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姉、祭りを楽しむ


飲み物を置いてある屋台を求めて歩けばどこか見慣れた屋台が視界に入り、


「ルイ、ミランダ、コナーさん、左前に屋台に寄りませんか」


前を歩く3人に声をかけると、自然と左に寄り色とりどりの果実が展示されている屋台の前に立つと、

春の祭りの時にディランとフレディと飲んだ、大きな黄緑色の果実も置いてあり、


「こんにちは。こちらを1ついただきたいです」


以前飲んだ果実と同じ物を頼むと、お代を渡すとすぐさま木のコップに注いで手渡してくれ、一口飲むとほんのりと甘く、ゆっくりと味わう様に飲んでいると、


「それ美味いのか?」


注文を決めかねていたルイの言葉に頷き、


「春のお祭りにディランとフレディと飲んだのだけれど皆、違う味がすると言い合っていた不思議な果実水なの」


美味しい、美味しくないは飲む人それぞれかしら?


微笑みながら答えると、


「俺もそれにするか。ミランダとコナーさんはどうする?」


「私も同じ物を」


ルイの問いかけにミランダが返すとコナーさんが3人分注文しており、


「ミラはどうする?」


隣に居るミラに声をかければ、


「さっきのお肉でお腹いっぱいだからいらないわ」


小さく首を振りながらの言葉に、


「私のでよければ少し飲んでみる?」


膝を曲げ、飲みかけだった木のコップを差し出すと、頷き返し鐵くれたので、落とさない様に注意し手渡すと恐る恐る口を付け


「あじがない?」


木のコップから口を離し、首を捻りながらのミラの言葉に


「少し甘くなかった?」


小さく笑ながら問い掛ければ、


「あまくなかった」


大きく首を振りながら返ってきた言葉に、興味が出たのかルイが素早く一口飲むと


「少し甘い気がする?」


首を捻りながらの言葉に、


「そうですわね。ほんの少しですが甘い様な気がしますわね」


ミランダの言葉に、


「ええ。微かにですが甘い気がしますね」


コナーさんも同じ様な感想に、


「エスメ、もう1口飲ませて」


眉尻を上げながらのミラの言葉に頷き手渡すと、慎重に飲む姿と必死に舌の上で味を感じ取ろうとする姿が可愛く思い見ていると


「あまくない」


ポツリとこぼされた言葉に、


「もう1口飲んでみたらどうかしら?」


ミラに飲むように告げれば、数回果実水を飲むも


「あまく感じなかった」


顔を下げ頬を膨らませ、少し声を震わしながらの言葉に、


「今度、飲んだ時は違う味かするかもしれませんわ。帰りにもう1度飲みませんか?」


ミランダの言葉にミラは顔を上げ、


「そうするわ」


頷き返し、次の出店を探すために歩き出す。


自領では見ない布が置いている屋台やアクセサリーなど展示販売している出店もあり、


ルイの食べたい物を見つけその屋台で買い物をし、


ミラの心を掴んだ出店を眺め、


時折、ミランダの解説と共に商品説明を聞き、


大通りを半分過ぎた所で、


「そろそろ折り返しませんか?」


コナーさんの言葉にミラが少し嫌がるそぶりを見せたものの


「ミラ、明日も祭りはあるから行けなかった箇所は明日回りましょう」


繋いだ手を強く握り伝えるも、それでも納得がいかないようで、


「全部見てしまったら明日の楽しみが無くなってしまうわ」


できる限り優しく聞こえるように、意識し告げると


「明日は朝から出かけられます。端から噴水広場に向かって歩きながら屋台を見ましょう」


ミランダも加勢してくれ、


「そうですね。間も無く夕暮れです。明日行きましょう」


コナーさんも同意してくれ


「夜はおじさんとおばさんと祭りに行くんだろ?そろそろ帰らないと間に合わないぞ」


ルイの言葉に、先程まで膨らましていた頬を元に戻し、


「そうだった。すっかり忘れていたわ」


顔を上げながらの言葉に、


「なら、急いで帰らないとね」


ミラの言葉に頷き、全員で歩き先ずはミランダとコナーさんが住むアパートメントへ送り、


「明日、むくもり亭の前でお待ちしておりますわ」


ミランダとコナーさんと別れ、


「エスメ、飲み忘れた果実水を明日飲むの忘れないでね」


ミラを送り届け、


「1人で大丈夫な訳ないだろ」


ルイの言葉に首を振り、


「近くまで馬車が来ているから大丈夫よ」


納得がいかないと押し問答をしながら大通りまで出てしまうと、


「こんばんわ」


いきなり聞こえた挨拶に足を止め顔を向けると、


「こんばんわ。ギルト長」


面白そうな物を見つけたのか笑顔でかけられた挨拶に微笑みながら挨拶を返せば、


「ルイ、ここからは俺が引き受けるからお前さんは家に帰りな」


どうやら話を聴こえていた様で、ギルト長の言葉に


「ルイ、心使いありがとう。ギルト長にお願いするわ」


ルイに告げると


「まずは、お前さんを送ってからだ」


ギルト長の言葉に、渋々頷くも


「なんで俺からなんだよ。普通エスメからだろう」


小さな声で呟く言葉に、


「ほら、行くぞ」


気にもとめない様で、動くように促され告げられれば動くしかなく、


「ルイ、行こう」


手を繋ぎルイを引っ張りながら歩けば、あっという間に先程きたルイの家に着き


「明日、むくもり亭の前で待ってるからみんなで一緒に来てね」


頬を膨らませ不満を全身で訴えているルイに頭を撫ぜ明日の約束を告げ、別れると


「では、お嬢様お手を」


ギルト長の言葉と共に差し出されたを掌を不思議に思いながら手を載せると握られ、


「お嬢様は手を握っていないと、居なくなるとお聞きしましたので」


どこか揶揄撒いた作りの言葉に、


「皆、そう言うのです。おかしな事ですわよね」


少しだけワザとらしく返し、告げれば


「皆が理由をつけてお嬢様の近くにいたいのですよ」


大きな声をあげながら笑いながらの声に、驚きつつも


「それなら嬉しい事です」


笑いながら返すと、


「こんな日にお一人は危険です。誰でも良いので共をお付けください」


急に低い声と真剣な表情で告げられた言葉に、息を飲み返事を返せずにいると


「明日はぬくもり亭の中でルイ達が来るのを待って下さい」


さらに告げられた言葉に頷き返すと、


「大人の無駄な心配です。良ければ叶えていただけると嬉しいです」


少し和らいだ声と言葉に、


「いえ。お気遣いありがとうございます」


頷き心使いにお礼を告げれば、


「いえいえ。祭りはいかがでしたが?」


さらりと違う話り切り替わり、


「とても楽しく、皆が心待ちにしているのが良く分かりました」


街の人達の顔を見ながら返事を返すと、


「夜はもっと大騒ぎですよ」


大きなコップを片手に大きな声や笑い声が聞こえてくる店に視線を向けると、


「その様ですね」


アルコールを飲んでいるの様で、楽しそうに喋りながら飲んでいる姿を眺め返事を返すと、


「慰労も込めた祭りですので、ここからが本番でのありますね」


同じ店を見ていた様でギルト長の言葉に


「ギルト長も、この後楽しまれるのですか?」


微笑みながら告げれば、


「もてなす側ですが楽しみではありますね」


同じ様に微笑みながらの話していれば、馬車が見え、


「ギルト長、飲みすぎは体に毒ですわ。ワインは程々にお願いしますね」


貴族の微笑みとと主に告げると、


「お願いされてしまうと叶えないといけませんね」


どこかばつ悪そうな表情をしながらの返事に、


「ギルト長にはいつまでも元気にいて欲しいのです。口煩いかもしれませんがお願いします」


さらに言葉を加えると、


「分かりました。心に留めておきます」


頷きと共に帰って来た言葉に頷き返し、御者の馬車の扉を開けてくれたのでギルト長の手を借り乗り込み、


「ありがとうございました」


改めてお礼を告げると、胸に手を当て一礼してくれたので、御者に視線で扉を閉めるようにお願いし、

速やかに出発する様に合図を出せば、


ゆっくりと馬車が動き出し屋敷へと向かった。




第200話


ついに200話まで来てしまいました。書いている本人が1番驚いております。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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