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姉、制服の制服の採寸をする


いつも通り日の出前に起き身支度を整え、キッチンへと歩く中


「なんだか今日は寒い気がする」


井戸から水を汲み上げている最中にポツリと溢した。


ふと周りを見れば木々の葉が黄色に変わり出しており、


「まだ昼間は暖かい気が付かなかったわ」


ぐるりと庭を見渡すと、ディランと庭を散歩した事を思い出し懐かしさに小さく笑い


「あの頃は何も出来なかったなぁ」


今行っている井戸の水汲みも釜の火入も、皿を洗う事だってうまく出来ず、それでも見守ってくれたクックにキッチンメイドや


何よりランドリーは本当にできなかったものね。


水を運び終え、窯に火を入れ、パンの発酵具合を確かめる。


ここにきたばかりの思い出ばかりが考えを締め、つい懐かしんでしまう。


それでも手は動かし続け、最近任される様になったマッシュポテト作る為にじゃが芋を剥いてゆく。


任されて嬉しい反面、じゃが芋料理は自分だと皆思っているのではないかと思う程にじゃが芋料理を任される。


「こればかりは仕方ないか」


苦笑いし、過去の自分が調子に乗った結果なのだと思い、たくさん茹でたじゃが芋の皮を剥いてゆく。



暫くすると、キッチンメイドもクックも集まりあっという間に忙しくなり皆が手際良く朝食を作り、自分が選んだ皿へクックが盛り付けをし、専属のメイドへ手渡せばひと段落するも


使用した皿が帰ってくるので、それを洗い終われば


「お疲れ様です」


顔見知りのメイドさんに挨拶を貰い、休憩と共に朝食をいただき、ランドリーへ移動する。


もうもうと湯気が立ち込めるランドリーに挨拶をしながら入り、自分の服を洗い脱水と風魔法を発動させ服を乾かす。


何度も繰り返したことで慣れ、時間も短縮できる様になったので邪魔にならない様に終わらせ、


「何かお手伝い出来ることはありますか?」


そう、声をかけると、男性のブラウスを手渡され


「私達、使用人の服なのですがお願いできますか?」


「勿論です」


申し訳なさそうに告げてくるランドリーメイドさんに笑顔で頷き、汚れの酷い首周りと袖口を入念に擦り洗いをし、集中してこなしてゆけば時間通りに終わらせる事ができ


自分が成長している事が分かり嬉しくなる。


初めのことは自分の服で一杯一杯だったのに。


小さく笑いながら、自室へと歩き途中出会ったメイドさんに挨拶を交わしながら自室へと入れば、


「おはようございます」


ハンナさんに出迎えられ、


「本日、学園で使用する制服の採寸の予定が入っております」


ハンナさんから今日の予定を告げられ、


「分かりました。今からですか?」


頷きと質問とすると、


「できれば、お願いいたします」


との返事に、短い返事と頷きで返し部屋の中心に立つと、タイミング良くお針子さんが数名部屋に来て


「それでは、始めさせていただきます」


綺麗に揃った一礼の後、メジャーで様々な箇所を測られる。


「やはり。身長が伸びてらっしゃいますね」


告げられた感想に、嬉しくなり


「そうなのですね。自分では中々気付かなくて」


いつも着る服に袖が短く感じた事がないでの、小まめに袖直しをしてくれているのだと気づき、ハンナさんの顔を見ると、どこか嬉しそうに微笑小さく頷いてくれたので


「いつも、袖直しなどありがとうございます」


自分を囲み、採寸している人達へお礼を告げれば


「勿体無いお言葉」


身を屈めていた全員が背筋を伸ばし、腰を曲げ一礼をしてくれる姿に驚きつつも、


「これからもよろしくお願いします」


頭を下げる事はせず、言葉の飲みで気持ちを告げれば互いの微笑み合いそれぞれの作業に入った。


動かないように気を付けつつ、告げられたように体を動かすのはダンスの練習をしているような感覚になり、


ダメだ。頭の中でリズムを刻む手拍子が聞こえてきた。


ワルツを中心に、学園で踊るはずだとミランダの言葉と共に初めたダンスは中々思うように踊れず、


リズム感が無いのよね。


新たに知った自分の苦手な事に心の中でため息を落とし、それでも反復するように頭の中でミランダから言葉で教えて貰ったダンスの動きを思い出す。


全部は無理でも、1つ1つ反復して覚えていけば踊れる様になるはず。


ミランダのアパートメントから変えればイルさんとのダンス練習もあるし。


忙しいイルさんにあまり時間を取らせてはいけないわ。


焦りもありつつ、残り1曲はテンポが速く男性の動きを主体としたダンスの為、1人ではどうしても分かりにくく、


1人で焦る気持ちを抱えていた。


大丈夫。


なんとかなる。


まだ時間はあるもの。


大丈夫。絶対踊れる!


自分の心に言い聞かせ、不安になる気持ちを拭い去る頃に採寸も終わり、いつもの工房の報告書に目を通す時間となっていた。





第239話


最近は天気が良く仕事中にどこか遊びに行きたくなり視線を窓の向けてしまいます。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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