表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

255/752

姉、抜き打ちテストを受ける


応接間でミラを挟みミランダと長ソファに座り、お祖父様とお祖母様の言葉を待つ。


香りの良い紅茶を1口飲み、これから話し合う議題を頭の中で整理し、ミランダに視線を向けると何事もないように微笑みながら紅茶を飲み、ソーサーにカップを戻した。


「改めて、雪が降る中、良く来てくれ来てくれた礼を言う」


お祖父様のお礼に


「お気遣いありがとうございます」


ミランダが返事を返す。


その姿は見た事の無い雰囲気と表情をしており、内心首を傾げる中


「エスメがお世話になっている様で、ありがとう」


お祖母様もにこやかに話しかけているが、初めて見る雰囲気と微笑みにますます分からなくなり、


微笑んでいるけど無表情というか、どこか刺々しいというか?


対照的の様な雰囲気に戸惑いお祖父様に視線を向けると、普段通りの微笑みに安堵の息を小さく落とす。


「私達の方こそエスメ様には大変お世話になっており、感謝をしております」


思わず私もミランダには感謝をしているのだと言いかけるも、グッと堪えると


「お互い様という事かしらね」


お祖母様の言葉にミランダは微笑みで返した様で、


「本題に入りましょう。おかぎれのクリームについて進行状況を聞きたいわ」


お祖母様の言葉通り、ようやくクリームの話になりミランダの言葉はなんとなく理解はできた。


前の人生で天然成分と呼ばれた物の名前が多く出ていたので、組み合わせて作る様でお祖母様の質問にもすぐに返事を返すミランダに、そんなに深く考えてくれていたのだと嬉しく思い、


近直お礼をしなければ。


お祖母様とミランダの会話を聞きなから、お礼の品の候補を頭の中で上げていると


「では、ミランダに任せるわ。予算を出しますので報告書は必ず届けて頂戴」


「畏まりました」


ミランダを中心に動かす事に決まり、


「さて、給金の話だけども」


お祖母様から出された金額は1ヶ月の生活費が払え、少し貯金もできる金額だった。


ミラの驚き体を揺らしたのを感じ視線を向けるも、真っ直ぐにお祖母様の見ており、


「ミラ、貴方はまだ成人をしていないわ。ですので仕事を任せる事はしません」


お祖母様もミラの反応に気づいていた様で、視線を向け先ほどより少し柔らかな声で話しかけ


「ですが、ミランダやエスメが手伝って欲しいとお願いしてきたら手伝ってあげて」


子供扱いでは無い事にミラは嬉しそうに笑い


「はい。頑張ります」


頷き返したことでお祖母様もお祖父様も嬉しそうに微笑んでおり、固かった雰囲気が和らいだ。


お祖母様から出されて契約書にミランダは読み込みサインをし終え、お祖母様の手元に戻ると


「では、次の本題に入りましょう」


先程とは打って変わり、朗らかに微笑んだお祖母様に頷きで返すと、


「エスメ。今からダンスの抜き打ちを行います」


急な言葉に驚き


「今からですか?」


思わず聞き返してしまうと


「その為の格好よ。ミランダも居ます。2人で細かな動きを直していきますよ」


早く立ちなさいとばかりに告げられた言葉に慌て立ち上がり、大広間に全員で移動をし、


「さ、エスメ」


お祖父様の言葉と共に差し出された手を取り、真ん中に立つと、一呼吸置いた後に踊り出す。


顔を上げお祖父様と視線を合わし、ミランダの手拍子のリズムで足を動かす。


普段の洋服ならばできた事がドレスだと動きにくく、気を取られそうになるも


お祖父様がとても嬉しそに微笑み踊る姿に嬉しくなり、リードに任せ体を動かすとあっという間に終わり


「後半からはとても良くなったわ」


ミランダの褒めの言葉に、


「後はドレス捌きと言ったところかしらね」


お祖母様の注意点に頷き、


「お祖父様ありがとうございます。とても楽しかったです」


付き合ってくれたお祖父様へお礼を伝えると、


「俺も楽しかったよ。また一緒に踊ろう」


大きな手で頭を撫ぜてくれ、嬉しくなり笑っていると


「旦那様。エスメの紙が崩れてしまいますわよ」


呆れた様に告げるお祖母様に慌て頭から手を離し


「すまなかった」


申し訳なさそうに謝るお祖父様に微笑み


「大丈夫です」


返事を返すと、


「エスメ。先っ程の位置に立ちなさい」


お祖母様の指示にしたがい、真ん中に立つとミランダか近くまで来てくれ、いつもの様に練習が始まった。


洋服の時とは違う足捌きに、ヒールでの体重の乗せ方。


細かく口頭で教えて、時に見本を見せて貰い習得することができ、最後にとイルさんとダンスを踊ると1回目の時より体が動きやすく、


終了時の礼を終え、姿勢を正し


「イルさん。ありがとうございます」


改めてお礼を告げれば、


「大変楽しゅうございました」


イルさんもどこか楽しそうに微笑んでおり、


「そう言っていただけると嬉しいです」


エスコートをしながら壁側で見守ってくれて居た皆の元へゆく。


「現時点で満点とします」


お祖母様の評価に嬉しくてミランダの見ると微笑んでくれ、


「ありがとう。ミランダのおかげだわ」


お礼を伝えると


「いいえ。私は少しお手伝いをしただけです」


小さく首を振り、自分の努力の賜物だと褒めてくれるミランダにそんなことはないと言いたくて口を上げるも


「エスメ様。お茶会の準備が整い、ルイが待って居ります」


イルさんの言葉に驚き振り向くと


「さ、ご移動を」


微笑んだイルさんの言葉にお祖父様とお祖母様の顔を伺うと、


「帰りの馬車は用意しているから、ゆっくりしていって頂戴」


微笑んだお祖母様の言葉に


「ルイと会うのも久しぶりで積もる話もあるだろう。夜も食べて行くといい」


お祖父様の微笑みに


「お心使いありがとうございます」


淑女の礼をし、3人でイルさんに案内され通された部屋には久しぶりのルイが立っており、


「久しぶりだな」


ニッカリと笑う見慣れたルイに近づき


「本当に久しぶりね」


話をしながらテーブルに近づけばイルさんが椅子を引いてくれたので腰を下ろし、皆が座ると同時に紅茶が置かれた。





第255話


昨夜、双子座流星群が流れたと聞きました。今日も少し見れるそうで楽しみにしております。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ