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姉、友人に物を届ける


昨日は1日降り続いた雪は止み、雪雲が途切れ太陽が顔出しているものの積もった雪は量を増しており、

井戸に辿り着けず水魔法で水を貯めキッチンの勉強を過ごし、


昨日に引き続き作ったポタージュと焼きたてパンを食べ、ランドリーに向かう。


普段の倍以上ある洗濯物に干す場所が無くなり、洗ったばかりのシャツを以前作成したアイロンをかけて乾かしてゆく。


あったら良いなの気持ちだったけれど役に立てて良かったわ。


他の生活魔法道具より売れている数は少ないけれど、役に立つ場所がなければ不必要な物だもの。


1枚1枚丁寧に、シワが無い様にアイロンをかけ続けると、終わりが見えてきたらしく


「エスメ様。もう大丈夫です」


ランドリーメイドの言葉に頷き、


「わかりました。後はよろしくお願いします」


熱くなったアイロンを置き、他のランドリーメイドに声をかけてから自室に戻れば、お風呂とマッサージが施され、


「この雪では外に出るのは難しいですね」


雪かきのされていない庭に視線を向け言葉を溢せば、


「街の街道を中心に雪かきを進めておりますが、お出かけは控えられた方が宜しいかと」


ハンナさんの言葉に頷き、


「本日も紙刺繍工房はお休みをしており、生活魔法工房は男性従業員が総出で雪かきをしていると聞いております」


書類を届けてくれたいるさんの言葉に、頷きつつ


2日も部屋を無人にしているのも気になりつつ、数枚の書類に身を通し仕事が終わり椅子から立ち上がりソファにてハンナさんの入れてくれた紅茶で一息つく。


今日は何をしようかな。


昨日、やりたいと考えた事は大方でき、残っているのは夏向けの刺繍案と読書のみ。


部屋に残したファションプレートを眺めつつ、花言葉が書かれた本を片手に花の候補を上げてゆく中、


ミランダとコナーさんは大丈夫かしら?


この雪で困っていないと良いのだけれども。


ふっと思い浮かんだ言葉に、視線を本から窓の外に向ければ太陽の日差しが出ており、


雪の降っていない時に1度様子を見に行っても良いかも。


そうと決まれば、手土産は何がいいか考え


「ハンナさん。少しキッチンへ行ってきます」


一言声をかけ、自室から足早にキッチンへと向かい晩御飯の足しになる様なおかず作ってゆく。


コナーさんも料理を作ることに慣れてきたけれど、時間がかかるのは慣れるまでは仕方ない事で、


ポタージュに残っていた野菜とお肉を使ったグラタンを作り、ピクニック用のカゴにグラタンを入れ、ポタージュの入った鍋を持ち、自室に戻り、


テーブルの上にカゴと鍋を置き防寒具を身につけ、本棚に立て掛けていた箒を手に持ち、部屋で待機してくれたハンナさんに


「ミランダとコナーさんの様子を見てきます」


行き先を告げつつ、窓を開け、再びカゴを腕に通し鍋を片手で抱き込むように持ち箒に跨り飛び出した。


身を切るような寒さから鍋とカゴが冷えないように風魔法と火魔法を調整しつつ、高度をスピードを上げればすぐさまミランダのアパートか見えたので、人目の少ない場所で降り除雪された道を早足で歩き、途中であった領民の人から挨拶を貰い、


ミランダのアパートの扉の前に着いたものの、両手が塞がっておりノックが出来ない事に気づき、


「ミランダ、コナーさん居ますか?」


少し大きな声で呼びかけると、扉が開いたので


「こんにちわ」


挨拶を言葉にすれば、出迎えてくれたコナーさんの踊りた顔か見え


「晩餐を届けにきました」


笑いながら伝えれば、


「どうぞ、お入りになって」


ミランダの言葉に甘え、部屋へとお邪魔をする。


暖炉に火か入っており、少し暖かな部屋にホッと息を落とし、


「急にごめんね。この雪だしどうしているのか気になって」


眉を下げながらの言葉に、


「お気遣いおりがとう。コナーも仕事が休みなので2人でゆっくり刺繍をしていたところよ」


ミランダの返事が返り、視界の端にあるテーブルには裁縫道具が広げられていた。


「あ、これ差し入れです。晩餐の足しにして」


持っていた鍋とバスケット見せれば、


「まぁ、ありがとうございます」


コナーさんの嬉しそうな声の言葉に、


「カゴはグラタンでお鍋はじゃが芋のポタージュなの」


中身の説明をし手を差し出してくれたコナーさんに鍋を渡し、キッチンへ運びつつ、


「グラタンは後は釜で焼くだけにしてるので、食べる前に焼いてください」


一緒キッチンへ入ってきたコナーさんに託け、ミランダの元に戻り


「何か困った言葉ない?」


気になっていたことを尋ねるも、


「この雪でしょう?お互いにゆっくりして過ごしているわ」


困った事は無いとと告げるミランダに頷きつつ、


「薪は大丈夫?足りてる?」


「ええ。大丈夫よ」


「水は出てる?凍ってない?」


「ええ。隣の方に蛇口を閉めないようにと助言をいただいたから大丈夫よ」


「食料は足りてる?」


「勿論よ」


「体調は?」


「コナーも私も問題は無いわ」


後は、次々に出てくる心配事を尋ねると大丈夫だと返事が返る中、


「それよりも、エスメさんの鼻と頬が赤いのが気になりますわ」


気づかない内に寒さで鼻と頬が赤くなっていた様で、


「心使いありがとう。私は大丈夫よ」


安心できるように微笑み返事をしつつ長居するのもを思い帰る旨を伝えようとするも、


「こちらをどうぞ」


コナーさんの言葉に視線を向ければ、紅茶が入ったカップが差し出されており


「少しブランデーを入れました。体が温まりますよ」


紅茶の香りと少し嗅ぎ慣れない香りに、頷き、カップを受け取り立ったまま紅茶に口をつけた。


マナーとしては違反だろうけれど、座り飲んでしまうとお喋りが止まらなくなり、気がつくと吹雪いてたなんてことになりかねない。


ミランダもコナーさんも配慮してくれての紅茶だと思い、失礼にならない程度の速さで紅茶を飲み、


「ありがとうございます。体も温まったしそろそろお暇するわ」


アルコールと紅茶の暖かさで体も温まり、持っていたカップをコナーさんに手渡し、


「明日もこんな感じでお邪魔するわ。何か困った事があったら遠慮なく行ってね」


「お気遣いありがとう」


ミランダと簡単な約束を交わしていると、コナーさんから洗われた鍋が返され、


「お礼は必ずいたします」


真剣な表情のコナーさんに


「私が勝手にやって押し付けているだけだもの気にしないで」


気になるなら、勉強を教えてくれているお礼として受け取って。


笑い伝えるとミランダも真剣な表情になったので、


「そんな深刻な顔しないで。友達を心配してのことだもの」


内心狼狽えながらも、伝えると


「今はありがたく頂戴しますわ」


ミランダは微笑み返してくれたので


「うん。また明日ね」


頷きと約束を告げ、ミランダのアパートメントを出て、人目の無い所まで歩くと箒に跨り自室の窓を目指し帰った。


開けっ放しの窓を潜り自室に戻ると、


「おかえりなさいませ」


ハンナさんとテアさんボアさんに出迎えられ、


「ただいま帰りました」


挨拶を返すと左右に陣取り、


「お体が冷えておりますわ。お風呂に参りましょう」


「髪も乱れておりますから、ヘヤケアが必要ですね」


身動きが取れない中、ボアさんに箒を奪われ、


「ごゆっくり」


一礼をし見送られ、戸惑う中、お風呂に入れられ体が温まると隅々まで見がられその日は何も出来ず終わってしまった。


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