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姉、友人の案に乗る


明日と約束をした今日


クックに頼み鴨肉を分けて貰い、よろしければこちらをと分けてくれたティーフードである焼き立てのスコーンとジャムにじゃが芋を2個と野菜をピクニック籠へ入れ、


見送りの為に玄関ホールで待ってくれたテアさんに


「親友のアパートメントへ行ってきます」


きちんと出かける先を伝えると、箒を手渡され


「雪が吹雪く前にお戻りくださいね」


心配の言葉に頷き外に出ると粉雪が降る中、箒に跨り空へ飛んだ。


昨日同様に風魔法と火魔法で自分の体を保護しつつ雪に視界を奪われながらも人目の少ない場所で降り、そこからは徒歩でゆく。


大通りや人々が歩く場所は皆で雪かきをしている為、邪魔にならないように気を付けつつ時に


「こんにちわ」


挨拶を貰い返事を返しミランダのアパートメントへ到着しノックを3回。


扉を開け出迎えてくれたコナーさんにお礼を言い入室すると、籠を預かってくれたので


「ようこそ我が家へ」


ミランダが笑顔で迎え入れてくれ、席にを進められ紅茶を入れてくれる。


キッチンからまだ暖かいスコーンとジャムをコナーさんが持ってきてくれ、3人席につき何気ない会話が始まり、


「今日はクックから鴨肉を貰ったのでソテーにしようと思うの」


今日の晩餐の話を何気なく始め


「じゃが芋はガレットにする予定だけどポタージュの方がいいかな?」


メニューの話を進めてゆく中、


「エスメさん。本日は私が晩餐を作ろうと思いますの。ご教授いただけますか?」


ミランダの言葉に驚きつつも頷けば、


「この雪の期間はミラもこちらには来れないでしょ。ですので会った時に私のが料理をできるのだと驚かせたいの」


少し悪戯めいた微笑みと言葉に、自分の中の悪戯心が疼き


「勿論よ!」


大きく頷き返事を返した。


3人集まれば雪で外に出られなくても話の話題は尽きず、時にハンドクリームの進行状況の話に盛り上がり


「以前、ディランからクリームの中に蜂蜜加えましたと言われた事があるわ」


何気なく思い出した事を口にするとミランダが考え込んでしまい、コナーさんと様子を伺いつつ待っていると、


「確か山の中に養蜂場がありましたわね」


「ええ。今は雪で行けませんが、春になれば行けるかと」


ミランダのこぼした言葉にコナーさんが返事を返すのを首を傾げつつ見守ると、


「資料が欲しいわね」


難しそうな表情をし零すミランダに


「屋敷の本で探してみるよ」


提案をすると


「ええ。お願いします」


キリの良い所で会話を終わらせ、そろそろとコナーさんに促され、3人でキッチンへ向かい、


「下処理はしてあるとクックが入っていたから、皮に切れ目を入れ塩を振って、フライパンを温めてから皮から焼いてね」


真剣な表情で恐る恐るナイフを握るミランダにゆっくりとした口調で教えてゆく。


よく前の人生でクリスマスやお正月に出していたのを思い出すわ。


頭の片隅に思い出しながらも、恐々とフライパンに鴨肉を置いたミランダは油が跳ねた事で驚いた様で体を揺らしたものの、


すく様冷静さを取り戻し


「このままでよろしいの?」


指示を出さない事に不安に思ったようで、


「うん。皮にこんがりと焼き目を付けたいからこのまま動かさず」


油が多いので跳ねに気を付けながら、ひっくり返せば


「これが焼き色ですの?」


初めて見たと言わんばかりの言葉に頷き


「そう。この焼き色があると美味しそうに見えるし皮がパリパリして美味しいの」


そこからは難しい工程もなく、皮面ほど時間をかけず焼いた鴨肉を取り出し、焼いたままのフライパンに赤ワインと砂糖を少し入れ煮詰め味を整え、


じゃが芋は茹でサイコロ型に切り鴨肉のソテーと同じ皿に盛り付けた。


本当はマシュポテトが良かったけれど何気に時間がかかってしまったので、そこは臨機応変にという事で話をつけ、


「いただきます」


3人でナイフとフォークを持ち、一口食べれば


鴨肉の旨味と油の甘さ。


赤ワインのソースを絡めるとより引き立ち


「美味しい」


感想を言葉にするとミランダは嬉しそうに微笑んでくれ、自分も鴨肉を口に運び満足そうに微笑む姿に微笑ましく思い、


「ごちそうさまでした。ミランダ、作ってくれてありがとう。美味しかったです」


ソースも茹でたじゃが芋に絡ませ全て食べ終えお礼を告げると、


「どういたしまして」


気恥ずかしそうに、それでも嬉しそうに笑うミランダに微笑み、


「これならミラに出しても喜んで貰えると思うわ」


1人頷いていれば、


「ええ。でも、私1品しか作れないなんて思われたくないわ。エスメさん教えてくれるかしら?」


満足そうに頷きながらも、告げられた言葉に


「勿論、協力するわ。ミラをあっと驚かせてあげましょう」


大きく頷く姿をコナーさんはどこか嬉しそうに見守ってくれた。



第260話


クリスメスですね。皆サンタは来ましたか?それとも変身しましたか?


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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