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姉、少し疑問に思う


いつもの時間に目を覚ますと、冷えた空気が部屋を包み込んでおり、慌て火魔法と風魔法を発動し部屋を温める。


エアコンが恋しい。


部屋を温めながら着替えをし髪を整え室内帽をかぶり身なりの確認をした後、部屋を出てキッチンへ向かう。


毎日慣れた作業で手早く窯に火を入れ、外の井戸で水を汲み水甕の溜め終わるとじゃが芋の皮を剥いてゆく。


今日はハッシュドポテトを作ろう。


無心でじゃが芋の皮を向いていいると前の人生で朝に食べていた事を思い出し、じゃがバタから急遽メニューの変更をする。


懐かしさで微笑んでいると、キッチンに人が集まり一気に慌ただしくなり、遅れを取り料理が冷めないよう必死でハッシュドポテトを作り揚げ焼きをし、お皿に盛り付けた。


屋敷で働く人達の朝食として食べて貰える様に、数を多く作り、揚げ焼きをしつつ使用済みの鍋や皿を洗ってゆく。


途中、興味深く見てきたクックにハッシュドポテトをお願いし、鍋についた炭汚れを落とし、


「終わりました」


皿洗いが終わった事を報告すると、


「ありがとうございます。こちらも揚げ終わりました」


言葉と同時にクックから手渡されたお皿には揚げたてのハッシュドポテトが乗っており、


「ありがとうございます。いただきます」


お礼を伝え、使用人達の休憩室へ入り用意された朝食を受け取り食べる。


懐かしい味に頬を緩ませ食べていると、皆の話し声が聞こえてきた。


そんな中、


今日は辺境伯がくるの出迎えの準備の確認を。


玄関口の雪かきを念入りに。


ティーフードの準備に茶葉はどれにするか。


様々な会話の中に聞き慣れない言葉が耳に入り首を傾げるも、ランドリーに行く時間が迫っており残りのスープを飲み、足早にランドリーに向かった。


「おはようございます」


毎日の挨拶に、ランドリーメイドのみんなが一斉に挨拶を返してくれ、持ち場につき洗濯をしてゆく。


自分の洋服にテーブルクロス。


様々な物を洗い、水気を絞り、室内に干してゆく。


火魔法石と風魔法石が発動している部屋に干し終え、


「では、失礼します」


日に日に終わるのが早くなり、自室に戻るとお風呂に入りマッサージを受け、工房の報告書を読んでゆく。


「雪で物資が遅れていると聞きましたが、工房の動きは順調なのですね」


「はい。親方や工房の者の経験で秋口に多めに購入したとの事で、冬の間に数を作り溜めができますので春頃には王都や商人達には多くの数が出せるかと」


イルさんの返事に頷き、


「紙工房は少し急かしたいところではありませが、このままで進めていきます」


本音を言えば働き手が欲しいけれど、まだ他領からの受け入れは避けたい。


「雪を理由に流通を少し抑えれるかと」


しんしんと降り積もる雪は領外に出ると積もるままになるので旅人や商人の行き来がほぼ無くなる。

そこを理由にすれば良いとの提案に


「そうですね。そうしましょう」


頷き、工房に送る指示書に記入してゆく。


書類仕事も終わりそろそろと椅子から立ち上がり、コートを羽織り


「このままミランダのアパートメントへ行きます」


本棚に立てかけていた箒を手に持ち、部屋にいるハンナさんとルイさんに声をかけると、見送りの為に玄関ホールまで一緒に来てくれ、


「暗くなる前に帰ります」


玄関から出て雪かきが済んでいる道を歩いてゆく。


風は無いものの乾燥し冷えた空気に体を震わし、小走りに歩いていると遠くから馬の蹄の音と馬車の車輪の音が聞こえ、脇に避けようと左右を見るも、馬車が通れる程の道しか雪かきがされていないので、


足を高く上げ何度か雪を踏み締め一人分避難できる場所を作り馬車が通り過ぎるのを待つ。


2頭の艶やかな馬の見惚れていると、脇にいる自分に気を遣ってくれたようでスピードを落としゆっくりと進んむ馬車に、有り難く思い御者さんに頭を軽く下げると、下げ返してくれ


簡素ながらも品のある作りの馬車を眺めていると中の人影が見え、


悠然とした微笑みの男性と目が合い、どうするべきかと悩んでいる内に馬車は通り過ぎてしまい、


対応ができなかったなぁ。


どうすれば良かったのか思い浮かばす、晩飯の材料を買いミランダのアパートメントへお邪魔し、


「こういう場合はどうすればいいのか分かる?」


用意された紅茶の湯気の向こうにいいるミランダに質問をすると、


「そうですわね。知らないお方なら何もしないのが正しいかと思いますわ」


何か反応をし不協を買っても大変ですし。


ミランダの案に頷きつつ


「もしかして、みんなが今日来ると言ってた辺境伯だったのかな?」


朝食の場で聞いた会話を思い出し、告げると


「辺境伯ってなあに」


ミラの言葉にミランダの説明が入り、改めて自分の認識が間違っていないかを頭の中で確かめつつ


「そんなすごいお方がどうしてうちの領にくるの?」


不思議そうに首を傾げるミラに


「昨日、ルイが言っていたユキガッセンの打ち合わせだど思うわ」


返事を返すと納得でいたようで、


「ルイ選ばれるのかな?見に行けるかな?」


好奇心に目を輝かせるミラに


「帰ったらお祖父様に聞いてみるね」


そう返事をし、そろそろ始めましょうというミランダの言葉に紅茶を片付け、教科書や本を開いた。




第257話


身を切る様な寒さになっておりますが皆様体調はいたがですか?ご自愛ください。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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