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姉、微笑ましく見守る


ルイとミラと偶然出会い、アメを買いに行くと言うのでルイさんと手を繋いだまま、一緒に歩いていると


「相変わらずなんだな」


ルイの突然の言葉の意味が分からず返事が返せないでいると、


「祭の時にディランと手を繋いでただろ」


イルさんと手を繋いでいる左手に視線が向けられての言葉に、何も思わずに首をひねれば


「いや、エスメはお嬢様だったな」


ルイの中で答えに辿り着き納得できたらしく話を〆てしまったが、何がおかしいのか不思議に思いイルさんの顔を見るもいつもと変わらない微笑みのままで、


ま、いっか。


イルさんも何も思っていないようなので考える事を止め、前を歩くストロベリーブロンドの髪を見つめいていると、祭りの日にあった出来事を思い出し、微笑ましく思うも


「ミラ。私、貴方に伝えないといけない事があるの」


別れ際のことを思い出し、声をかけると不思議そうに振り返るミラに


「ごめんなさい。フレディはディランと一緒に王都へ行って今、ここに居ないの」


いつ返ってくるか分からない。


その言葉だけは飲み込み、心苦しく思いながら告げると、


「そうなのね。まぁ仕方ないわ」


表情も変えずにさらりと返事をしたミラに驚いていると、


「フレディさんは大人だもの仕事仕方ないことよ。そんな事を気にする小さな女じゃないわ」


風に流され頬に触れていた髪を片手で腹いながらの言葉に、関心していると、


「いつまでも子供扱いしないで頂戴」


拗ねたように顔を正面に戻したミラの態度と言葉に祭りの日とは変わっており戸惑うと


「こいつ、大人になるんだって急に手伝いをしたり勉強をし出したりで、遊びに誘っても来ないんだよ」


ルイの呆れた表情と言葉に、


「大人は早々遊んでいられないの。おんなこごろが分からないなんて、お子様よね」


澄ました横顔と大人びた言葉ながらも、子供の背伸びをしている姿が微笑ましく、


「そっかぁ。大人かぁ」


思わず呟くと、


「エスメもいつまでも子供みたいに手を繋いでちゃいい女になれないわよ」


揶揄したと勘違いをされたようで、怒りを含んだ言葉に、


「そうね。気を付けるわ」


謝りの言葉を入れるとさらに機嫌を損ねる事がわかって居るので苦笑しに頷き返す。


恋する女の子はこんなに急成長をしてしまうのね。


微笑ましい様で、祭りの日のミラも可愛かったのにと少し寂しい気持ちになりながらも、ルイとミラの背中を見つめていると


「イルさん。遅れましたが、彼はルイ。横にいる子がミラと言います。祭りの日に声をかけてくれた2人なんですよ」


イルさんは彼らの事を知らない事を思い出し、紹介をすると


「街から神殿までご一緒に歩かれたとフレディから聞き及んでおります」


微笑ましそうに頷き返してくれたので、前を歩く2人に、


「ルイ、ミラ。この方はフレディのお祖父様で、名前はイルさん」


どこまで紹介をして良いのか分からず、簡単に紹介するとミラが急に振り返り、


「ミラと言います」


立ち止まり、綺麗に腰を折り礼をした事に驚いているとイルさんか繋いだ手を離し、胸に手を当て


「イルと申します。フレディがお世話になったようで」


紳士らしく挨拶をする姿を見ていると、


「いえ。私がごめいわくをおかけしまして」


頬を染め、恥ずかしそうにでもどこか緊張し、大人の真似をする姿が微笑ましく見守っていると


「なぁ。ディランもフレディも居ないのか?」


いつの間にか横にいたルイの言葉に顔を動かし


「2人とも王都へ行っているの」


頷き返すと、


「そっか。帰って来たら俺が会おうて言ってたと伝えてくれよ」


告げられた言葉に、頷き


「ええ。手紙でも伝えておくわね」


ルイの気持ちが嬉しくて頷き返し、視線を戻すと


「フレディは幸せ者でございますな」


嬉しそうなイルさんの言葉の表情に


「本当にね」


頷き返すと、ミラが恥ずかしそうにしながらも必死にイルさんの言葉を理解しようとするので


「ミラに会えた事をフレディに手紙で伝えておくわね」


ミラの気持ちを応援したくて、声をかけると


「では、私もフレディに手紙を書きますね」


イルさんも同じ様に返事を返すと嬉しそうに笑うミラの反応が可愛くて、心が弾ませると


「そろそろ、お使いに行こうぜ」


話の切りの良いところまで待っていたルイの言葉に全員で頷き、イルさんと再び手を繋ぎ歩き出すと、

どこかミラの歩き方が先程と違うように見え、


微笑ましく眺めていれば、再び噴水の広場へ戻り、1本奥の道へと入って行く。


賑やかだった雰囲気が無くなり、落ち着き生活感が一気に広がった空気に左右に視線を動かす。


大きな建物で窓が沢山あるのに1つしか扉が無い建物が横並びて立っており、


アパートメントね。


本で読んだ文字と見ている光景を照らし合わせ出した答えと建物をあらためてじっくり見ると、ルイの歩幅が大きくなり、目的地が近いのだと悟る。


「こんにちは」


ルイの少し大きな声の挨拶に、隙間がら前を見ると、神殿で見た服を着た人が立っており、微笑ましそうに


「こんにちは」


挨拶を返す姿に店に到着したのだと分かり、どんなアメが販売されているのか楽しみで眺めると

3種アメが並んでおり、興味深く眺めていると、


「今日はアニス、パイン、プロポリスの3種類ですよ」


神官様の言葉に顔を上げると、目が合うと驚いた表情に変化をし慌て視線を左右に動かすも、


「プロポリスをくださいな」


ミラの落ち着きどこか背伸びした言い方に、神官様が慌て、


「はい。こちらですね」


釣られるように背を伸ばし言葉を返す姿を眺めつつ、買いたいが想像がつかない味に躊躇していると


「エスメ様。購入金は神殿の寄付になりますので、全種、数個お買い上げいただくとよろしいかと」


小さな声で告げるイルさん言葉に頷き、


「すみません。全種類各3個ください」


ミラの対応を終えた神官様に声をかけお願いをすると、


「は、はい!」


慌てふためいた神官様にお祖父様からいただいたお小遣いから少し多めに渡し、屋敷に持ってきてくれるようにお願いをし、


「ありがとうございます。よろしくお願いします」


お礼を言いお店を後にした。



第148話


新芽が若葉となりぐんぐん伸びる姿の毎年驚かされつつ、みかんの花が早く咲いているのを見ました。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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