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姉、閃きと共に動き出す


庭でピクニックをしたり、街に出かけたりとイルさん達の気遣いに感謝をしつつ、 クックのお友達のお店でお願いした焼き菓子は急なお願いだったにも関わらず、美味しいキャロットケーキを数本焼いてくれ、


「ナッツも多くて、これは美味しいなぁ」


「ええ。人参の甘さと香りがクリームチーズによく合いますね」


イルさんが入れてくれた紅茶を飲みながら感想を伝えてくれ、お祖父様もお祖母様もお代わりまでし3人で完食をした。


仕事の話などあるかと身構えたが、たわいも無い最近の出来事と街の流行りの話が中心で張り詰めていた気持ちを解き、最後は声出して笑ってしまう程楽しくお茶の時間は終わった。


日にちが経つと、文章は違えど応用が効くようになりイルさんからの報告と解説も半分押し間で理解でいる様になると、仕事の速さが格段に変わり隙間時間が取れる様になってきた。


今日は何をしよう?


半日程で仕事が終り、書類をお祖母様の元へ届ける為に退出するイルさんの背中を見送りぼんやり考え椅子から本棚へと移動すると、


あ!魔法石


フレディから貰った箱が目に入り、手に取り足早にソファに座り箱を開け一掴み分をテーブルの上に置いた。


いつだったか魔法を込めすぎて弾けた以来だったのを思い出し、1粒手に取り深呼吸をし意識を集中する。


体の中から火の魔法を発動させ石の中に入るように想像して力を込めれば、


透明だった石はゆっくりと赤色に染まりきる頃に魔法を止めると火の魔法石は完成をする。


水魔法、風魔法、生活に使える魔法を込め作ってゆくと、今までの魔法石より純度が高いのか透明度が高く煌めく魔法石が目に入り、


これが廃棄する魔法石なの?


なんて勿体無い。


宝石と言わんばありの輝きがある魔法石を手に取り、光魔法を込める為に発動させ色を混ぜる様にゆっくりと石に馴染ませる。


純度が高いのか、それとも慎重になり過ぎているのか先程の石より魔法の入る量が多く感じ恐る恐る、様子を見ながら魔法を入れてゆくと、輝きが七色の光に代わり石が終了を伝えたように思い魔法を止めれば、


先程の魔法石より輝きが増したように見え、太陽の光を受けると七色に輝き部屋を照らす。


「宝石みたい」


思った感想を言葉にすると、閃き、勢い良くソファから立ち上がると本棚横に立てかけていた箒を手に取り、壁側に控えてくれていたボアさんに


「少し出かけてきます」


勢い良く告げ小走りで部屋を出てゆくと、驚き戸惑うボアさんの声が小さく聞こえながらも玄関に向かい走ると、すれ違う人達に


「少し出かけてきます」


声をかけ、玄関を自分で開け外に出た瞬間に箒に跨り風魔法を発動させ空を飛んだ。


今にも泣き出しそうな空模様を眺め少し高度とスピードを上げ飛ぶと、目的の工房の屋根が見え高度下げ、玄関で箒から降り、


「こんにちわ。親方さんお見えですかぁ」


普段出さないような大きな声で呼びかけると、すぐに男性が出てきてくれ挨拶をしていると太く低い声が聴こえ、体を傾け対応してくれている男性から後ろを見ると、


「久しぶりだな。お嬢さん」


強面の表情だけど、怒っていないのは雰囲気でわかるので微笑み


「突然の訪問し申し訳ありません。実は親方にお願いしたいことがありまして」


約束や先触れなしでの訪問への詫びと突然きた理由を告げると、親方さんはにやりと笑い


「今度は何を思い付いたんだ」


詫びを入れた事など気にしていないと言わんばかりの言葉と大きな態度に微笑みから笑みに変え、


「実はこの魔法石を使ってアクセサリーを作って欲しいのです」


先程光魔法を入れた魔法石を差し出し告げると、親方さんが魔法石に手を伸ばし指先を使い摘み上げ顔の前に待っていくと、


「純度が高いな」


七色に光り輝く魔法石を見ながらの言葉に、頷き、


「1カラットの大きさはありませんが、これぐらい小さい石なら毎日つけていても邪魔にならないと思うのです」


閃いた事を言葉にして告げると、親方さんは少し考えたのち


「確かにな。だがどこに付けるかによるがな」


頷きと共に告げられた言葉に、微笑み


「腕につけれる様にしたいのです」


前の人生でつけていたアクセサリーの1つを思い出し手首を指出しながら告げると


「腕って手首にか!?」


その発想は無かったのか、驚きの表情と共に大きな声での返事に苦笑し


「利き手は邪魔になると思うので逆手首なら大丈夫かと思いまして」


どうしても作って欲しくて笑みを強め告げると、戸惑うながらも


「できねぇ事は無いと思うが、なんせ初めての物だから時間がかかるが良いか?」


引き受けてくれる親方さんに大きく頷き、


「ありがとうございます。よろしくお願いします」


お礼を告げると、


「しっかしお嬢さんは、俺らの想像をしない物ばかり思い付くなぁ」


こぼれ落ちたような言葉に、


「お褒めの言葉、ありがとうございます」


微笑み返すと、


「試作ができたら屋敷に知らせるから、いつもの様に来てくれ」


後頭部を掻きながら告げられた言葉に短い返事と頷きで返すし、親方の見送りを受けながら箒に跨り空を飛び街の外れを飛んでいると、遠目にルイの姿と2人の女性らしき姿が見えるも雰囲気が良くない様に感じ、

高度を下げつつ、


「ルイ、どうしたの?」


箒に跨り空を飛んだまま声を掛けると、3人の視線を自分に集まり微笑み手を振れば、3人3様驚いた表情を見つめがなら地面に降り、箒から降りると、


「ルイ、どうしたの?何か困りごと?」


驚いた表情のまま固まっている表情のルイに声を掛けると、我に返ったのか


「困っているらしいから声をかけたんだけど、怖がられ会話にならないんだ」


心底困り戸惑っているルイの言葉の後、女性2人を見れば自分より年上で、キャメルブラウンの髪女性が白銀の髪の女性を守る様に立っていた。




第159話


月が変わるとアレコレ変化も出てきて、てんてこ舞いになっております。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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