姉、弟と領主の務めをする。
行者の安全運転で何事もなく教会へ着きディランのエスコートと、ノア様の案内で祭壇へ進み今日の祭りの無事を祈る。
神様。昨日はすっごく楽しくて良い出会いが沢山ありました。
心より感謝いたします。
今日も皆が笑顔で楽しかった。面白かった。と思える日でありますよう見守って下さい。
あ、後、最後の儀式で成功しますように。
お願いします。
本当に、お願いします。
必死にディランと共に祈りを捧げた。
「何やら、熱心に祈っておられた様子。何がございましたかな?」
案内され、街への出発する時間までまだあると言うノア様の言葉に従い、用意していただいたお茶を飲みクッキーをいただいた後の言葉に、
「はい。昨日の楽しかった事への感謝と、今日も皆が笑顔で過ごせるようにと祈りました」
貴族の微笑みで返事を返すと
「昨日は街の子供達と楽しそうに過ごされたようで。ようございました」
言葉通り、昨日の事を思い出したノア様の言葉に、
「ルイさんにお誘いいただきました。皆と街を回るのも、街の方々とのお話をとても楽しく。いただいたお菓子もお祖父様とお祖母様といただいたのですが、とても美味しくいただきました」
感情が先走らないように気を付けながら言葉を作り伝えれば、
「皆様のお口に合ったなら何よりです」
穏やかな笑みで会話を楽しんでくれるルイさんと穏やかな時間を過ごしながらも、
「今日のクッキーも美味しいのですが、どなたかが作られているのですか?」
屋敷で食べるしっとりとしたクッキーとは違い、ザクザクとした食感は楽しく、ほのかに甘い味についつい手を伸ばしてしまう。
「私ども神官達が作っております」
どこか嬉しそうに少し誇らしげに話すノア様の言葉に驚き、
「神官の皆様がお作りしているのですか?」
皿に並べられてたクッキーに視線を落とすと
「私達は神に使える身。自分の事は自分でいたします」
ノア様の言葉に驚きノア様の顔を見つめると
「エスメ様も頑張っておられると聞き及んでおります」
ノア様の視線が自分の手に向けられている事に気づき、
「ありがとうございます。まだまだ勉強させていただいている身です」
貴族の微笑みにのせ返事を返すと、
「継続させる事は何より難しく大切な事。ご立派です」
ノア様からのお褒めの言葉に顔が熱くなり、
「ありがとうございます」
恥ずかしくでも嬉しく、照れながらもなんとか礼を伝えることができ、気持ちを落ち着ける為に紅茶を1口飲みクッキーをいただく。
ハチミツの甘さかな?
お願いすれば売ってくれるかな。
ぼんやりと考えながらクッキーを食べ、ノア様とディランの会話を聞きいっていると、
「祭主様。そろそろお時間です」
神官様の言葉に、頷き、ディランのエスコートを受けながら用意された馬車に乗り込む。
屋根の無い馬車は風景が見えとても新鮮で、
「ディラン、外の風景が見えるのはとても新鮮で楽しいわね」
隣に座るディランに話をすれば
「はい。視野が広くて良いですね」
ディランも嬉しそうに返事を返してくれるので、微笑み道中すれ違う街の人達に手を振り挨拶をする。
驚きの表情なのはお祖父様とお祖母様では無いからと思い、貴族の微笑みを意識し手を振る。
手を振るのはとても疲れるし、微笑みを作り続けるので頬が痛くなってくけど、手を振るごとに一緒にディランから貰い結んで貰ったリボンも一緒に揺れ、元気告げられた。
ゆっくり走っていた馬車が街中に入り、多くの人が左右に分かれ自分とディランを歓迎してくれ、それに応えられるよに手を振り、笑みで答え、時折街の人に視線を合わせる。
左右に分かれ互いに街の人達に声に応えているのでディランがどのように微笑んでいるのかが判らないが、多分、フレディがこっそり着いてくれているはず。
明日、絶対に聞くんだ。
心に誓い、忘れてはいけない事だと頭の中に刻み込み、1つ目の受け取り場所へ到着した。
ディランのエスコートを受け、出迎えてくれた街の代表者へディランが挨拶の言葉を横で聞き、
ディランの事だから忙しい中、お祖父様の元へ助言を貰いにいったんだろうな。
立派に勤め上げる姿と言葉に、思わず抱きしめ頭を撫ぜ誉めたい気持ちでいっぱいになったが、まだ始まったばかり。
屋敷に帰ったらやりことリストに増やし、貴族の笑みを絶やさないように気持ちを引き締める。
ご夫妻からミモザを受け取る際に、
「確かに受け取りました」
ディランと共に伝えると、驚きに表情と共に
「よろしくお願いいたします」
頭を下げられる。
どこか萎縮した表情に首を傾げたくなるも堪え、一緒にいる神官に手渡し次へ行く為に馬車に乗る。
度々、驚きの表情を見ながらなぜ驚くのかが分からず2件目の受け取り場所へ到着すると、ご夫婦の隣には昨日一緒に街を回った子がおり、貴族の笑みを解き、自分なりに微笑んでみると、
「エスメおねぇちゃん。ディランお兄ちゃん」
目を零さんばかりに大きくに開き口を大きく開けながら驚いた後に、こぼれ落ちた言葉に手を小さく振り応えると、ご夫婦は困惑したように自分の子供と私達を交互に見ている姿に
「昨日はありがとう。すごく楽しかったわ」
ディランより先に話しかけると、戸惑いながらも頷き返してくれ、戸惑うご両親には
「昨日、ご息女と一緒に街を周りまして、楽しい時間をいただきました」
ディランが補足を加えてくれると、驚きと
「娘が大変ご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした」
恐縮しながら深々と頭を下げる姿に、ディランと視線を合わせ、
「そんなことありませんわ。とても楽しく過ごしました」
半歩前に出て告げれば、頭を下げることは止めてくれたので、
「また、街で会えたらお話してね」
視線を合わせるように膝を少し曲げ伝えれば、笑顔で頷いてくれた。
心の中で安堵の息を落とし、まだ困惑しているご夫婦からミモザを受け取り神官に手渡した後、
「また、お話しようね」
そうお話をし馬車へ乗り込む。
再び動き出し、貴族の笑顔を作り手を振る。
見送る為に馬車の近くまで来てくれたご夫婦に視線を合わせると深々と頭を上げられ見送られた。
4ヶ所の内の2カ所を回った事で休憩に入るため、レストランへ案内した貰い、ディランのエスコートで席に座るが、
「姉様、手を」
横に立ったディランの言葉に首を傾げながら左手を出すと、リボンが解けており結び直してくれた。
「ありがとう、ディラン」
微笑みお礼を告げると
「いえ、結び方が緩かった様ですみませんでした」
首を振りながら告げてくる言葉に
「解けてしまったらまた結べばいいのよ。その時はお願いするね」
ディランの頭を撫ぜながらお願いすれば頷き返してくれ、フレディが引いた椅子に腰掛けた。
食事の準備か進められるの眺めつつフレディに視線を向けると、言いたい事が伝わったらしく苦笑しながら頷いてくれたので、
明日、楽しみにしてるから、隅々まで教えてね。
の意味を込めにっこり笑ってフレディへ伝えた。
昨日、お菓子をいただいたレストランのオーナーに挨拶を貰い、改めて今日の協力への礼と一緒に昨日のお菓子の礼と感想を伝えると、
「見に余る光栄。クックにも伝えておきます」
誇らしげな表情に少し嬉しくなり、用意していただいた料理のいただく。
程良い味加減に、適量で最後まで食べ切る事ができ、最後に紅茶をいただき休憩時間を楽しむ。
第122話
寒の戻りの様で雪が舞い降りました。寒いですね。様々な事があり今回は短めになっております。
切りがよろしく無いのですが、ご理解いたただけると幸いです。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤のディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
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