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姉、発想の転換する


紙刺繍工房を本格的に稼働したからと言って日々の生活が変わるかと言われると違う。


朝の勉強にマッサージと2つの工房の書類確認。


生活魔法工房は今まで出してきた道具を少し改良して使い勝手良くし販売をすると、今まで使ってくれた方々が新しい道具に買い替え、古い道具は買取、修繕し、安価で売り出すと


今まで欲しくても買えなかった人達が買い求め、需要が増えた。


勿論、愛着を持ってくれ初期で発売した商品を大切に使ってくれる人も居るので、修繕依頼も受ける様にすると、


当たり前に仕事量が増えた。


「ごめんなさい」


魔法工房を取り仕切る親方に謝ると、


「有難いことだが、相談て言葉を知ってるか?」


少し怒りを表している親方に


「はい。存じております」


素直に返答すると大きなため息と共に、


「何かあったら、そっちで対応してくれ」


出てきた言葉に頷き短い返事で返す。


「苦情対応はこちらで対応すると言っております。もし工房にあった際は屋敷に行く様に言っていただくか、呼び聞いていただければ幸いです」


イルさんの付け加えられた一言に、


「そう言ってくれるなら、頼みますよ」


どこか無愛想な返事にもイルさんは了承したと伝えるのみで、


「で、新作に悩んでるんだって?」


親方もどこか居心地悪そうにしつつ、違う話題に切り替えてくれたので以前から考えていた掃除機の案を話。


屋敷内でもミランダのアパートメントでも靴を履いたまま生活するのが当たり前で、良く良く見ると絨毯には埃だけではなく砂や石が落ちている。


掃除が得意ではなくても前の人生の記憶で流石に不衛生なのではと思い、どうしても掃除機が作りたかったのだ。


切々と掃除機の説明をすると、親方の表情が真剣みを帯び、


「風魔法石を使うのと、その吸い込みをどうするかだよな」


思案中に零された言葉に頷きつつ、魔法石を発動させると周りに風が吹く。


最初は風で飛ばす事も考えたが、砂や石が跳ねて危ないのでできれば吸引をしたい。


2人で唸りながら、さまざまな案を出してゆく中


もしかして?


フッと思い付き、深呼吸をし魔法石を手に取り吸い込む想像してゆく。


意識を集中し風魔法石を発動させると、机の上に乱雑し置かれた書き込みの紙が宙を浮く。


風の動きを魔法石を中心に吸い込む様に想像を強めると


魔法石に吸い寄せられるように紙が飛んできた。


「お嬢さん、何をした?」


目を見開き驚く親方と同様に自分でも上手くいった事に驚きつつも


「発想の転換と言いますか。その、風が吸い込む事を思い浮かべて発動をしました」


未だ吸い込み続けている魔法石に困惑しつつ、返答を返すと困った様に頭を掻きつつ


「ま、お嬢さんだしな。説明できそうなら教えてくれよ」


よく聞く言葉で納得をしてしまい、困惑しつつ


「風魔法は風が出る、吹くことが前提で当たり前です。それを逆に考え、吸い込む事を想像して発動させ見ました」


魔法とは想像し発動させる。


その基本を忠実に守り発動しただけ。


言葉にして伝えると、難しい顔をする親方に首を傾げつつ後ろで控えているイルさんに視線を向けると、にこやかに微笑んでいた。


対照的な2人の表情に困惑しつつ、どうするべきかと親方と向き合えば


「お嬢さんだけができても意味が無い。工房の奴に同じ事ができるか試し様子を見て、できそうなら試作を作る」


それで良いな。


親方の言葉に頷き、呼ばれた人物に魔法を発動させ見本と吸い込むという風の動きを伝え想像力に変えてもらい、何度か試し


練習が必要だが、できない事は無い。


と、


発売時に吸い込むという想像をどう言葉に伝えるかが必要になってくる。


この2つにこれから重点を置きながらも、掃除機を作る事が決まった。


あまり煮詰めても今の作業に差し障りが出るといけないとのイルさんの言葉に頷き、


「今日はありがとうございました」


忙しい中での訪問に礼を伝えると、


「かまわねぇよ」


見送りにをしてくれた親方に別れを告げ、イルさんの手を借り場所に乗り込んで屋敷へと向かう中、


「1歩、前進できて良かったです」


安堵の息を落とし正面に座るイルさんに伝えると


「本当によろしゅうございました」


自分の事の様に喜んでくれた。


物作りの醍醐味は誰かが喜んでくれる顔が見れる事だと思っている。


「試作品ができたら、皆に使って貰いたいです」


「その様に申し付けておきましょう」


皆に喜んくれたらと想像し伝えるとイルさんにこやかに返事を返してくれた。







第249話


ココアに塩を入れると美味しいと聞き実践した所、大変美味しかったです。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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