではあるものの、その分パンにホワイトソースが染み込み食べた時に中まで染み込んだソースと塩見のあるチーズが絡みとても美味しく、


「美味しい」


一口食べれは無意識に溢れる感想にミランダは嬉しそうに微笑み、


「日々お上手になられますね」


仕事から帰ってきたコナーさんは感動の言葉を告げ、ミラは黙々と熱さに注意をしながら食べており、皆が食べ終え、食後の紅茶を楽しんでいると


「ミラお姉ちゃんも、これでいつでもルイの所にお嫁に行けるね」


突然のミラの言葉にミランダとコナーさんが驚きの表情をしており、心の中で苦笑しながら眺めていると


「違うの?」


純粋に問い、首を傾げるミラに


「これは、生活の為でそういう意味では無いのよ」


気持ちを立て直したミランダの言葉と頷くコナーさんに


「ふーん。そうなんだ」


納得がいっていない様に受け流すミラに思わず笑いそうになり、淑女教育で習った事を思い出し微笑みだけに止めるも、ミランダの何か言いたげの視線に


「ルイにも食べさせてあげてね」


どちらの味方もしない言葉を選び告げると


「ええ。機会があれば是非」


微笑みと共に帰ってきた言葉に頷き、帰る時間となった。


夕陽色の空の下、ミラと手を繋ぎ


「ミラ、ルイには内緒にして驚いて貰おう」


今日の事を告げると


「そうね。その方が喜びも大きいわね」


ミラも自分の考えに賛同してくれたので2人して秘密にする事を決め、ルイの驚く顔と嬉しそうに食べる姿を微笑ましく見るミランダを想像し、


早く見れればいいな。


ミラの家に入る姿を見送り箒に跨り屋敷へと帰った。



第262話


年末へと差し掛かりました。新年の準備を忙しなく進めております。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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