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姉、弟に諭される。



「ディラン!」


数日前からの体の重さや気持ちの落ち込みも今日は無く、村に行く前と同じく体が軽く心が跳ねる。


朝から気持ち良く起き、美味しく朝食も食べ、早る気持ちを抑えきれずディランの部屋へ向いフレディが扉を開け切る前に入り声をかければ、机に向かいながら額に手を当てているディランが目に入った。


「ディランどうしたの?頭痛いの?」


額に手を当てた姿に心配になり小走りで近寄れば、


「元気になられたようで何よりです」


うめく様な低く濁った声と言葉に


「ありがとう?」


戸惑いながらもお礼を告げれば、額からて離すも眉間には深い皺が作られており


「ディラン、眉間に皺できてるよ?」


手を伸ばし指先に眉間に触れた後、額に手を着け熱を測るも普段の暖かさと変わらず、


「目を閉じて」


右手を目の上に軽く乗せ左手は額につけたまま、掌に弱めの氷魔法を発動させ暫くしたのち今度は弱めの火魔法を発動させ、冷やした所をゆっくりと温めていく。


熱ではない頭痛は眼精疲労からくるものもある。


私の魔法道具開発の手伝いだけではなく、公爵家に人間として学ばなければいけない事が沢山ある。

勉強だけでは無く、武術にダンスにマナー。


マナーだって優雅に品良く魅せる動きや相手を不愉快にさせない返答や気遣いなど、細かな事を学ばなければ無いらないと聞いている。


とても大変で学んでも大人になっても終わらない日々勉強だとお父様が仰っていた。


忙しい中、私の我儘にため息も付くけど、冷たい言葉を言うけど嫌な顔をせず最後まで付き合ってくれる。


少しでも頭痛が軽くなれば良いな。


そんな願いを込め魔法を止め手を離せば、


「ありがとうございます」


苦笑と共に礼の言葉を貰い、


「大丈夫?少しでも楽になったなら嬉しいけど効いてる?」


もし、まだ辛いのならと思い伺うを立てると


「楽になりました」


目が先程より大きくなった様に見える、熱を持ち張っていた筋肉疲労が和らいだの見て取れ


「良かった。辛かったり痛かったらいつでもするから気にせず言ってね」


椅子に座っているディランに1歩近づき見下ろしながら告げれば、


「お気遣いありがとうございます」


微笑みながら告げるも次の瞬間


「ですが、いきなり魔法を発動させるのはいただけません。視界が塞がっている状態でしたので一言いただければ嬉しいです」


にっこりと笑うも目は吊り上がっており、慌て半歩下がるもディランの言葉が早く告げられ


「そうね。ディランの言うとおりだわ。これから気を付けるね」


いい事をした筈なのにいきなり注意を受け心が追いつかず、言葉だけで返事をすれば


「よろしくお願いします。それと、入室時の声かけですがマナーがなっておりません。これは淑女というのではなく人付き合いのマナーです」


笑っていた表情から真剣な表情へと変わり告げられた言葉に思わず


「早くディランに会いたかったから」


口籠もりながら言い訳をすれば、


「姉様の気持ちはとても嬉しいです。ですが会う為の心構えをする時間を下さい。家族ですが散らかった机や、ダンスの予習復習をする為テーブルやソファーを移動させ向かい入れができない部屋の時もありますのでフレディの案内があるまで待っていただけると嬉しいです」


感情の波も無く告げられた言葉に視線が下を向き申し訳なく思い


「ごめんなさい」


素直に謝罪をすれば、


「解っていただければ良いのです」


少し優しくなった表情と雰囲気に頷けば、


「何か嬉しい事があったのですよね?それを僕に伝える為に足を運んでくださったのでは無いのですか?」


仕方ないとばかりに微笑み告げられて言葉に、顔を上げ頷き


「そうなの。聞いて欲しい話があるの」


ディランの顔を見つけ告げるも、


「僕も姉様に話したい事がありますので、僕からでも良いですか?」


どこか真剣な目をし告げられた言葉に一言返事を返し促すと


「近日中に姉様と僕だけで領地に帰る事になりました」


想像もしていなかったディランの言葉に驚き固まっていれば、


「王都では姉様の魔法の動きに限界かあります。領地に行けば人目も少ないのでもう少し幅を広げる事ができるのでは、と、お父様から伝えられました」


僕も領地へ帰ることに賛成しております。


お父様の提案にディランが賛成しているので反対する気持ちは無い。けど


「せっかくできたお友達と離れ離れになるんだよ?ディランはそれでいいの?」


数ヶ月前にお茶会へ来た数人の事を言えば、


「大丈夫です。手紙でやり取りを行いますので安心して下さい」


言われる事が解っていたのか、考える素振りなく言われた事に焦り


「ダメだよ!屋敷に来てくれたお友達だよ?私1人で行くからディランは残って」


折角できた縁を薄くしてしまう行動を止める為に案を告げるも、


「逆に姉様1人にする方が心配ですので僕のことは気にしないで下さい」


「でも、お友達と離れるのはやっぱり」


何とか止めたくて言葉を作るも上手くいかず口籠もってしまうと、


「目を離したら、箒から落ちるかも知れませんし、完成近くの生活魔法道具が上手く作動しないからと力が加減を忘れ壊されても困ります」


なので、僕は姉様と行きます。


にっこりと笑いながら圧をかけら渋々頷けば、


「数年したら学園でお会いできますのでお気にせず」


最後の一押しをされ解ったと意味を込め頷きば、


「馬車での長旅になりますので忘れ物など無いように準備をお願いしますね」


自分を通り越し壁に控えているマルチダへ向けられた言葉に腰を折り返事を返した。



第26話


思い立ったら行動の姉とストッパー弟はとても書きやすいです。

秋らしくなってきましたね、食欲の秋ですのでさつま芋が美味しくて止まりません。


ブックマークや評価に星を押してくださりありがとうございます。

とても嬉しいです。

誤字脱字報告ありがとうございます。

至らぬ所を教えてくただき大変ありがたく思います。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤のディランの心境と日々を書いております。

よろしけれお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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