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姉、心配される


耳まで赤く染めたルイと微笑ましそうにルイを見てるミランダの心の中で頬を緩めていると、現状に気が付いたルイが


「エスメ。帰えるんだろ?」


淑女の微笑みで誤魔化していたはずなのに、心の中を読まれたのか強めに睨まれながらの言葉に、


「ありがとう。でも大丈夫よ、1人で帰れるわ」


にっこり微笑み、ルイからの提案をお断りを入れるも、


「真っ直ぐ帰るつもりがあっちこっちにふらふらして寄り道するだろう」


右手を差し出され告げられた言葉にもう1度断りを入れようと思うも、


「ディランにいらない心配かけたく無いだろう」


ルイから告げられた言葉に断る事ができなくなり、


「お願いするわ」


困ったように微笑み差し出された手を握り、


「ミランダ。コナーさん。また明日」


手を繋いだまま、微笑み別れの挨拶をすると、


「はい、明日お待ちしております」


ミランダからの言葉に微笑みルイと女将さんと部屋出て扉を閉め、階段を降りた。


「女将さん。ミランダとコナーさんの事をよろしくおねがいします」


宿の出入り口まで見送ってくれた女将さんにお願いをすると、


「お任せくださいませ」


頷き笑顔で答えてくれた事に心強く思いルイに引っ張られるようにぬくもり亭を後にしルイの歩く速さでへ向かって歩いて行く。


ディランと良く似た身長なのに歩く速さはディランよりも早く、いつもより横に流れる風景が早く感じ、ディランとルイの違いを見つけ、微笑ましく思い小さく笑っていると


「何、笑ってんだよ」


不貞腐れたように頬を少し膨らませながらの言葉に、


「ディランとルイの違いを見つけて、微笑ましいなぁと思ってね」


少し不貞腐れた姿もディランとは違って、全身で手げてくるルイに言葉にして告げると


「当たり前だろ。ディランと俺は違うんだから」


不貞腐れた表情から、瞬間に呆れた表情に変わったルイに


ディランはため息をついて、仕方ないなぁなんて思っている表情をするわね。


また違う行動を見つけ、微笑ましく思っていると、


「あのなぁ、ディランと会えなくて寂しいのは分かるけど、比べるのはやめてくれよ」


全身で呆れてますと告げる雰囲気と言葉に驚き


「比べた事はなかったのだけど。ごめんなさい」


慌て、言い訳と誤りを告げると


「別に謝ってもらう事はないけど、そんなに寂しいなら会いに行けばいいじゃん」


ため息と一緒に告げられた言葉に、微笑み


「ディランは勉強の為に王都へ行っているのだから、会いに行っては邪魔しちゃうでしょ」


するりと出た言葉と共とほんの少しだけ大きくなった声に、


「エスメがそれで良いなら良いけど、意外にディランが寂しくて泣いてるかもな」


どことなく心配の色が含んだルイの言葉の後に茶化すような言葉と悪戯めいた笑いながらの言葉に、


「ディランは頑張り屋さんだし王都にはお友達が居るもの。そんな事は無いわ」


ルイの心使いを嬉しく思いながら笑いながら返せば、いつもより歩く速度が速かった為か、あっという間に屋敷に着くと、


「お帰りなさいませ」


どことなく怒っているような雰囲気のイルさんに出迎えられ、


「ただいま帰りました」


戸惑いながら挨拶を返すと


「エスメ。出かけるて言って出てきたんだろ?なんで怒ってんだよ?」


内緒話をする様に小さな声で不思議そうに尋ねてくるルイの言葉に


「ちゃんと言ったよ」


同じく小声で返事を返すと、


「エスメ様。お出かけになるのならば行き場所を告げていただくようにお願いいたします」


笑顔の圧が強くなったように感じ思わずルイと繋いだ手に力を入れ


「ごめんなさい。次から気を付けます」


勢いのまま謝りを入れると、


「是非、次からはお願いいたします」


圧がなくなり、見慣れた笑顔になったことにホッと息を溢すと、


「エスメ、帰ったか」


イルさんの後ろから聞こえたお祖父様の声と姿に、


「お祖父様。ただいま帰りました」


笑いながら挨拶を返すと、


「屋敷の者達が、エスメがどこかに行ってしまった大慌てしてたんでな。心配したぞ」


大きな手が頭を撫ぜ笑いながらの言葉に、想像していなかった事になっており


「すみません。次からは行き先を告げてから出掛けます」


慌て謝罪を告げると、


「そうしてやってくれ。ルイ、エスメを送ってくれありがとう。馬車を用意するから待ってくれるか?」


隣で話を終わるのを待ってくれていたルイにお祖父様が声をかけると


「ありがとうごいます。父さんと一緒に帰ります」


「そうか。そこまで送ろう」


ルイとお祖父様の会話を聞き自分も一緒に行こうと思うも


「エスメ様。奥様が帰したい部屋に来る様にと言付けを預かっております」


イルさんの言葉に、瞬間身を強ばらせると


「居場所を言わなかったエスメが悪い。怒られて来い」


繋いだ手を離されルイから言われた言葉に、


「そうね。お祖母様にご心配をおかけしてしまったものね」


手の平から温もりが消えた事に寂しく思いながらも、頷き告げ、


「ルイ。明日、一緒に行こう」


ミランダ達と会う事へ誘いをかけると


「分かった。噴水の所で待ってる」


頷きと会う場所が告げられ、頷き返し


「送ってくれてありがとう。また、明日ね」


「おう。明日な」


互いに別れの挨拶をし、それぞれが背中を向け歩き出した。



第162話


暑かったり肌寒かったりと体調管理が難しいですね。気を付けねばと言い聞かせております。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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