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姉、内緒の贈り物を貰う。

2022/03/05 20時過ぎ 題名を

「姉、祭りを心待ちにする」から「姉、内緒の贈り物を貰う」に変更いたしました。

ご迷惑をおかけし申し訳ございません。


教会への予行練習と終了時の神官様達とのお茶会も穏やかに終わり、暖かな日差しが降り注ぐ日が多くなってきた。


明日はお祭りの初日という事で、お祖父様はお祖母様と共に街へ視察へ出ているが、


「明日のお祭り楽しみね」


いつもと変わらず、早朝に起き、キッチンとランドリーに行き毎日行っている作業を練習が終わればフレディと共にディランの部屋に行き、ディランにハンドクリームを塗って貰いイルさんも含め会話を楽しむ。


「明日は早朝に行っている練習はどうなさるのですか?」


隣に座っているディランからの問いかけに、


「勿論、練習をしてからお祭りに参加よ」


笑顔で返事を返すと、ディランだけではなくフレディもイルさんも驚いた表情に首を傾げると、


「すみません。練習を休みにし身支度の時間にあてるものだと思っておりました」


眉を下げ申し訳なさそうに告げられた言葉に、


「休んでしまうと怠け心が出て、続ける事ができなくなりそうで怖くて。それに色々な事を任せて貰っている責任もあるしね」


首を振り、自分をすぐに甘やかす性格と任された事ができる嬉しさを告げると、


「解りました。僕も姉様に合わせ準備をいたします」


頷きと共に返ってきた言葉に


「いつも心使いありがとう。勝手に決めちゃってごめんね」


相談も無しに勝手に決めていたことへの謝りをすると


「いえ、姉様のお考えと行動はとても素敵だと思います」


いつもと変わらない何気ない会話を楽しみ、フレディから魔法石の大きかと価格の違いの勉強をし、ハーブティーの練習をし、皆で飲み感想を言い合う。


上手に淹れる様になってきて良かった。


ベットに入り今日の良い事、楽しかった事を思い出し今日の振り返りし、明日の予定を思い出す。


明日も早朝に起きてキッチンとランドリーへ行って、その後は着替えてディランとお祭りに行く。


聞いた日からずっと楽しみにしていたお祭り。


前世の時は子供の時代は勿論、大人になり結婚し子供が出来て孫もいた時の楽しみしていた。


前世とは違う、今世の祭りはどんな雰囲気なのだろうか?


屋台はあると聞いていたが、どんな食べ物や遊びができる屋台だろうか?


祭りの始まりを告げるお祖父様さぞかっこいいし、お祖母様の凜とした姿と声はとても神殿の雰囲気に合っていた。


それが正装姿を、1番近くで見られるという。


楽しみでワクワクしていると眠気がどこかに飛んでいってしまい、


困った。明日の為に寝たいけど、寝れない。


布団の中でゴロゴロと左右にかだがを動かし、その度に瞼を閉じるも


だめだ。


本当に寝れない。


大きな息を落とし、上半身を起こし、布団を捲り体の上から移動させ、ベットから下りた。


本棚の前に立ち、瞼を閉じ、手を上下左右に思うままに動かし、火魔法を発動させ明かり代わりにし、触れた本を数冊抜き取り来客用のソファに座り、1番最初に取った本を開いた。


様々な国を見て回った冒険者に取材し、国の法律の違い、食文化の違うのは勿論のこと、衣服の文化に言葉の違いが書かれた内容で、


凍る海の上にいる野獣の話。


干した肉や雪の中に保存した野菜を料理し食べる話。


日の沈みが遅く、深夜と言われる時間位ようやく太陽が姿を隠し夜の闇がやってくる国の話。


知らなかった国が文字で綴られて読み想像を膨らませ、好奇心を躍らせページを捲ってゆく。


まだまだ知らない事が沢山あるのね。


前世の様に移動には時間がかかるし、国と国を渡るのは簡単だけで徒歩か馬上か馬車になる。


飛んで行けたら世界1周なんてあっという間なんだとうけど。


「国境には近づかぬようお願いします」


空を飛ぶ度にディランから言われて続けた言葉が浮かび、


国と違う国だもん。色々あるわよね。


小さく息を落とし、再び本に視線を落とし本の世界へと意識を解け込ました。


フッと意識が本から離れ窓に視線を動かし空を見ると、起床時間頃だと気づき、本を閉じ身自宅を整え部屋を出る。


初めてキッチンに向かった日より暖かく感じるのは周りの雪が溶けてき始めているからか、冷え込みが少なくなったが、地面は濡れており、時折屋根から滑り落ちてくる雪と落下音に驚いてしまう。


そういえば、ディランも寝ていた時に雪の落下音で驚いて起きたと言っていた。


今度、水魔法で屋根の上の雪を落としてしまおうかな。


ぼんやりと考えながらキッチンでの作業に取り掛かり、次ぎから次へやってくる鍋やフライパンを洗い、最後に使用後の皿やカトラリーを洗い終わると、フレディと朝ごはんを食べ、ランドリーへ。


あたりにも楽しみにしていることを言っていたからか皆が皆口を揃えて、


「楽しんできてくださいね」


「噴水の近くにある屋台は美味しい物が集まっていますよ」


「フレディさんにおすすめの屋台の場所を伝えておきましたので、ディラン様と行ってください」


などなど。


今まであまり話せなかった人達にも声をかけて貰い、朝ごはん時に聞いた事全てフレディに伝えると、なぜか口端を動かしていたのを思い出し、


フレディも戸惑う事があるのね。


メイドさん達の制服を洗いながら小さく思い出し笑いをしていると、いつもの様に声がかかり近くにいたメイドさんにお願いをお礼を告げ、フレディと歩く。


なんだか普段より歩く速度が速い様な気がする。


「フレディ、あのね」


息が上がりそうになる中、声をかけるも


「申し訳ありません。少しお急ぎください」


視線のみ向けられ、告げられた言葉に、首を傾げるも頷き返し、部屋近づく頃には小走りになっていたが、

自室の扉の前には仲良くなったメイドさんの1人が立っており、


「申し訳ないが手早く」


フレディの一言にメイドさんが頷き、空いていた扉を早足まま潜れば、すでに準備がされ、あっと言う間にメイドさんとお針子さん達に囲まれ、


「エスメ様、動かないでくださいませ」


頭上から何かを入れられたと思えば、


「大きく息を吐いてください」


力強い大きな声に無意識にお腹の底から息をかき出すと、すぐさまお腹に圧迫がかかり、


「ゆっくり、細く息を吸い、大きく吐き出して」


驚く間も無くすぐさま告げられた言葉通りに従い、繰り返しと、コルセットでウエストが作られ、

再び頭上から被せられる。


今度は何を?


数度瞬きをした後に動かし難い体を動かし足元を見ると、黄色い生地が目に入り、


「ドレス?」


メイドさんがドレスを整えていると時折見える若草を思わせる色が見え、


「奥様がエスメ様にこの日に着て欲しいと、私達にお話がありました」


手直しをしているお針子さんの言葉に、驚きと嬉しい気持ちが混ざり、


「お礼を言わなければなりませんね」


ドレスを撫ぜながら少し震えた声で告げると、


「お喜びになると思います」


微笑みながら告げられた言葉に頷き、


「さ、今度はメイクと髪型を整えますのでドレッサーへ移動をお願いいたします」


頷き足早に移動し椅子に座れば、メイクと同時に髪を漉かれまとめられると黄色のリボンが巻かれてゆくのを鏡越しに見ていると、


ノックの音が聞こえ、返事を返すと、メイドさんに開けられた扉からスーツを着たディランが姿を見せ、


「おはよう。ディラン」


あまりにも見慣れない姿に勢い良く振り向きそうになるも、動きを読んでいたメイドさんに頭を固定されてしまったので、鏡越しでの挨拶をすれば、


「おはようございます。姉様」


微笑みながら鏡越しでも目を合わせ挨拶をくれた。


口紅を引かれ、色を整え馴染ませれば、


「お疲れ様でございました」


口紅を引いてくれたメイドさんの言葉に改めて鏡を見ると、自分ではない自分が写っておりまじまじと眺めてしまうも、鏡に映るディランとフレディの姿を見て、


「見て!お祖母様が贈って下さったドレスにお針子さんが作ってくれたドレスとメイドさん達が整え作ってくたメイクと髪型よ」


勢い良く立ち上がると、椅子が引かれ動きやすいように場を広げてくれてたので1回転をし、ディランとフレディに見せると、


「良くお似合いです」


ディランの言葉に同意だと頷くフレディに


「ありがとう。お祖母様とお針子さんにメイドさん達のおかげよ」


お礼と共にディランにこの部屋にいる皆のおかげだと改めて告げると、


「そうですね。皆、短い時間にもかかわらず良くやってくれた、ありがとう」


いつものディランだけど服装がワンピースじゃないからかカッコ良く見えるわ。


少し大人びた口調と態度のディランの姿に微笑ましく見守っていると、


「姉様、神殿へ向かいますよ」


どこか気恥ずかしそうにしながらの表情と言葉に頷き、


「皆、素敵に仕上げえてくれてありがとう。行ってきます」


ディランから差し出されたエスコートの手を取り、部屋に居るメイドさんとお針子さんに改めて礼を告げると、


「行ってらっしゃいませ」


一斉に腰を折り礼をしながら見送ってくれた。


屋敷の中を歩くと、すれ違う人達から腰を折り見送りの言葉を貰い、返事を返し歩いてゆく。


馬車の前にはイルさんが立っており


「御二人方とも良くお似合いです」


微笑みながらの褒め言葉に、照れてしまうも嬉しく思い、


「ありがとう。ドレスを贈ってくれたのはお祖母様で、お針子さんと仲の良いメイドさん達が整えてくれたの」


返事を返すと、


「さようでしたか。さすが奥様でいらっしゃいますな」


穏やかに笑いながら何度も頷いてくれ、


「いつまでもお引き留めをする訳けには行きませんな」


そんな言葉と共に、馬車の扉を開けてくれ、ディランの動きに合わせ先に馬車に乗り、ドレスが皺にならないように気をつけ座ると、ディランとフレディも乗り込み、


「行ってくる。留守を頼む」


ディランの挨拶の後に、


「行ってきます。お土産買ってくるので楽しみにしていて下さい」


笑顔で挨拶をすると、


「行ってらっしゃいませ。楽しみにしております」


イルさんから挨拶が終わると、外にいるイルさんが扉を閉めディランが壁をノックするとゆっくりと馬車が動き出した。



第113話


袴姿の女性を数名見かけました。卒業式だったようでどこかその背中が頼もしく見えました。

良き旅立ちでありますように。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただきありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤のディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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