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姉、皆とお菓子を貰う


「おねえちゃんも、おにいちゃんはやくいこう」


ふっくらとしら頬に顔の半分はあるのでは無いかと思える程の大きな栗色の瞳。

ストロベリーブロンドの髪はゆっくりと波打ちふわふわと風に遊ばれている。


幼児特有に柔らかく少したどたどしい言葉と声。


そんな可愛い少女からのお誘いに断る理由などなく、瞬間頷きディランの手を引き歩く。


お誘いをくれた少年と少女の背中を見ながら、全員が初めて会たという事で、


「誘ってくれてありがとう。私はエスメで、私の隣に居るのは弟のディラン。後ろに居るのは兄のフレディよ。仲良くしてくれると嬉しいわ」


軽く自己紹介をすると、ダークグラウンの髪にヘーゼルナッツ色の瞳の少年が同じ様に


「別にそんな大した事してないさ。俺はルイでこっちは隣の家に住んでいるミラ」


先に歩いて誘導としてれているので振り向きながら名前を教えてくれると、ルイと手を繋ぎ歩いてるミラも振り返り、


「おそろいね」


ディランと手を繋いで歩いている事を言っているのだと気付き、


「そうね。私の迷子防止のためなの」


微笑みながらミラこの言葉に頷き返すと、


「なんだよ。子供みたいにふらふらどっか行くのかよ?ディランもお守り大変だな」


ルイのからの言葉に苦笑しながら


「つい、気になってしまって。気を付けるわ」


左下へ視線を落としディランに向かい告げると、


「よろしくお願いします」


ちらりと視線を向けられ返ってきた言葉とは違い眉を少し下げ困った表情に


大丈夫だと視線と表情で伝えると小さく頷き視線を前に戻した。


集合場所だったのか様々な年代の子供達が集まっており、遅いぞ。早くいこうなど沢山の言葉で出迎えられるも、


「こいつらはエスメとディラン。初めての祭りなんで連れて着た」


ルイの一言に、


「初めまして。私はエスメ。こちらは弟のディランに兄のフレディよ」


集まっている子供達全員に自己紹介をすると、快く向かい入れてくれ全員が挨拶と共に名前を教えてくれた。


早く行こうと浮き足立つ雰囲気とソワソワした嬉しくて楽しくてじっとして至れない態度の子達を微笑ましく眺めていると


「じゃ、行くけど。フレディは留守番な」


ここまで一緒に着たフレディに対しての言葉に驚きルイの顔を見ると、


「子供だけで回るのがルールなんだよ。だからフレディはダメだ」


驚きをの理由を察してくれたのか、理由を教えてくれるも、


「子供達だけで行くのは危険ではありませんか?」


ディランはルイに返事を返すと、


「全部の家を回るわけじゃねぇよ。大通りの店と1、2本裏に入った当番の家だけだ。危なくなったら大人達が助けてくれる」


どこか慣れた雰囲気と大丈夫だと告げる言葉にディランと顔を見合わせた後、2人でフレディを見ると


「分かりました。私は留守番をいたします」


自分達の言いたい言葉を先回りしてくれた言葉と微笑みに、


「ありがとう。気をつけて行ってくるわ」


「ありがとう。行ってくる」


フレディへの気遣いの礼をディランと共に告げ手を振ると


「じゃ、行くか!」


ルイの一言に子供達の気分が一気に高まり、ルイを先頭にして歩き出した。


それそれが笑いながら楽しく会話をしているのを1番後ろから見守っていると、すぐさま1件目の家に着いたのか、


「こんにちは」


ルイの挨拶の言葉に扉が開き、老夫婦が嬉しそうに微笑みながら出迎えてくれた。


一人一人挨拶の後にお菓子を貰うと、輝かんばかりの笑顔で、


「ありがとう」


お礼に言葉の後に受け取る姿に、微笑ましくほっこりしていると、


「そっちの子もどうぞ」


夫人の手招きと言葉にディランの背中をそっと押せば、どこか恥ずかしく戸惑いながら、老夫婦に近づき


「こんにちは」


ほんの少し、聞き慣れた自分にしか分からない程、小さな声で挨拶をすると、


「初めて見る子だな」


「遠慮はいらないわ」


微笑みと共にお菓子を差し出され、


「ありがとうございます」


恐る恐る受け取り、お礼を告げ自分の所まで戻ってくる姿に改めて、


ディランは優しくて可愛くてカッコイイのは解っていたし知っていたけど甘かったわ。


ちょっと戸惑いながらもお微笑む初めて見る表情と動きが微笑ましくて可愛くて愛おしい。


ディランと一緒にいるつもりだけど、まだまだ知らないことってあるのね。


お姉ちゃんとして失格だわ。


瞬きをするのも惜しく、じっくりディランを眺めていると老夫婦と目が合い、


「こんにちわ」


ディランの横まで歩き、老夫婦に挨拶をすると


「お前さんも初めて見るな」


「お祭りの参加は初めて?」


ご夫婦からの問いかけに、


「はい。ルイさんに誘っていただき初めて弟と参加させてもらっています」


笑顔で返事を返すと、驚いた表情の後


「まぁ、しっかりしているのね」


ご婦人の言葉に微笑みですと、


「遠慮は要らん」


旦那さんの言葉と共にお菓子を手渡され、


「ありがとうございます」


お礼を告げると、


「どういたしまして。楽しんできてね」


「気をつけて行っておいで」


ご婦人と旦那さんの言葉に頷き、ディランの手を取るとルイ達の所へ戻った。


「これで全員貰えたな。次に行くぞ」


ルイの言葉に全員が老夫婦に向き


「ありがとう」


一斉にお礼を告げると手を振り頷きをくれた後、手を振り見送りまでしてくれた。


歩き出す一団の後方に付き歩いて行く中、


「緊張しました」


ディランの言葉に、


「私も緊張したわ」


互い顔を見ながら微笑み告げると、


「でも、お菓子を貰え嬉しかったです」


頬を赤くし、はにかむ姿に心と脳が歓喜に震えるも


「屋敷に帰ったら食べようね」


往来がある外だと動き出す体を必死なだめすかし、お茶会へお誘いもかね変異をすれば嬉しそうに笑い


「はい。楽しみにしております」


宝物のように貰ったお菓子を抱き込んだディランの姿を脳に焼き付け、


ルイとミラの感謝しないとなぁ。


初めて見るディランの表情や動きを見ながらぼんやりと頭の中で思った。



第72話


深夜に春雷が鳴っておりました。本格的に春が到来するようで楽しみです。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただきありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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