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弟は姉からの手紙に心が複雑になる


王都に到着し数日が経ち、日常と呼べる口返す行動が馴染んできた頃に自分宛に1通の手紙が届いた。


相変わらずの厚さについ眉間に皺を皺を寄せ封の切られた箇所から手紙を取り出し、1枚目に目を通す。


圧が強いのか太く快活に書かれている文字に、送り主の性格が見て取れそのまま目を通してゆくと、

急な話の展開と切り替わりに、以前の日常を思い出し懐かしくも感じる。


自分や従者への感謝の気持ちが各所に書かれており、嬉しいと思う反面照れ臭くもあり、複雑に思っていると、


また突拍子も無いことを思いついたようで、楽しそうに書かれている箇所に思わず


「フレディ」


同じ内容の手紙を貰ったであろう従者を呼ぶと、短い返事と共に自分の近くまで歩み寄ってくれたので、


「姉様から届いた手紙の内容に、紙を作っている記入はあった?」


手紙を机の上に置き、顔を向け問い掛ければ


「はい。まずは古紙から練習をしていずれ白い紙を作りたいと。できれば紙に生花を入れた物も作成したいと書かれておりました」


表情は変わらないものの告げられてた言葉に、慌て手紙の続きを読み出すと、フレディから告げられてた通しの事が書かれており、


「姉様の思い付きは予想を超えるな」


道中に受け取った手紙で何か思い付きで作成をするだろうとは予想し、お祖父様とお祖母様にご迷惑をお掛けする事への詫びと、家令のイルには使用人全員で手助けをしてやって欲しいとは伝えていた。


多分、生活魔法道具だろうと祖父母とイルのは伝えていたが、生活必要品であるものの魔法石を必要としない品で、ますます姉様の思考が分からなくなってきた。


祖父母から両親への報告、目がら王族と高位貴族への報告済みだと思うと重い息を吐き出すも、


「姉様の紙制作が上手くできれば、輸入に頼らずに安価に紙が市場出回る。書籍の価格が下がり購入者すくもなるだろうし、手紙も貴重な物では無くなる」


良い事は沢山思い浮かぶもので


「領内で作成できれば収入も上がり、農作物の出来で貧困に陥る事は少なくな理、雇用も増えれば民の生活水準も上がるだろう。が」


反面、悪い事はその倍以上のある


「これ以上の領への収入が増えるのは王家に目を付けられ、隙をつき叩かれる事もあるだろう。技術者の誘拐や類品への対応。隣国に不作や不良が続けばすぐさま狙われるのは自領だ」


次から次へと思い浮かぶ事に眉間を抑え呻く様に溢すと、


「市場の出せる程の物ができる技術者が増えれば、生活魔法道具同様に各領から学びたい者を受け入れる体制も作ると、大旦那様は王家に報告をしたと聞いておりますので、少しは王家や各領主の感情も抑えるこができるかと思います」


前例を挙げながら対応策はあるのだと告げるフレディに、


「自国はそれで良いかもしれないが、他国はどうする?」


つい苛立ちの音を乗せ問いかけると、


「王家の許可が出次第、受け入れると聞いております」


自分の考えなど予想していた言わんばかりに即答され、先回りしたつもりだったがすでに問題にすらなっていなかった事に自分の無知を思い知らされ、苛立ちが急に沈静され


「そうか。魔法道具より機密にする必要が無いから、簡単と言えば簡単だったか」


強張っていた体から力を抜け椅子の背もたれに体を預けると、


「紙の技術は輸入国が上ですからね。学びたいと思う者がいればという事ですね」


苦笑しながらの言葉に確かにそうだったと思い、再び重い息を吐き出し姿勢を正し、


「姉様にとって今の僕は悪手だな」


まだ読めていない手紙を見つめながらの言葉に、


「そうご自身を卑下になさらず。手紙にも書かれておりましたがエスメ様はディラン様に大変感謝とお礼の言葉を綴られておりました」


フレディが励ましてくれるが、


「それはフレディにも同じ様に書かれていただろう。姉様は僕とフレディに感謝しているんだ」


どうしても心が素直に受け入れられず、返事を返すと、


「エスメ様、ご本人からの励ましで無いと足りませんでしたか?」


どうやら揶揄する方向へと持っていくフレディの言葉に、言葉を告げれば更に揶揄される事が分かり、無言で返すが、


「さようでございましたか」


微笑みながら返された言葉に、意地を張り聴こえないふりをし姉様からの手紙の続きを読み始めた。


今度、イルさんと街へ買い物へ行く約束をしました。お土産買ってくるから楽しみに待っていてね。


後、手紙の枚数を少なくするのは無理なのでディラン、頑張って読んでね。


手紙の末に書かれている文字にため息を落とし、とんでも無い量の手紙が来そうだと想像するも何処か楽しみにしている気持ちと一緒に行き姉様の様々な表情を見たかったと思う気持ちが生まれ、首を振り、


返事を書く為に、羽根ペンを手に持ち、頭の中で返事を書く文章を作り出した。



第151話


100円均一店の魔術にハマり沢山買い物をしてしまいました。無駄使いにならない様に頑張る所存です。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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