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姉、弟からの手紙を自慢する


敬愛する 姉様へ



自領へ行き間も無く1年を経とうとしておりますが、いかがお過ごしでしょうか?


王都も少し気温が下がり過ごしやすくなりつつあります。


先にいただきました手紙を拝見いたしました。


収穫祭を存分に楽しまれたようで、何よりです。


何より、帰り時に出会ったギルト長と本屋の店主には感謝しかありません。


姉様は空を飛べば大丈夫と申しますが、今度もお一人歩きは極力お控えください。


お尋ねいただきました学園の事ですが、皆様の手助けをいただきながら平穏に過ごせております。


先週ありました学力テストも詰まる事なく記入ができました。


良いご報告ができるかと思います。


学問もですが武芸も少しですが上達している自覚ができ、乗馬の練習も始まりました。


王都で過ごされている方々より手習の始め時は遅いですが、必ず追いついてみせます。


お会いできた時にご披露できるのを楽しみにしております。


そちらは王都よりも気温差が大きかった記憶があります。


体調など十分に気をつけ、お過ごしください。


お祖父様、お祖母様にもよろしくお伝えください。



ディランより



心待ちにしている手紙を読み終え、思わず頬を緩めていると


「エスメさん、嬉しそうですね」


斜め前に座るミランダの言葉に、


「ええ。ディランは頑張り屋で優しくて可愛いのよ」


ルイもミラもそれぞれにもらった手紙の返事を書いているので、手が空いているミランダに


「なんでも学力テストがあったらしくて、詰まる事なく答えが記入できたらしいの。それに乗馬も習い始めたらしくてとても楽しそうだわ」


普段より少し早口だったがミランダは気にした雰囲気も無く


「学園に武芸にその上に乗馬となると、体調が心配ですね」


柔らかな微笑みと共に返事を返してくれたので


「そうなの。ディランは頑張り屋だから、後少し、もう1度を何度も繰り返すから少し心配で」


頬に手を当て息を落とすと、


「お話を伺うにディラン様にはフレディ様とご一緒の様子、やめ時など見極めて下さると思いますわ」


ミランダの心情に寄り添う言葉に


「そうね。フレディが一緒にいるのだもの。大丈夫よね」


笑顔と頷きで返し、


「そういえば、学力テストがあったみたいなの」


違う話題へと流れを変えると、ミランダも


「もう、そんな時期なのですね。学園に通われて初めてのテストですはとても重要ですのよ」


会話の流れに乗って返事を返してくれたでの、


「そんなに重要なの?」


首を傾げ尋ねると、


「ええ。次のクラス分けにも関わってきますが、何より順位で周りの対応が変わりますわ」


真剣な表情のミランダに釣られさらに背筋を伸ばし聞く体制をとると


「貴族は外見を重要視しますが、学力も同じです。尊敬される位置にいなければなりません」


普段より目尻を上げながら告げら言葉に、頷きで返すと


「ディラン様は幼少をこちらでお過ごしになりました。王都では家の地位はあれどディラン様の地位は磐石ではございません」


硬い声で告げるミランダの言葉はどこか違和感があり、


「周りの方々が良い方なのでご心配には及ばないかと思いますわ」


ゆっくりと表情を緩め、最後に微笑んだミランダに頷き、


「王都に居る時に少し顔を拝見したけれど、どの子も優しそうだったわ」


ほんの少しの時間だけ会えたディランの友達を思い出しながら、頷き言葉を返すと、


「なら、安心ですわね」


微笑みと共に返された言葉に頷き返すと、今度はミランダから話が振られ相槌を打ちながら会話を楽しみ、ルイとミラの手紙が書く終わり、手渡れたので封筒に入れ、全員で会話を楽しんだ後は


夕食の準備をし、途中で帰ってきたコナーさんが手伝ってくれ、皆で夕食を楽しんだ後は各自家へ帰った。


「イルさん。この手紙も一緒にお願いします」


封ができていないルイとミラの手紙も一緒に出して欲しいと差し出せば、


「畏まりました」


微笑みと共に差し出された手に乗せると


「おや、フレディの未来の妻からの手紙ですか?」


封筒の裏に書かれている名前が目に入ったのかこぼれ落ちた言葉に


「そうなんです。ミラ、フレディの手紙に返事を返したくて勉強を頑張っているんですよ」


2人の距離と関係に微笑ましく思い返事を返すと、


「それは。なんとも微笑ましい」


柔和な微笑みと共に返ってきた言葉に、ミラとの関係を反対しているのではないと知る事ができ心の中で安堵の息を落とし、手紙を託すとルイさんは自室から出てゆき、代わりに


「おかえりなさいませ」


ボニーさんか入室すると勉強の時間が始まり、新たに知識を増やしてゆく。


その後は自室で晩餐をとり、湯浴みをし、ベットへ入り一息つくとやってきた眠りに逆らうことはできなかった。



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