表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/750

姉、不調に悩まされる


村から屋敷に帰ってきて数日たった。


最近は魔術省の役人さんに色々はして思いついた事を書き出してディランと話し合いをしながら考えを纏めていく日々を過ごしている。


ふっとした瞬間に村の事を思い出し、あの後お兄さんやお爺さんがどうなったのか知りたくてお父様の元へ尋ねに行くも話をはぐらかされ聞けていない。


無事に村へ帰れているといいな。

村の皆は元気かな。


何事も新鮮で楽しくて面白かった日々を思い出し息を落とせば


「姉様、疲れましたか?」


対面に座って記録をているディランの声に意識を戻し、


「大丈夫」


返事を返すも、眉間にある皺も心配をしている表情も取れる事も無く


「少し休憩を挟みましょう」


記入していた紙と羽根ペンから手を離し、壁に控えていたフレディに声をかける姿をぼんやり眺めて

鈍い動きをする心にため息をついた。


村から帰ってからと言うもの何故か元気が出ない。


いつも朝はすっぐに起きれたのに目が覚めても体が重くて動きたくない、外に出て箒に乗る気持ちにも慣れない。


皆に心配をかけているのは解っているから元気なふりをするけど、すぐに見破られてしまう。


ダメだなぁ


目を閉じ、考え始めると鬱々とした考えしか浮かばなくなり目を開ければディランが先程まで書いていた物に目を通し考え事をしているようで、時折横に置いている紙と見比べている。


迷惑ばかりかけている


ぼんやりとディランを眺めていれば膝の上に置かれた大小形の違う魔法石が擦れ合い音が鳴る。


村に行った時に魔法道具の無い生活をした。


帰って来た時に魔術省の役人さんと話した時に魔法道具はとてもお金がかかる物だと教えて貰い理由も聞いた。


魔法石がとても高価な物で買えるのは貴族や豪商のみだと。


初めて知った事に驚き、どうすれば多くの人に使って貰えるのかを考えてディランとマルチダにフレディと話し合い、お父様にお願いをして加工の時に出る魔法石のくずを購入して貰った。


何も付与されていない魔法石に魔法を付与し耐久と持続時間を確かめる事にした。


買って使えない物だったらダメだもんね。


沢山ある魔法石に1つ1つ付与をつけ続けていくも、ここ数日の思い気持ちではなんとなく上手くいかない事が多かった。


どうして心が重いのか分からないまま今日も付与が進まないまま1日が終わっていく、


「付き合って貰っているのにごめんね」


気分転換にとディランの部屋で実験と晩御飯を済ませ、退出する際に誤りを入れと


「いえ、こんな日もありますから気にしないでください」


なんでも無いように微笑み返事を返してくれたディランに頷き返し廊下を歩き書斎を目指す。


本当なら先触れを出し許可が出てから伺うのが普通だがどうしても聞きたい事があった。


マルチダが書斎の扉をノックすれば中からお父様の従者が開けてくれ、会いたい旨を伝えれば、入室の許可がで入って行く。


「お忙しい中、我儘を聞いてくださりありがとうございます」


重厚な机に向かい、何か書き物をしていたのか机の上には沢山の紙と本が置かれていた。


「大丈夫だよ。何かあった?」


微笑んで迎え入れてくれたお父様の問いかけに


「村のお兄さんとお爺さんはどうしているのかを知りたいのです」


帰ってから毎日同じ事を聞き帰ってくる言葉はなかった。

いつも違う話に変えられてしまって部屋に帰ってから不安が大きくなり寝れない時もあった。


「無事に村に帰りご家族と過ごしているのを確認できたよ」


聞こえて来た言葉に驚きお父様を見つめていれば


「村に送ってから数日、何かってはいけないから護衛を出していたんだ。返事が返せなくて悪かったね」


改めて告げられた言葉がようやく理解でき


「いいえ。ありがとございます」


嬉しくなりつい大きな声で礼を告げれば、唇に人差し指をつけ


「もう夜だから静かにね」


苦笑しながらの注意に返事を返し良かったと安堵の息をすれば


「もう遅い。明日もディランと頑張るのだろう?」


寝る準備をしなさい。と告げるお父様に頷き礼をしたのち退室し自室に向かう心は先程より軽く自然と笑顔になるの解った。


自室に戻り、湯浴みの準備をしていると


「宜しゅうございましたね」


浮かれている姿に微笑ましそうに見つめ告げられた言葉に


「ずっと心配してたから良かった」


頷きながら答えれば


「お帰りになられてから気にされてましたもんね」


湯船に促されお湯に浸かり


「道中も村でも本当に良くしてくれたのよ。婦人も別れの際とても心配してくれ名残惜しんでくれたよ」


今まで何故か村のことが話せずにいたのに、嬉しさで心も弾み次々と話題が出てきた。


「良い旅をされたのですね」


頭にお湯をかけてマッサージをしながら髪を洗ってくれる。


「沢山、話したい事があるの時間がある時に聞いて欲しいな」


あまりの気持ち良さに眠くなり瞼を閉じかけるも、掛けられたお湯に目が覚め促されるように石の席に座れば、絹の布で体を洗ってくれる。


「勿論です。お話を聞けるのを楽しみに待っております」


乾いた木綿の布で体の水分を拭き取られナイトウェアを着せてもらいベッドへと入った。


第25話

心身的不調の心のお話でした。


台風が動きお見せておりますね。良い子の台風でありますように。


プックマークに評価と星を押していただきありがとございます。

何より話を読んでいただきありがとうございます。

感謝しております。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。


よろしけれお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ