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姉、友とお茶会を楽しむ


久しぶりに全員集まり1つのテーブル座る。


いつもはミランダのアパートメントだけれど今日は屋敷のサンルーム。


暖炉に火が入り部屋は暖かいが、火魔法と風魔法を発動させ暖炉の熱に火魔法で暖かさを増やし、風魔法で部屋中に循環させた。


これで壁際に控えているハンナさん、テアさん、ボアさんも冷える事は無いはず。


スコーンにお肉を挟んだサンドイッチ。


屋敷で行うお茶会よりティーフードは少ないが、毎日の休憩時に食べている品数に寄せている様で、紅茶を一口飲み、スコーンを割りクロテッドクリームと木苺のジャムを乗せ、一口食べ、紅茶を飲む。


皆が落ち着いた雰囲気になったのを感じ


「ルイ今日は来てくれてありがとう。最近はどんなことをしているの?」


鍛錬中だったはずのルイにお礼を質問をすると


「この雪だからな、街の雪掻きと街道で困っている人がいないかの確認をしてる」


雪掻きも全身を使うので良い運動になるらしく、よくよく見ればルイの体が引き締まっている気がしつつ


「春まで剣の鍛錬はお休みなのね」


「この雪じゃあ無理だな。でも、去年やったユキガッセンを今年もやるみたいで準備してるぞ」


あれ、エスメが考えたんだろう?


突然の言葉に思いだし


「うん。お祖父様に何か無いかと尋ねられてね」


前の人生の事が言えず、曖昧に笑い伝えると


「今度、隣の辺境伯の騎士達をユキガッセンで対戦するらしくて、皆、練習の球作りに余念がなくてさ」


知らない間に広まりを見せている事に驚きつつ


「ルイはそのユキガッセンに出るの?」


興味深そうに話を聞いていたミラの言葉に、


「どうだろう?選抜戦をするって聞いてるから勝ち続けたら出れるかもな」


ミラの顔を見て話すルイに懐かしさを覚えてミランダを見れば、同じような視線をルイとミラに送っており、


「ミランダ、冬は初めてだけど大丈夫?」


ふっと思いついた事を尋ねると、


「ご心配ありがとう。大丈夫です」


微笑みと共に帰ってきた言葉に頷きつつも


「そう?何か困った事があったらすぐに教えてね」


念を押すように伝えると


「ありがとうございます」


理解してくれたけれど、なんだか流されたような気がするしつつ、


「ルイ、聞いて。ミラの勉強がすごく進んでるのよ」


会えなかった時間の出来事の報告はまずミラの勉強の進み具合からで


「読み書きに計算はもう間違う事は無いし、隣国の文字の読み書きもできるのよ」


嬉々として伝えると


「凄いな。俺もまだそこまで進んでいないのに」


ルイは感心したように頷き、ミラの頭に手を伸ばし撫ぜると嬉しそうに笑い


「ミラお姉ちゃんが根気よく教えてくれるもの。すぐに覚えられるわ」


3人でミランダに視線を向ければ、


「ミラの覚えようとする気持ちが強いからよ」


微笑みと共に返ってきた言葉に、


「ミランダの教え方の良いんだろ」


ルイがすかさず返した。


数ヶ月しかルイと会えていないのに、懐かしい気持ちに浸り会話の聞き時に返事を返したり揶揄ったりしつつ話し込めば


あっと言う間に空が薄暗くなり、


「そろそろお暇しないと」


ミランダの言葉に、


「そうね。これ以上引き止めるのはダメね」


一瞬、お祖父様の晩餐の準備をしていると思い出したが、コナーさんが帰ってくる時間でミランダの帰りを心配して待っているはず。


馬車をお願いしようと席から立ち上がりかけるも、


「エスメ様。先程ボニーに馬車の準備をするように申し付けましたので、今暫くお待ちください」


席の近くまで来て伝えてくれたハンナさんの言葉に、


「ありがとうございます」


お礼を伝え、


「もし、スコーンやサンドイッチが残っているようでしたら手土産に包む事はできますか?」


小さな声で伝えると、


「可能です。ご準備いたします」


同じ様に小さな声で返してくれたハンナさんは素早くテアさんに指示を出したようでテアさんが部屋から出ていく姿を見送った。


「ミランダ。良かったら夕飯の足しにして」


ルイやミラは家に帰ればお母さんの晩御飯があるけれどミランダは帰ったらコナーさんと作る所から始める。


紙刺繍工房は目が回るほど忙しい今、コナーさんは疲れているだろうし、この時間から作るのは晩御飯が遅くなる。


少しでも短縮できればと提案すると、


「お気遣いありがとうございます」


少し頭を下げお礼を伝えてくれるミランダに断れなかった事にホッとしつつ、ミランダの行動に怪訝そうにするルイに曖昧な笑みで返事を返し、


「お待たせいたしました。馬車の用意が整いました」


ボニーさんからハンナさんへ伝えられ、ハンナさんから自分へと伝えられ、全員で玄関ホールに向かうと

お祖父様とお祖母様た立っており、


「今日は来てくれたありがとう」


お祖父様の言葉に


「これからの報告を楽しみになっていますわね」


お祖母様がミランダへと伝えると、


「ご期待に添えるようにいたします」


ミランダが頭を下げお祖母様へ返事を返した。


複雑ではあるものの、お祖母様と話していらミランダはとても楽しそうだったので良かったのだと言い聞かせ、


「エスメ様、こちらを」


ハンナさんから手渡されたカゴへ視線を向けるとピクニックで使う大きなカゴに少し驚くと


「クックが晩餐にお出しするはずだった物も一緒に詰めたとのことです」


小さな声で伝えてくれたハンナさんにお礼を伝え、ルイの手を借り馬車に乗り込むミラとミランダにルイが乗ったのを見て、


「ミランダ、帰ったらコナーさんと食べてね」


言葉と共にカゴを手渡すと、


「私達へのお心使い本当に感謝します」


目礼を貰い、御者さんに扉を閉めて貰い、姿が見えなくなるまで見送ると、


「エスメ冷えたでしょう。暖かくして過ごしなさいね」


一緒に見送ってくれたお祖母様の言葉に頷き、


「エスメは良い友を持ったな」


お祖父様の言葉に嬉しくなり、


「はい。自慢できる最高の親友です」


つい自慢げに返事を返してしまうと、お祖父様は声をあげ笑い、


「そうか。その関係を大切にしなさい」


言葉の後、お祖母様と共に自室へ戻られたので自分も同じ様に部屋に戻ると、


「エスメ様。お着替えをいたしましょう」


ハンナさんの柔らかい微笑みに頷き、ドレスを抜きコルセットを外され、ボアさんに髪を解いて貰いつつテアさんに化粧を落として貰い、


ゆっくりとお風呂に浸かり、早々にベットに潜り込む。


ミランダの対応への違和感。


ハンナさんの微笑みから動かない表情に何処か冷たく感じた対応。


テアさんもボアさんも何処かいつもと違う雰囲気を纏っていた。


違和感は1日を通して感じていた。


でも、大人の都合だろう。


見ないように、気づかない様に、聞かない様に過ごした。


いつか教えてもらえるといいな。


夢現の中ぼんやりと思い眠りについた。



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