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姉、覚えられない苦手な物


ミラの願いから何ができることが有るのではないかと、帰宅後すぐにテアさんに話を持ちかけると、


翌朝にキッチンとランドリーの勉強を終え自室に戻ると入浴とボアさんのマッサージを受け、使用しているオイルの事や化粧水などの話を尋ねると、


「エスメ様のヘアオイルは以前お立ち寄りになりました領のをディラン様経由で届いております。化粧水はエスメ様に合う物を私達3人で話し合い、買いに行っております」


手を止める事なく教えてくれるボアさんに、頷き、


「その化粧水を買うお店を教えて欲しいのです」


お願いをするも、


「構いませんが、何か入り用でしたら私が買ってきます」


ボアさんの微笑み、


「お心使いありがとうございます。購入ではなく成分が知りたくて」


そう告げると、納得がいったように頷いてくれ


「でしたら、本日、店の者にその様に伝えておきますので、明日以降にお店にお尋ねください」


言葉と共にマッサージも終了のようでボアさんからドレッサーへ移動するように促され、鏡越しに目を合わせ


「そうですね。急にお邪魔してはお店の予定もありますね。ありがとうございます。よろしくお願いします」


お礼を伝えると、


「エスメ様もようやく化粧品にご興味を持っていただけるようで嬉しいです」


嬉しそうに微笑み気られてた言葉に、曖昧に微笑み


「ボアさんは化粧品が好きなのですか?」


質問をすると


「ええ。大好きです。化粧1つでなりたい自分の顔に近づくことができますし、上手く化粧ができた日には1日幸せな気分になれます」


嬉しい気持ちを乗せられた言葉は弾んでおり、聞いている自分も楽しくなり


「流行りなのはあるのでしょうか?」


質問をすると、


「勿論です。王都で流行る物と地方で流行る物など様々ですが、基本はファションプレートに乗るものが流行の最先端の商品ですよ」


頷きの後に続いた言葉に頷き、最近見ていないファションプレートの存在を思い出し、


「ファションプレートですか」


呟いた言葉に


「この後お持ちいたしますね」


丁寧に髪を梳かしてくれているボアさんの仕事を増やしてしまい申し訳ない気がしつつも、お願いをし、

髪を結い上げってくれ、


いつもの、工房の書類を見る為に机に向かうとボアさんは退出をし、代わりにイルさんが入室し


「こちら、紙刺繍工房の自領での販売報告書でございます」


王都に出荷した神刺繍は王妃様が全てお買い上げになった為、作成をしているが、同時期に自領で販売をした紙刺繍も中々の好評の様で、街の人達が自分の母親や友人が刺した商品を買ってくれ、


売上も出ている。


初期投資をした金額も半分以上が取れており、数ヶ月王都で販売する刺繍で黒字に持って行ける予定だと以前読んだ書類には書かれていた。


物珍しさから最初は売れるが、その後も販売続けられるかどうかににかかっいる。


生活魔法道具は今や必需品だが、紙刺繍は嗜好品。


必ず売れなくなる日がやってくる。


それをいかに遅くするかが経営の見せ所なのだとお祖母様から教わった。


2つ程先の季節の花を刺繍して欲しい。


感謝や謝罪の意味のある花も刺繍して欲しい。


この2つは伝えたけれど、後はどうすればいいのだろう。


紙質を変えたり、糸の色を変えたり、風景画もいいかもしれないし、


各家の家紋をオーダーとして受けてもいいかもしれない。


でも、それには作り手の育成が間に合って居ない。


悩みは尽きる事が無く、この時間に頭を使うことが増えてきた。


1人、書類を見ながら思考に耽っていると、


「エスメ様、そろそろ休憩をとりませんか?」


いきなりのボアさんの声に驚き顔を上げると、微笑みと共に視線でテーブルの上に用意されたティーフードを指しており、


「お心使いありがとうございます。いただいきます」


暖かいスコーンを上下に割き、たっぷりのジャムとクリームをたっぷり乗せ、大きな口を開け頬張り、ミルクティーを飲む。


ジャムの甘さとミルクの優しい味に癒され、


「ボアさんも座ってください」


紅茶のおかわりを入れてくれたボアさんに伝えるも、イルさんが部屋にいる事を思い出し慌て部屋を見渡すも、


「イルさんでしたら先程部屋を出て行かれましたが、呼びにいきましょうか?」


ボアさんの提案に、


「いえ、大丈夫です」


首を振り、正面に座ったボアさんに


「早速ですが、教えてください」


ファションプレートを受け取り、楽しそうにしているボアさんとは反対に挑むような気持ちでファションプレートを眺めた。


結果


「苦手な事は仕方ない事ですわ」


ミランダとミラに自室でのやり取りを話し、少ししか協力できなさそうだと伝え返ってきたミランダの言葉と


「エスメにも苦手な事もあるわよね」


数度頷きながら納得しているミラに申し訳ない気持ちになり、やるせなさで気持ちが落ち込むも


「エスメさん。折角なので私がそのお店に行ってみるわ」


ミランダの言葉に首を傾げると


「私、少しですけれど美容には詳しいのです。お役に立てると思います」


少し誇らし気に提案してくれるミランダと


「私も興味あるからミラお姉ちゃんと行きたい」


ミラの言葉に、


「お願いしても良いかな」


申し訳なく思いつつお願いをし


「気になった商品があったら、私の名前で買って欲しいの」


重要なことを伝えると、ミランダの微笑みの圧が強くなり


「1度目はどの様な商品が置いてあるのかを偵察に行き、気になるものを数点上げそこから絞り込みを行い購入と進めます」


よろしいですわね。


頷い以外の返事を許して貰えず、渋々頷き、


「予算すら決めて無いのです。慎重に選び吟味して進めて行かねば損失になりますもの」


初めて会った時の表情に近いミランダに数度頷き、驚いているミラを視界の端に入れボアさんから教えて貰った店名を告げた。



第252話


手足が悴む寒さとなってきまいた。風邪を引いたという話も聞きます。皆様ご自愛くださいませ。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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